エントリー作品◆第55回 てきすとぽい杯〈てきすとぽい始動8周年記念〉台詞のない海(836字)投稿時刻 : 2020.02.16 02:44 海に台詞はなかった。
眩ゆい日差しを弾いた川面は細かに刻む波を際立たせ、葦簀越しの朝日をさなが...
◆第52回 てきすとぽい杯〈夏の24時間耐久〉継ぎ言葉 〔賢治の妹トシ〕(1000字)投稿時刻 : 2019.08.18 03:17 さながら赤子にするように。兄さは恥じらうわたしの手をとって、土いじりで節くれた指で、いつまでもいつまでも擦るのです。吹き付ける風が、窓を乱暴に叩きまし...
◆16小節のラブソング昭和のアイドル風。恥(117字)投稿時刻 : 2018.05.26 19:21ひとり〜で〜歩いてたときは♬
とおく〜の〜君を見ていた♬ ...
◆第44回 てきすとぽい杯置き去りの想い(660字)投稿時刻 : 2018.04.14 23:33 母はアキオの前で涙をみせたことはなかった。
白布をめくると、その母の前でアキオは涙を落とした。もはや叶うこともない願い...
◆第2回200文字小説コンテスト18(K)(200字)投稿時刻 : 2018.04.02 15:35最終更新 : 2018.04.08 23:36「おおきいおおきい」
と、絵里子は呻いた。どこかで聞いた社交辞令な言葉をよそに母のことを考えて...
◆暁文学ねじれのハンスⅡ(1101字)投稿時刻 : 2018.04.10 23:43 落ちつかぬ硝煙の名残は、風とともに青年の顔をぬぐった。早暁のかすかな光は、年老いた犬にも似たあぶら気のない黄金の髪を照らした。いつになく穏やかなその顔...
◆第43回 てきすとぽい杯〈てきすとぽい始動6周年記念〉黄金の鱗(千文字古話〕(1000字)投稿時刻 : 2018.02.19 01:13最終更新 : 2018.02.19 15:21 遥か彼方で皎々と照りやまぬ月を眺めると、海が濃く匂った。月のほかに星ひとつとしてなかった。凪いだ海は空を拝み黄金の道をつくった。小僧はその果てなくのび...
◆第42回 てきすとぽい杯〈紅白小説合戦・紅〉軛(くびき)を断つ(2439字)投稿時刻 : 2017.12.09 23:47最終更新 : 2017.12.09 23:53 春まだ寒風まじる仙臺城下。仇討ちを志し国元を離れて三年。月夜にその相手を認め吉之助は鳥肌がたった。あれは紛れもなく葛西辰之進ではないか。 ...
◆ファッションの秋!パリコレ小説大賞江戸前啖呵(たんか)(8862字)投稿時刻 : 2017.12.05 02:25最終更新 : 2017.12.06 09:17 花のお江戸は日本橋 三越白木屋高島屋
小紋や絞りも華やかに ...
◆第2回文藝マガジン文戯杯内と外。(選考対象外)(4305字)投稿時刻 : 2017.10.09 02:49最終更新 : 2017.10.09 02:58 今朝は、伊藤さんのひとりごとで目がさめた。もっとも、伊藤さんからしてみたら、あたりまえに話しているだけなわけで、実在しない架空の相手に、本気で文句を言...
◆第41回 てきすとぽい杯エンディングは霧の彼方へ(2432字)投稿時刻 : 2017.10.14 23:56最終更新 : 2017.10.15 00:35(フラッシュキューブが眼に痛い)
パパラッチの群れをかき分けて、スタジオ入りするとシェリルは既にスタンバイ...
◆第一回文藝MAGAZINE「文戯」BUNGI杯雲ノ月(5980字)投稿時刻 : 2017.09.02 02:03最終更新 : 2017.09.02 02:11「セル見てよ。あっちの進捗は尋常じゃないわ」
「彼奴らが介入しているとでも?」 ...
◆第40回 てきすとぽい杯〈夏の24時間耐久〉マーブルの想い出(1000字)投稿時刻 : 2017.08.19 22:45最終更新 : 2017.08.20 00:18 ドラフターに向かうハンスは、吐息とともに天井を仰いだ。図面は、マーブル1600だ。ハンナがコーヒーを手渡した。 ...
◆名作の書き出しは必ず名文波紋(7942字)投稿時刻 : 2017.08.03 03:22最終更新 : 2017.08.12 00:35 えたいの知れない不吉な塊が私の心を始終おさえつけていた。待ち受ける現実を、受け止める器量などないのだけれど、生涯自分を苦しめ、悔恨の痛みを伴うあの情景...
