【BNSK】品評会 in てきすとぽい season 13


 
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2015.07.20 00:07

投票期間:07/20 (月) 00:00 ~ 07/26 (日) 20:00 ※こちらも少し変えています!
集計発表:07/26 (日) 20:00以降

No.01 天を登る(茶屋)
http://text-poi.net/post/chayakyu/116.html

No.02 魂抜き(古川遥人(旧:木下季花))
http://text-poi.net/post/haruto_furukawa/4.html

No.03 バードメン(古川遥人(旧:木下季花))
http://text-poi.net/post/haruto_furukawa/5.html

No.04 the_flame(unfinished)(朝比奈 和咲)
http://text-poi.net/post/k_asahina46/5.html

No.05 muomuo、桜の木を指差す(しゃん@にゃん革)
http://text-poi.net/post/syan1717/56.html

No.06 屋上ガールズ(大沢愛)
http://text-poi.net/post/ai_oosawa/28.html

皆さん投稿ありがとうございました。

感想や批評があると書き手は喜びますが、単純に『面白かった』と言うだけの理由での投票でも構いません。
毎回作品投稿数に対して投票数が少ないので、多くの方の投票をお待ちしております。
また、週末品評会では投票する作品のほかに気になった作品を挙げて頂き、同得票の際の判定基準とする方法をとっております。
ご協力ください。

投票は、本スレッドかてきすとぽいのいずれかのみでお願いします。

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 「この作品が最も良いと思った」と思われる作品にのみ5の評価を、
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投票、気になった作品は一作品でも複数でも構いません。

たくさんの方の投票をお待ちしています。

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2015.07.21 21:35

本スレの感想を転載します。

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2015.07.21 21:36

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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No.01 天を登る(茶屋)
http://text-poi.net/post/chayakyu/116.html
 主人公・中谷昇は死に、「天」と呼ばれる場所に至り、ひたすら坂道を登り続けている。さまざまな集落と行き会い、自分の「幸福」との乖離を自覚しつつ先へと進む。本文中にいみじくもある通り「人の脳は、『天』に至ってもその脳の束縛から逃れていられないのだとすれば」そもそも「天」という人間界とは異なるはずの世界を舞台にした小説を書く理由がないのではないか。どの集落に出会っても主人公は内面の変革には至らず傍観者のままだ。これでは小説の出発点からまったく進んでいない気がする。「天」と呼ばれる場所が人間界と大差ないというのもいささか安易の謗りを免れない気がした。


No.02 魂抜き(古川遥人(旧:木下季花))
http://text-poi.net/post/haruto_furukawa/4.html
 「閉眼法要」という珍しい行事に出席すべく主人公と母親は母方の実家へと向かう。仏壇に籠る魂を解放する「魂抜き」の儀式に参加した僕は、これが旧家に縛られた祖母の魂を解放する儀式だったのではないかと密かに思う。読了して疲労感があった。前半の寒村の描写は必要だったのか。中盤からの「魂抜き」にまつわる部分はほとんどが台詞と独白による説明で、分量の割に立体感がない。肝腎の祖母の思いが推量によってしか示されないので、一方的な思い込みとも取れてしまう。むしろ説明を抑えて場面を示せば深みが生まれたのではないだろうか。

No.03 バードメン(古川遥人(旧:木下季花))
http://text-poi.net/post/haruto_furukawa/5.html
 高い壁に囲まれた「進撃の巨人」に出てくるような都市。「進撃の巨人」では外部から襲いかかるものへの防御のためだったが、これは管理のためである。「壁は圧倒的な不条理の象徴」「空は自由の象徴」とわざわざ書かれているのが辛い。言葉にしてしまうと幼稚さが曝け出される。本来は作品を通じて「感じさせる」べきことだろう。背中に羽の生えたガシェルと主人公の二人は、暴力に抗して空へと飛び立つ。背中に羽が生える種族という設定は活きているのだろうか。ひたすら異分子を排除しようとする側があまりに形通りなのも気になった。

