エントリー作品◆第13回 凶暴幻想短編コンテスト瓶覗きの空(5301字)投稿時刻 : 2016.01.26 00:06 生駒山地の上に広がる空は淡く、晴れている。
山地から西側は、大坂湾に向かって河内平野がなだらかに広がる。 ...
◆第30回 てきすとぽい杯〈紅白小説合戦・紅〉髪結いの弟子(1285字)投稿時刻 : 2015.12.12 23:28
「上繋橋の袂で殺しがあったろぅ? なにか話を聞いてないか」 ...
◆第29回 てきすとぽい杯五月は花の……(932字)投稿時刻 : 2015.10.17 23:33 襖を開けると、昼下がりの薄暗い部屋に女は一人、座っていた。こちらに背を向け、崩した足を横に流しているために、緞子の帯が斜めに傾いでいる。黒い着物の裾か...
◆第17回 てきすとぽい杯〈GW特別編〉不信感(2254字)投稿時刻 : 2014.05.05 23:43 晩御飯の後、夜間の寺子屋へ向かおうと用意をしていた安吉に丁稚仲間が声を掛けた。 ...
◆第17回 てきすとぽい杯〈GW特別編〉不安な予感(2104字)投稿時刻 : 2014.05.04 23:43「新しい顔やな。しっかりきばりや」
近所の経師屋の番頭が、お仕着せの糊もまだ固い安吉に目を留めて言った。桶を...
◆第17回 てきすとぽい杯〈GW特別編〉そうやって大人になっていく―丁稚安吉の場合(8288字)投稿時刻 : 2014.05.03 23:38最終更新 : 2014.05.06 23:58*1*
「ほんまやて、南御堂の裏手に朽ちたような屋敷があるやろ? 塀は崩れて庭は草...
◆第16回 てきすとぽい杯落ちた駕籠かき(1429字)投稿時刻 : 2014.04.05 23:44 羽織は羊羹色に色褪せ、落し差しにした刀の鞘は擦り切れている。足を引き摺るようにして、見るからに浪人といった風情の男が、山の中の街道をとぼとぼと歩いてい...
◆200文字小説コンテスト山田羽書(200字)投稿時刻 : 2014.03.24 00:31 卯の刻。腹巻きの中の往来手形と、御師から渡された山田羽書を、もう一度確認する。 ...
◆200文字小説コンテスト御火の番(200字)投稿時刻 : 2014.03.24 00:30 長い廊下の途中に、男がいた。
「悔しい……」 ...
◆200文字小説コンテスト墨刑(200字)投稿時刻 : 2014.03.24 00:28「誠意なんかもろても腹の足しにもならんわ」
「銀三百匁払えんのやったらしょうないな」 ...
◆第15回 てきすとぽい杯桜色の未来(1454字)投稿時刻 : 2014.03.08 23:42「見積もり期限には今週中ということだが、今回は複数社での相見積りと聞いている。返答が早いに越したことはない。なるはやで頼む」 ...
◆犯人はオレだ! シンを背負いし者大賞狼男と雪女の秘密(2831字)投稿時刻 : 2014.03.02 21:17 ふわふわの泡が、お風呂場の窓から差し込む夕陽でピンク色に染まっている。あたしは楽しくなって、さらにお湯をかき混ぜて泡を作る。 ...
◆第14回 てきすとぽい杯〈オン&オフ同時開催〉最初に目に映ったものは(992字)投稿時刻 : 2014.02.08 21:48 最初は、きみの笑顔だった。
何も言えずに黙っているぼくに、きみは手を差し出して、 ...
◆短歌小説コンペ鬼住(343字)投稿時刻 : 2014.02.01 22:14ぎりぎりと 狙いをさだめる 桃の弓 ひょうと空切る 震える葦矢
ふかぶかと 突き刺さるのは 鬼のむね 驚愕したまま 両膝をつく ...
◆第11回 てきすとぽい杯〈お題合案〉実に、ささやかな(899字)投稿時刻 : 2013.11.16 23:43最終更新 : 2013.11.16 23:53「今宵は満月。霜月も、もう半ばか」
「あっという間に師走ぞ。今年も掛取りから逃げ回らねえと」 ...
◆第10回 てきすとぽい杯〈平日開催〉印象が大事(1106字)投稿時刻 : 2013.10.18 23:42「コピ・ルアク、を知っているかね?」
白衣の男はそう、私に聞いた。私は少し考え、曖昧に首を振る。 ...
◆第8回 てきすとぽい杯〈夏の24時間耐久〉泡沫の夢(1000字)投稿時刻 : 2013.08.18 12:28 阿弥陀池の辺にある小さな庵に、貸し本屋、信之介は入っていった。枝折戸を抜け、山のような荷物を背負ったまま薄暗い土間の奥に向かって「往来堂どす」と声を張...
◆勝手に連動 第6回ぽい杯スピンオフ賞橋占(1674字)投稿時刻 : 2013.06.22 22:55 新町を出たもののまだ帰る気になれず、総太郎は銅八を供にぶらぶらと四ツ橋へ向かった。 ...
◆第6回 てきすとぽい杯〈途中非公開〉冷やかし(523字)投稿時刻 : 2013.06.15 23:42 玉菊灯籠が、吉原の大通りである仲ノ町を照らしている。
幇間の銀八を共に今宵もぶらぶらと廓を冷やかしながら歩いていた惣太郎は、ふ...
◆第三回 てきすとぽい杯トカゲの尻尾(926字)投稿時刻 : 2013.03.16 23:41「今までの時間を返してとは言わないけど、これからの時間はあんたにはやらないわ」
そうあいつに言い捨てて一週間が経った。 ...