◆名作の書き出しは必ず名文亭主と妻と居候(4047字)投稿時刻 : 2017.07.24 00:32最終更新 : 2017.07.27 00:39◆OD氏の節◆
あわただしく、玄関をあける音が聞こえて、私はその音で、眼をさましましたが...
◆「覆面作家」小説バトルロイヤル!純愛テーマパーク(6605字)投稿時刻 : 2017.07.07 23:39最終更新 : 2017.07.08 02:32お題:純愛/テーマパーク
また、同じ夢を見た。真夜中。静まり返ったテーマパーク。 ...
◆「覆面作家」小説バトルロイヤル!青の憧憬(4599字)投稿時刻 : 2017.06.12 14:39最終更新 : 2017.06.12 14:49お題:純愛/不倫
◆プロローグ ...
◆第38回 てきすとぽい杯四谷下町四畳半エレジー(1244字)投稿時刻 : 2017.04.16 23:54最終更新 : 2017.04.17 02:20 枕元。煙草で針の山となった灰皿に、沈黙の狭間を埋めようと試みた新たなフィルターが擦りつけられる。役目を果たせず終焉の時を迎えたその煙草は、それに相応し...
◆キムワイフ ゜緋色の滲み(2877字)投稿時刻 : 2017.04.06 03:04最終更新 : 2017.04.29 23:31 そこは淀みも塵も沈み切っていた。無用となった実験機材は、あたかもこれから何者かによって使われるのを待ち望んでいるのか、静けさと共に整然と並んでいる。実...
◆第37回 てきすとぽい杯〈てきすとぽい始動5周年記念〉ねじれのハンス(2597字)投稿時刻 : 2017.02.18 23:11最終更新 : 2017.02.18 23:17 ハンスは、薄汚れたチノパンツのポケットに両手を埋め不機嫌な顔で歩いている。昼に食べたベーコンが歯に居座ったままなのが気に食わないのか。それとも、昨晩つ...
◆【BNSK】2016年11月品評会 夏の残像(990字)投稿時刻 : 2016.11.20 01:40最終更新 : 2016.11.20 12:18- 回帰
峠を抜けて木々がまばらになると左にアーチを描く海岸がひろがる。ゴトンゴト...
◆【BNSK】2016年11月品評会 花魁扇花-白煙千鳥の如く(3725字)投稿時刻 : 2016.10.24 03:17最終更新 : 2016.11.01 13:07 流れる車窓に頬を寄せれば目に入るもの全てが新しく胸に染み渡る。こうして初見(はつみ)の街々を眺めていると郭(くるわ)にいた時の心情が蘇るのも不思議であ...
◆第35回 てきすとぽい杯千鳥屋騒動(887字)投稿時刻 : 2016.10.15 23:31最終更新 : 2016.10.15 23:33 お江戸吉原五丁町でも筆頭の千鳥屋っていゃ二本差しの大禄取りでも敷居が高ぇって評判だ。その千鳥屋が何やら剣呑な騒ぎが起きてるってぇから、馴染みの江戸っ子...
◆【BNSK】2016年9月品評会 英雄(ヒーロー)のいない曲馬団(6778字)投稿時刻 : 2016.09.19 00:14先生と初めてお会いしたのは、庁舎の廊下から中庭を臨むと今が盛りと桜が開花しており、ひと風吹くと珠と零れる、その様な季節でした。僕はその桜をそしてその彼方...
◆第34回 てきすとぽい杯〈夏の24時間耐久〉その流れにゆだねて(1000字)投稿時刻 : 2016.08.21 19:18「俺は死ぬる」
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◆初! 作者名非公開イベント2016秋あなたの善行(1500字)投稿時刻 : 2016.10.06 21:14舞台の袖を暗く覆う幕。僕はその陰で出番を待っていた。先行者は客受けが良いのか次第に笑いを獲り勢いに乗っている。 ...
◆初! 作者名非公開イベント2016秋瞬きのしじまに(1471字)投稿時刻 : 2016.08.31 00:26最終更新 : 2016.10.27 23:18 野辺地の駅舎を出た一両の汽車は白煙をあげながら青森湾を沿い北へ向かう。パラパラと落ちる雨粒が必死に車窓へしがみつこうとするが力尽きて流されて行く。この...
◆初! 作者名非公開イベント2016秋明日も笑おう(1466字)投稿時刻 : 2016.08.16 22:42最終更新 : 2016.08.17 09:54「そんなに謝らなくていいんだよ」
漸く元気を取り戻した有希は、朝の海が見たいと言った。 ...
◆初! 作者名非公開イベント2016秋積年の笑い(1489字)投稿時刻 : 2016.08.15 01:51最終更新 : 2016.08.18 17:27□咲子
何代も商いを続けてますとね。それは恐ろしい話も塵の様に積もりますわ。 ...