No.04 the_flame(unfinished)(朝比奈 和咲)
http://text-poi.net/post/k_asahina46/5.html
 高校での人間関係に馴染めず予備校に通う高校生の主人公が、自習室で石川・小樂という他校の生徒と交流するうちに何か分かったような気になる話。舞台が予備校の自習室に限られていて、主人公が基本的に何もしないので話がほとんど進まない。芥川龍之介・夏目漱石の話がちらりと出るが、現状追認的で鋭さに欠ける。かつて「授業終了後、自習室に入り浸る生徒は落ちる」と予備校教師が話していたのを思い出した。分かるような気がする。最後に主人公が、文転と違いほとんど成功しない理転を決心するのが何とも象徴的だった。

No.05 muomuo、桜の木を指差す(しゃん@にゃん革)
http://text-poi.net/post/syan1717/56.html
 前回のBNSKに出た「muomuo vs 季花」の続編。一つの作品として見るならこの範囲内だけでは理解できない用語が頻出して、自立性に欠ける。もう一つ、エセ外国人的な口調のmuomuoのキャラクターはいいが、すずきりと季花のやりとりがやや凡庸なのが惜しまれる。最後に、怒り狂ったジャグリング教室の参加者に詰め寄られた三人が木に登るというのは何ともおかしかった。「試練を乗り越え、ともに同じ頂きを目指す」と言いつつやっていることは無計画な木登り。どう見ても志の高さとは無縁の単なる逃避。何かの陰画のようで味わい深いと思った。

No.06 屋上ガールズ(大沢愛)
http://text-poi.net/post/ai_oosawa/28.html
 交通委員を務める主人公と美術部員の裕未は共謀して屋上ドアの合鍵を作り、屋上で過ごすようになる。ある日、裕未は転落死し、翼と付き合うことになった主人公は初デートの待ち合わせを屋上入口に決め、夜中の教室で待つ。はじめはブックエンド形式で最初と最後が同じ場面だと思った。だがよく見ると最初は月が出ているが最後は月のない夜だ。では最初の場面はいつなのか、と考えるとにわかに恐ろしくなる。転落途中の裕未が見たものは何か。なぜ主人公は落ちた時間を知っているのか。屋上で翼と何を話すつもりだろう。問い詰めたい。

 ***********************【投票用紙】***********************
 【投票】:No.06 屋上ガールズ(大沢愛)  

  気になった作品:
  「バードメン」の一方的あらすじ文体がもう少しなんとかなって
  いれば、とか、「muomuo、桜の木を指差す」が前作とは別個の
  自立性を備えていれば、とか、「魂抜き」が前半をカットして後
  半を立体的に書けていれば、とか。

  何とも悩ましいが結論は出なかった。
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一覧ページにコメントされました。
2015.07.21 21:36

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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No.01 天を登る(茶屋)
http://text-poi.net/post/chayakyu/116.html

主人公の名前被ったがな(´・_・`)
それはそうと、意外とこの物語好きかもしれません。
本当は主人公が見てきた世界は実在しなくて、そういう世界を見せることが天、みたいな、終わりがない。
音楽アルバムのファーストトラックで出てきそうな展開だよね。

No.02 魂抜き(古川遥人(旧:木下季花))
http://text-poi.net/post/haruto_furukawa/4.html

あ、一人称ですごい書いてる(´・_・`)
こういうの見ると羨ましいよね。私は最近三人称ばっかりだからさ。
そしてこの作品を読んだ感想なのだが……うーむ、くどくないだろうか?
祖母に会うまでの過程がめちゃ長いんだよね。それでその部分が重要かというと読み飛ばしても問題ない内容なので、余計に冗長に感じてしまうのである。内面描写をもう少し削って、あとは主人公が見たもの、聞いたものの解釈を読者を信じて委ねてみてはどうだろうか?
私は結構それで失敗してしまうのだけど(´・_・`) 程よさを身に付けたい。
作品自体は、結構私のシチュエーションと似ているので思うところはあった。
母のあの長いセリフは、祖母の前で言ったのだろうか。私の場合では、ふつう本人の前では話さないことを母が喋っていて、そのことに衝撃を受けたんだよね。呆けってどういうことなんだろうって考えたりもした。

