【BNSK】月末品評会 in てきすとぽい season 5


 
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2014.08.03 06:48

投票期間:08/03 (日) 00:00 ~ 08/09 (土) 23:59
集計発表:08/10 (月)

No.01 朝食風景(茶屋)
http://text-poi.net/post/chayakyu/73.html

No.02 越中泥棒左衛門碧之介、弟子入りを目論む(しゃん@にゃん革)
http://text-poi.net/post/syan1717/44.html

No.03 薔薇の庭園 ◆veZn3UgYaDcq氏
http://text-poi.net/post/hogeotensai/2.html

No.04 ささやかな希望(ほげおちゃん)
http://text-poi.net/post/hogeochan_ver2/10.html

No.05 僕の部屋 ◆m03zzdT6fs氏
http://text-poi.net/post/hogeotensai/3.html

No.06 空人(muomuo)
http://text-poi.net/post/muo_2/10.html

No.07 ネコン(碓氷穣)
http://text-poi.net/post/_latefragment/24.html

No.08 空と白と箱と風(犬子蓮木)
http://text-poi.net/post/sleeping_husky/28.html

No.09 カーテンのない部屋 ◆AvAB7qCJFc氏
http://text-poi.net/post/hogeotensai/4.html

No.10 花火セットを用意して(都宮 京奈)
http://text-poi.net/post/keina_tsumiya/1.html

皆さん投稿ありがとうございました。

感想や批評があると書き手は喜びますが、単純に『面白かった』と言うだけの理由での投票でも構いません。
毎回作品投稿数に対して投票数が少ないので、多くの方の投票をお待ちしております。
また、週末品評会では投票する作品のほかに気になった作品を挙げて頂き、同得票の際の判定基準とする方法をとっております。
ご協力ください。

投票は、本スレッドかてきすとぽいのいずれかのみでお願いします。

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 気になった作品:<<タイトル>>◆ZZZZZZZZZZ氏
 ********************************************************

・てきすとぽいの場合

 「この作品が最も良いと思った」と思われる作品にのみ5の評価を、
 「投票には至らないけど、気になったor良かった」と思われる作品にのみ4の評価を行ってください。

投票、気になった作品は一作品でも複数でも構いません。

たくさんの方の投票をお待ちしています。

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2014.08.03 22:56

本スレッドに投稿された感想を転載します。

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2014.08.03 22:59

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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No.01 朝食風景(茶屋)
http://text-poi.net/post/chayakyu/73.html
クレイアニメとか似合いそうな滑稽さと物悲しさを感じました
ショートショートにしてはオチが「あ、そうなんだ」で終わるしお題から分かるので
この滑稽さと物悲しさをもっと煮詰めていけばもっと凄い作品になると思います
なんかシニカルというか作者がマスからだいぶ遠いところで文章を書いている感じがしました
それが魅力とか個性なのかもしれません


No.02 越中泥棒左衛門碧之介、弟子入りを目論む(しゃん@にゃん革)
http://text-poi.net/post/syan1717/44.html
最後どうして三人称と一人称がごっちゃになっちゃうのかなあ……勢いですかね
落語みたいな語り口はテンポ良く読めて好きです
テンポのよさはきっと今回の作品イチだと思います
碧之介なんか良く分からないことやってるなあと思ってたら作者登場するから戸惑いました


No.03 薔薇の庭園 ◆veZn3UgYaDcq氏
http://text-poi.net/post/hogeotensai/2.html
屋上庭園が男の手によって綺麗に整備されていたら男の心理に共感できたかも
もしかしたら夢が生き生きとしてて現実は荒れているっていう比喩かもしれないですが
短編小説の冒頭みたいな雰囲気がとてもよかったです


No.04 ささやかな希望(ほげおちゃん)
http://text-poi.net/post/hogeochan_ver2/10.html
丁度いい長さのさらりと読めるポケットサイズのお話
ボーイミーツガールは出会いが肝心だと思うので「おっ」ていう出会いがあればもっとグッド
野暮かもしれませんが>僕を作ったハカセ ってことはロボットなのかな
とすると破裂で壊れてはいなくて一人ぼっちになったのかな
「僕」は復活して嬉しかったんだろうか悲しかったんだろうか
設定開示もうちょっとあれば冒頭と結末がぴしっと決まったのかも


No.05 僕の部屋 ◆m03zzdT6fs氏
http://text-poi.net/post/hogeotensai/3.html
僕が目の前の僕と同一なら目の前の僕に言い負かされることないと思うけどなあ
ちょっと目の前の僕に問いかけてみたいお前は誰だって
たぶん僕は君だって言うんだろうけど君が僕ならこの記憶は君のものじゃないって言っちゃうな
そもそも二人とも不存在なら記憶も不存在だからこの白い部屋には出口もないんじゃないかな
僕が存在しないのなら出口の奥もやっぱり存在しないんだろうし
と、ここまで考えられるのはやっぱり読みやすくで引き込まれたからだと思います

