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テンポも良く描写の巧みさを感じる作品でした。
気になる部分は「私は」の使い方です。「私は」と記載される文章は読者に情景を俯瞰する視線を与えます。
例えば「息苦しさと恐怖で、頭と胸がどうにかなりそうだった。」は登場人物の心の中に意識が行きますが、「私がバイブ音に肩を跳ねさせたのは。」と記載されますと、肩を跳ねさせた登場人物の姿が俯瞰した映像として浮かびます。つまりこのシーンはここでカメラの位置が変わるのです。びっくりするというダイナミックな描写を読者に与えるのであれば、視線の変化を与えずに「私は」を記載せず描写したほうが1カットで効果的に驚きを与えられます。
ただ「私が」があったほうがここは読んでいてリズムが気持ち良いので間違いではありません。綺麗なリズムで進行するか、リズムを崩して変化を与えるかだけの違いです。感想なので好きなこと言ってるなとでも思ってください笑