No.03 バードメン(古川遥人(旧:木下季花))
http://text-poi.net/post/haruto_furukawa/5.html

おい、読んでる間に恥ずかしくなっちまったじゃねぇか畜生。
なかなか難しいのが、主人公たちにあんまり感情移入できなかったところ。
だってやりすぎやし(´・_・`)
主人公が殴り飛ばされたところも自業自得のように思えたし、誘拐犯の目的はなんだったんじゃろうかとか、そもそも壁がある理由は何? みたいな。壁を越えてはいけない以外は壁の中の生活もそれほど悪くないように思えたし。
違和感無くすとしたら、管理側は独裁者じゃなく大人たちみんなが「壁から出てはいけない」と子供たちに言い聞かせている。それを振り切って主人公たちは壁の外に飛び出るけど外は無法地帯だった→外の世界を救うために立ち上がったバードマン、という流れが自然なのよね。ありがちっちゃあありがちな流れだけど。

No.04 the_flame(unfinished)(朝比奈 和咲)
http://text-poi.net/post/k_asahina46/5.html

> 全ての登場人物の話し方がやたら丁寧になってしまう。女子が男子にCool! と言ったシーンを「カッコいいです!」と訳す、

嘘こけ!
……いや嘘だろうこれは。思わず笑ったけどさ。
しかし私はこの作品好きだな。
とくに何か大きな事件が起こるわけではないのだけど、主人公はたしかに問題を抱えていて。
読む側のアレルギーを起こさない適度な軽さがあって、なんだか羨ましいな(´・_・`)
unfinishedと書かれているので物語が途中で終わっているのではないかと心配したけれど、私的には問題なかった感じ。

No.05 muomuo、桜の木を指差す(しゃん@にゃん革)
http://text-poi.net/post/syan1717/56.html

うむ、まったく意味がわからないのだが、最後までスラスラ読ませてしまう文体には正直関心する。
読み手に文章でストレスを感じさせないって、やっぱり技だよね。

No.06 屋上ガールズ(大沢愛)
http://text-poi.net/post/ai_oosawa/28.html

……んー、よくわかんなかったや(´・_・`)
お題消化の方法はよく考えられていて、「ふむ、これは他の作品とはレベルが違うな」と一度は思ったのだが、後半に行くにつれてよくわからなくなった。
ところどころ違和感があって、たとえば主人公が屋上に初めてきたときにザリガニの死骸を怖がったりして居心地悪そうな描写があったのだけど、二度目以降はなんだか寛いでいるみたいに見えるところとか。だが最後の結末は主人公が二重人格みたいに見えるし、その違和感も演出されたものと考えたほうがいいのだろうか?
狙いとかすらもあんまり読み取れてない状況なので、この作品の解釈は他の人に任せよう。

No.07 (時間外&文字数超過)リプレイ(ほげおちゃん)
http://text-poi.net/post/hogeochan_ver2/21.html

自作。まさかの時間外&文字数超過というダブルチョンボである。ぐふっ
最後の落とし所は途中で思いついたのだけど、なんか癖のあるものになってしまった。
最主人公の性格付けに悩んでて、身勝手な人物にすることが多いのです。こいつは多分多くの人から良く思われないんじゃないかって人物。昔は清廉潔白な人物を書こうとして、けど現実は決してそうじゃないなって気づいて。
しかし、多くの人に「そりゃそうなるのも仕方ないよ」って思ってもらえる境界線はどこにあるのか。いつもそこを狙って大幅に外すというのが、私の最近の作品の傾向である(´・_・`)
だからNo.04のような適度な軽さのある作品に惹かれるんだろうなあ、と思ったり。

 ***********************【投票用紙】***********************
 【投票】:No.04 the_flame(unfinished)(朝比奈 和咲)
  気になった作品:No.01 天を登る(茶屋)
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私の中では一位は簡単に決まったが、二位争いは難しかったね。
No.02は巧みな文体に惹かれたし、No.03はもう一つ練ればグッと良くなる気がする。No.05は一番楽しく読めた気がするし、No.06はなんだかんだいってお題の消化を最もちゃんと考えているという点を評価しても良い気がする。
が、今回は私が今後どんな作品を書いていきたいかと考えて、適度に軽さがあって、しかしどこかテーマを感じさせる。そんな作品に票を入れたいと思いました。
あらためて、小説って難しい。

『天を登る』にコメントされました。
2015.07.26 13:34

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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 ずっと坂道を登り続けるって、私には天ではなく地獄にいるように感じるんですが……。幸福の感じ方は人それぞれということでしょうか。
 主人公の幸福と「天」に対する考え・迷いはなんとなく分かったので、その考え・思いを抱いた主人公が坂道を登りながらどう変わっていくのかというのを見てみたいと思いました。だいぶ坂道を登っていたなら様々な形の「天」にも出会っていると思うので、その「天」の中で一つだけ取り上げて詳しく書いて主人公にどんな影響を与えたのかを書いてみても良かったのではないかという気もします。どんな「天」があったのか、というそっちの方が私は気になりました。
 余談ですが、読んでいて「キノの旅」を思い出しました。

『魂抜き』にコメントされました。
2015.07.26 13:35

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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 田舎の雰囲気が上手に描けていたと思います。田舎の交通の不便さだけでなく、薬局に置かれているものや家にあるものがなにかと古臭かったり、廃墟となった建物など、現実感のある描写ができていて想像しやすかったです。一人称視点で見た物を触れたりしながら語っていく進め方もこの小説の雰囲気作りに一役買っていたと思いました。
 しかし、前半の描写と後半の内容がそんなに繋がりを持っていないせいで、せっかくの前半が活かされていないように思えてしまいました。
 「魂抜き」という風習をきっかけに田舎だけでなく親戚の現状を知り、彼らの辛さや苦しみを知り、最後に「魂」について主人公としての考えを述べて終えていますが、こちらがメインならばこれを前半からもっと使えば良かったのではないかと思いました。

『バードメン』にコメントされました。
2015.07.26 13:50

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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 抑圧された世界で、強圧的な軍人と強人的な英雄のいざこざ、という分かりやすい展開もあり、最後まで楽しく読めました。一見、悪そうに見えるバードマンが本当はいい奴というギャップもまたいいですね。
 悪い点は見当たりませんでした。一万字なので中身もこれくらいがちょうど良いと思います。もっと字数が増えたらバードマンの活躍が見れそうで面白そうです。と、同時に暴力的という短所を持つバードマンがどんなトラブルを引き起こしてしまうのかというのも、見どころになるのではないかという想像をしました。

『the_flame(unfinished)』にコメントされました。
2015.07.26 13:51

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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 自作です。

 いたら嫌われそうでありながら、どこか憎めない性格を持つ女子高生の主人公を書くことに挑戦しました。消極的な性格の持ち主だからこそ、一人で動くときは大胆になってしまい、見栄や意地を通さねばモチベーションを保てない、そんな主人公。
 そのため、書いていても物語が進まない……。当初は石川と二人だけだったんですけど、石川も消極的な性格に設定したので、小樂を登場させて物語に勢いをつけざるを得ませんでした。
 まあ、出来上がってよかったです。
 最後になりましたが、ご感想ありがとうございました。

『muomuo、桜の木を指差す』にコメントされました。
2015.07.26 13:51

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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 えーっと、内容がよくわからなかったです。他の方の感想を見るに続編と書かれていたので、もしかしたらそっちも読んだら分かるのかなあ、と。
 深読みせずに、この辺で感想を終わります。

『屋上ガールズ』にコメントされました。
2015.07.26 13:52

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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 読み終えて、宙ぶらりんな思いのまま感想を書いています。裕未を落とした人がいるのかいないのかも分からないままですし、そもそも犯人を当てる推理小説でもなさそうな気もするので、こういうときは深読みしないことに私はしています。
 交通委員会の真田先生の言っていたことになるほどなあ、と思いました。確かに頑張っている人を目の当たりにしたら文句を言えなくなりますし。こういった人間の性質を突いていそうなネタは私は好きなので面白かったです。
 描写は見事だと思いました。教室や屋上などの雰囲気がよく描かれていたと思います。内容は深読みしなければならないところもあったせいか、私の理解が着いていけませんでした。

『(時間外&文字数超過)リプレイ』にコメントされました。
2015.07.26 13:52

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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 面白かったです。読みやすく、分かりやすく、主人公の心情に共感できて面白い。話のテンポも良かったです。主人公よりもマネージャーの方を好きになりました。長く活動するためには、どうしたって縁の下の力持ちが必要なわけですし、私はそういう人たちを応援したくなる性格なので。
 一点いうなれば、ストーリーがありがちな展開で、あまり捻りが加えられていない気もするためか、読んでいて楽しいのですがそれ以上の感動は得られなかった、ということです。ただ、およそ一万字の中でキャラを6人登場させて起承転結を纏めているため、そういったものを犠牲にしなければ完成しないとも思いました。
 もし一万字の中で捻りを加えた王道な展開を作るならば、登場キャラを少なくしたり世界観を狭くしたりすればいいのかなあ、と思いました。この考えに全く根拠はないのですが。
 とても勉強になりました。

『(時間外)向こう側へ』にコメントされました。
2015.07.26 13:52

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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 読んでいて疲れました。暗い感じの話なので読むに疲れるのは私としてはいいんですけれども。でも、もう少し大学生と社会人についてのありがちな考えからもう一歩踏み込んで書いていたら楽しかったかも、と思いました。
 私もできていないこと多いので言うのも何なんですが、暗い話を書くときはまず主人公に身体を動かせてそれから話を進めるように気を付けています。読者を小説の世界に無理やり引っ張ってしまおうと思ってやってるのですが、これまた難しいです。
 比喩表現を使った描写は上手で、全体的に読みやすかったです。それだけにもう少し深く書いてくれたらよかったのに、と思える作品だと思いました。

『天を登る』にコメントされました。
2015.07.26 19:10

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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昇が登って行く(この辺りの何気ない言葉遊び、好きです)中で出会ったのは、恐らくそれぞれの時代で生まれてきた集落・都市なのだと思いました。

以下は僕が勝手にこの小説をそう感じたというだけですので、偏った感想になっていると思います。

最初の場面は弓を使っていることから旧石器時代~古墳時代あたりなのでしょうか。昇は集落にいた男に、ここは天かと尋ねます。男は、自分にとってはここが(恐らくその時代に生きる者にとっては)天だと言います。昇はそこからさらに坂を登って行き、文明がどんどん進んでいく中、各時代の集落や都市を巡っていきます。
各々の時代に生きる人々から、それぞれの宗教観、天に対する考え方、幸福とは何か、ここは天国か(天国のように感じられる環境か)尋ねていきます。
時には文明の退化を望む者たちに行き当たりながら、それぞれの時代の幸福を昇は尋ねていきます。その時代に生きる者の幸福とは何か、その時代に考える天とは何か、自分のいる場所が天だと(あるいは天国のように)思えるか。
読者から見れば歪んだ幸福の形をも、昇は時代の坂を上るという形で見つめていきます。
人類が生きてきた歴史を坂と喩え、そこを登っていくという発想、そしてそれぞれの時代に生きる人の幸福を天と結びつける発想はとても面白かったです。何と言うのでしょう、各々の時代の宗教観や幸福に対する考え方を、昇が見ていくという発想が面白かったです。そして昇が幸福とは何かを考える。『天』という存在が最適化された幸福を個々人に与えてもいいのではないかと。しかし、それぞれの天に対する考え方、幸福に関する考え方が、いささか型どおりになってしまっているのが惜しく感じられました。
そしてニノボルというキャラクターが、言葉遊びというより、どうしてもお題を回収するためだけに現れた存在のように思え、強引さのようなものを感じてしまいました。

しかし、やはり世界観の作り方、ちょっとした皮肉のような表現の仕方が茶屋さんらしくて、とても面白かったです。ブラックユーモアのような、良いショートショートだと思いました!
 
 作者の意図しない変な読み方をしてしまっていたら申し訳ないです…!

『the_flame(unfinished)』にコメントされました。
2015.07.26 19:11

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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思春期の、人間関係に不器用な子の抱えがちな感情が、滔々と書かれていたように思います。
個人的な感想としては、人間関係が苦手だというけれど、わりと初対面の人とも気軽に話すなあ、という印象を抱きました。が、その方がリアルかもしれません。人間関係が不得意だと自嘲する者は、意外とその人が考えているほど不得意ではない場合も多いように思います。十代の考え込みがちな子に見られるような、自意識が肥大化してしまい、人の目や言葉を常に気にしてしまう様子が、リアリティを持って書かれていたように思いました。

全体的に、人間関係を感じやすい思春期の女の子、自意識が強くなって戸惑ってしまう年代、けれどもちろんそれは本人にとってすごく真剣な悩みであるし、日常生活で常に悩まされる切実な問題である、というのが読みやすく描かれていて、感情移入しやすい作品でした。面白かったです。

『muomuo、桜の木を指差す』にコメントされました。
2015.07.26 19:11

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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前の作品でも思ったのですが、ダンゴリングって何だ!(笑)
このよく分からないワードが作品に可笑しみを与えていて好感を持つのですが、作品自体を見た時に、よく分からない世界観で、よく分からないケンカをしている、ということに好き嫌いが分かれそう、と思いました。登場人物の元ネタ(?)を多少なりとも知っている人なら、面白味を感じやすいようにも思えますが、よく知らない人にとっては、ユニークさや皮肉(は込められているのでしょうか……?)がうまく伝わらないような、そんな感じがします。

何と言いますか……個人的には品評会において、とても評価の難しい小説です。

『屋上ガールズ』にコメントされました。
2015.07.26 19:12

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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相変わらずの描写技術の高さ、学園生活のリアリティを感じさせる技術が高く、凄いなあと思いながら読ませていただきました。なぜ裕未が自殺をしたのか、翼はどういった人物なのか、最後の場面は何を意味しているのか、と考えるとドキドキする物語で、とても面白かったです。

しかし個人的にはそれぞれの場面、時系列、仕掛けが上手く結ばれていない印象を受けました。もちろん、深く読んでいけば結ばれるような気はしますが……。ん? と疑問に思うところも多数感じられるように思うのです。
以下はあくまで僕の小説観による読み方ですので、恐らくとても偏っていると思います。間違っていると思ったら、また始まったよ……と受け流していただければと思います。あるいは説明して頂けたらありがたいです。
 
最初の場面は、恐らく裕未が自殺する前後か、裕美が殺害される前後、あるいは自殺(殺害?)した後の感傷の場面だと思います(ごめんなさい、ぽい杯の感想などを見ていてお気づきかと思いますが、こういう場面を読み解くのってすごく下手なんです。説得力ないと思いますが、少しだけお付き合いください)。
はっきりと書かれておらずに、読者の想像に委ねている場面かもしれません。
個人的には、二段落目の教室の場面が、最初の段落から行空けが為されていて、今一つ時系列的にどの場面が語られているのか読み込めませんでした。教室の描写には夜の雰囲気が書かれていませんでしたし、大げさに言ってしまえばどの場面とも読み取れるように書かれているようにも思います(本当に大げさです。明らかに僕の読み込みが足りてないのでしょう)。
そして屋上に二人が通い始めたのは時系列的にいつなのか、最初の翼と話している場面はいつなのか(付き合い始めているということは裕未が死んだ後なのかもしれませんが『翼はずいぶん前から好きだったらしいが、まだ告白はできていないらしい』という説明から裕未は生きているようにも取れます。ミスリード? でも死んだのに『まだ告白は出来ていないらしい』と言ってしまうのも違和感があるような気がするのです』)。翼と付き合ったのが裕未の亡くなった後なら、この場面は一体いつなのだろう、という混乱が読みの浅い僕にはありました。この辺りの仕掛けに対する解答に僕が気づいていない可能性は大いにありますが、それらの時系列が上手く入って来づらい印象が、微かな違和感に繋がってしまったような気もしました。
僕には、作者が読者の想像に委ねようとするあまり、読者の想像する余地を大きく残そうと意識し過ぎて、各場面の時系列がしっかり整理されないまま、あるいは時系列をわかりやすく示さないままに書き上げてしまったように思えたのです(もちろんそれが作者の狙いであり、私が変なケチをつけているだけなのだとも思います)。そういう小説が良い、あるいはそっちのほうが断然良い!という人もいると思います(一番最初に感想・投票を書いてくれた方ですね)。そして僕のように、よく分からなかったという人もいると思います。
だからこの部分が悪いというわけではなく、こういう捉え方をする奴もいるのだ、という気持ちで受け取っていただきたいです。


もう一つ、裕未の抱える感情が、あるいは主人公が裕未に抱える感情が見えてこないために、自殺したのか、殺害したのか、その動機は何か、というのがほとんど見えてこないのが惜しいと思いました。なぜ、彼女が死んでしまったのか。主人公はどうして最後の場面で裕未を抱きしめてあげたいと思ったのか。謎だけを与えられ、それでありながら読者に全容が見えてこない印象を僕は受けました。もちろん、読者が想像をする余地がある小説というのは、とても好まれる作品でもあると思います。

最後に、急に伊織に乗り換えた翼くん。個人的には一番惹かれます。が、なぜ好きだった女子の死因となった屋上を、デート場所に指定されて拒否しないのか。普通だったらそのような縁起の悪い場所には近づかない気がします。そして、どうして好きだった女子の絵を禍々しく書いたのか。なぜいきなり伊織と付き合ったのか。そのような要素は惹かれるような部分でもあり、しかし彼の気持ちという面では、読者にパズルのピースの一部だけを与えられて完成図がほとんど見えてこないもどかしさもありました。翼くんは良い意味でも悪い意味でも謎です。恐らくこのキャラクターにはさまざまな想像の余地が与えられる気がします。同時に、想像しなければ見えない位置に彼は居ます。この辺は読み手によって評価ががらりと変わりそうです。個人的には一番病んでそうに思えて好きでしたが……、最後の場面で謎を残しているにもかかわらず彼についてほとんど語られていないのが惜しく感じられました。

すみません。重箱の隅をつつくようなケチをつけてしまいましたが、それをはるかに上回る面白さや技術的に上手い部分を多く感じました。
まず一つ目に、最初の場面と最期の場面。月の光に照らされる夜、と月のない夜、という対比が面白く、巧いと感じました。月が裕未という存在を比喩しているようにも思えますし、単純に伊織の疚しさや悲しみによって、心の明るさを失くしたという表現を読者に伝えられることが出来ているようにも感じられるので、巧いと唸らされると共に勉強にもなりました。が、屋上に散らばる屍骸に関しては、すぐには理解できなかったのですが、屍骸に驚く伊織と、それに慣れているかのように気にしない裕未との対比だと思うと、死についてのさりげない比喩の書き方が巧いなと思わされます。この辺りも技巧的な対比のように思えましたが、裕美の屍骸に対する何らかのリアクションがあったらなあ、と我儘な感想も浮かびました。死の比喩に対する反応としては、少し薄いのかなあと(作者の狙いとは全く違う読み方をしているのでしたら、スルーしてください……)。

二つ目は、何気なく出てくる真田先生というキャラクターが、最後まで本筋に直接的に絡んでは来ないのですが、裕美の人間らしさや本心を引き出すための一番の人物として機能していて、すごく良いなと思いました。彼という人間に惹かれている、というのが、伊織の人物像として、とても分かりやすく表現されているなと思うのです。僕なんかはそれを全部独白や、相手の言葉によって表現したり説明してしまうのですが、主人公の人物像を、他のキャラクターに絡めて表現するというのは、いつもながら非常に勉強になります。

最後に、交通委員という普通は目立たないような日陰の仕事をあえて主人公に持ってくることで、主人公の学校生活に個性的なリアリティを浮き上がらせているのも面白かったです。大沢さんの場合はテニス部や他の部活動などでも、もちろんリアリティのある描写が書けますが、普通は注目されない人物からの視点で書くことで、不思議と学校の一場面を体験しているようなリアリティが感じられました。

リアリティや自然な比喩の表し方、伊織や真田先生のキャラクターの描き方がすごく上手で、とても惹かれます。

               ※

この感想が、僕の変な読み違いがたくさんちりばめられていると思うと、とてもおかしなものになっているだろうと思うのですが、この感想から少しでも何かの発見があるとするならば、とても嬉しく思います。毎度のように、批評という名の、自分の価値観の押し付けになってしまい申し訳ないです。

『(時間外&文字数超過)リプレイ』にコメントされました。
2015.07.26 19:13

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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80年代風アイドルの格好をさせるのは売れないアーティストでもちょっとオーバーな表現なような……、とか、現代で皮肉を言いまくったら炎上だけしてすぐに消えちゃいそう……、と思ったりもしたのですが、読んでいて面白かったです。結局、音楽という本質で勝負することをしないまま、目先の栄光や承認欲求に囚われてしまうのが、売れないアーティストらしいのかなという感想を抱きました。最後の最後に自分が勝負すべき武器に気づいた時にはすでに手遅れ……しかしそれを暗く書かずに、コミカルに書かれているのが、個人的にツボでした。

何と言うのでしょうか……色々なものに悪態をつき、人の事を見下し、相手の嫌な部分しか見ようとしない者は、自身も同じような目で見られ、嫌われていき、みんな離れて行ってしまうんだぞ、という皮肉にも見えました。しかし悪態をつく彼にも大切な物があるし、好きな人がいる。生活がある。必死に生きている。そういう厳しさと優しさの、ある意味では相対的な二つの場面が描かれていて、その辺りも面白かったです。

『(時間外)向こう側へ』にコメントされました。
2015.07.26 19:17

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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それぞれの人間の、苦しむ理由、死ぬことを見つめる、というテーマが個人的にはすごく好きです。
大学生のユキヒトが、決定的な理由があるわけではないけれど、なんとなく大学に行きたくなくなる。タクミが仕事をしている上で、仕事に意義を感じられずに、なんとなく死にたくなる。その気持ちは解ります。
私にもできていない事ばかりなので、このような批評を書いてしまうのは本当に滑稽なのですが、この“なんとなく”の部分をもっと深く見たいな、と思いました。
自分の生活がなんとなくパッとしない、他人の視線が気になるし、周りの人間が疎ましく見えてくる。だからこそ、かつての父との想い出、そして人間の目のない自然の中へ向かう。そこで、自分が生きているということ、己が他人に左右されない一個人として存在していられると感じられる。その部分は好きなのですが、しかし突然現れたタクミの死ぬ理由が、主人公に死を意識させる彼の言葉が、今一つ死に向かう人の実感を感じられませんでした。どうしても型どおりの記号のような印象が否めないのです。

(……どうして俺は無意味な思考を働かせてばかりいるんだろう――
この部分は感情が剥き出されていて好きでした。ドストエフスキーに通ずるような、人間の自意識を包み隠すこともなく書こうとする文章。主人公の気持ちを曝け出すようなこの文章が、徹底的に自意識に囚われている彼の思考を作者が自然と書いたような、読み手さえも気にせずに計算も何もなく書かれたような文章がすごく良いです。このような言葉が、もっとユキヒトに、そして死に向かおうとするタクミに現れてほしいなと思いました。どうしてもまだ、型通りの言葉に押し込められているような気がして、もっと彼らに感情から発する言葉を与えてもいいのではないかと、本当に個人的な感想ですが(なんだかものすごく僕の小説観の押し付けなのですが)、そう思う小説でした。

ユキヒトが山に篭って生き生きとしだした描写は引きこまれました。川水の中に脚を突っ込むシーンからは、とても生き生きと書かれていて、好きです。自然の中にこそありありと生きていける人間というのがすずきりさんの言葉によって確かに書かれていました。かつて祖先たちが自然の中で狩りをし、食料を取り、火を起こし暮らしていた、あの時のように自然と共に生きる人。都会の確約された暮らしの中にない、自然の中にこそ人間の生きる意味や生へのありありとした実感というものを感じられるユキヒトの描写、都会から離れた彼の姿は、とても良かったです。
そうでありながら、結局は都会で生きて行かねばならないユキヒトが、なんだか切なく感じられました。

『(時間外)向こう側へ』のコメントに追記されました。
2015.07.26 20:05

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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タツミをタクミと打ち間違っていました……。失礼な書き間違いをして本当にすみません…。

一覧ページにコメントされました。
2015.07.26 21:48

優勝(同点)
 No.01 天を登る(茶屋)
 No.03 バードメン(古川遥人(旧:木下季花))
 No.06 屋上ガールズ(大沢愛)

優勝作品が三つとか、どうしたらええんやろ……
とにかく、おめでとうございます!

次回お題はまさかの三題数珠つなぎ?

投稿&投票、感想いただいた皆さん、ありがとうございました。


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