No.06 空人(muomuo)
http://text-poi.net/post/muo_2/10.html
解説が欲しいほど興味惹く冒頭だったり語り口だったり
テキスト逆順と読んでも『美き』から『美樹』と漢字に変わるのがすとんと落ちない
>思い出してしまう っていうのが何なんだろう生まれたときの記憶かなにかかな
ちょっと手がかりが少なかったので考察のイマイチですが面白かったです
関係ないと思いますがなんとなく囚われクローンを思い出しました
題材的に魅力的ですよね死刑囚って


No.07 ネコン(碓氷穣)
http://text-poi.net/post/_latefragment/24.html
行方知不ってゆくえしれずって読めばいいんですよね
行方捜索さんに頼むのかとワクワクしてたんですがそんなことはありませんでした
こういう風に用意したんだからちゃんと調理しないとって思ってしまうのは
書くほうとしても読むほうとしても未熟なんだなと思い知らされました
そう考えると作品自体もあの一夜城も意味を成さないなかなかにユーモラスな作品でした
安部公房の壁みたいな不条理ものっていうのかな


No.08 空と白と箱と風(犬子蓮木)
http://text-poi.net/post/sleeping_husky/28.html
確かに日本における信仰とはこういうものなのかもしれないですね
聖武天皇がよっしゃおっきな仏像作るぞって思ったのも目に見えるものを求めたんでしょうし
どうしてもマリア様の像を作ってそれを信仰の対象にしてしまう農民らを見て
牧師はキリスト教は日本に根付かないって思ったそうですしね
訓話としてみたらとっても完成度の高い作品でした


No.09 カーテンのない部屋 ◆AvAB7qCJFc氏
http://text-poi.net/post/hogeotensai/4.html
木島が理性を失ったこれまでの三十二年間を変化させうるきっかけが知りたい
失職して生活もがらりと変えて別居までしてどうして妻に別れを切り出さないんだろう
どうしてカーテンのない部屋に住み不徳を妻に見られることで遠まわしにそれを伝えようとするのだろう
部屋にカーテンをつけないのも妻と心も離れて他の若い女と寝るのも持ち物を捨てて何処かへ行くのも
作者が道具立てした理由がきっとあるんだけど読み取れなかったです
木島に変化を与えたキーみたいのが見えず全く共感できず村上春樹の登場人物の一人のようなモブみたいだなあと
主人公が織部だったたらなんとなく分かるかなと思いました


No.10 花火セットを用意して(都宮 京奈)
http://text-poi.net/post/keina_tsumiya/1.html
自作
お弁当箱を詰めるように書いたけど卵焼きばっかな感じに

57 名前:全感[sage] 投稿日:2014/08/03(日) 13:57:20.68 ID:Y6j7rvado [3/3]
***********************【投票用紙】***********************
 【投票】:No.04 ささやかな希望(ほげおちゃん)
         →書きたいことが分かったし起承転結っていう物語を作ってたので
 【関心】:No.06 空人(muomuo)
         →冒頭の入りと設定がなかなか魅力的でもすっきりしなかった
      No.08 空と白と箱と風(犬子蓮木)
         →今回イチ上手でしたので
      No.09 カーテンのない部屋 ◆AvAB7qCJFc氏
         →たぶんこっちが読む時期によってはすとんと落ちるのだろうと
 ********************************************************
 ――総評――
大体考えること一緒なのかなと思ってたのですが変化球があったりして、とても楽しく読めました。
No.01、03はとても素直に(不在)を受け取って、真正面から書いたように感じました。
No.05、08は(不在)そのものについて書き、他は(不在)に意味を持たせたりテイストとして扱っていました。
お題の捌き方で言えば、目立って上手いなあと感心したのがNo.08。好み関係なかったら投票していました。
さらりと読めたNo.04に投票したのは、この中で唯一読者を意識していると感じたからです。
常日頃からNo.07やNo.09との出会いのようなものを大事にしたいと思っています。
ですが、やはり理解できるなかの理解できなさに興味惹かれる凡人でして……。
そもそも理解できないもの、意図が分からない道具立ては通り過ぎていってしまうのです。
なので、他の方の感想を楽しみにしようと思っています。
小奇麗に、お洒落に書き上げられた作品が多く、投稿された方々はみな力量のある方なのだと再確認。
でも、小奇麗とかお洒落とか、で作り上げられた作品と作者の間に距離みたいなものを感じます。
「ああ作者はここが書きたかったのかな、ここが作品の核だな」
なんて思える文章(いうなれば作品と作者の距離がぐっと近づく瞬間)を感じ取れると、読者と作者の距離も縮まるのかなと。
距離が縮まったときが、私にとって一番読書を楽しく感じる瞬間なんだと感じました。
運営、転載、投稿した方、そしてこれから感想を書かかれる方、皆さんお疲れ様でした。

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2014.08.03 22:59

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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No.01 朝食風景(茶屋)
http://text-poi.net/post/chayakyu/73.html

もう少し捻りがほしいなあ。
今回は印象に残るお話が多かったので、この作品はちょっと霞んでしまうかなと。

No.02 越中泥棒左衛門碧之介、弟子入りを目論む(しゃん@にゃん革)
http://text-poi.net/post/syan1717/44.html

またこんなの書いてっ!
しかし本作品は本当に意味が分からなかったな……
ジャック・デリカってググってみると難しい文章が出てきて頭が痛くなりました。

No.03 薔薇の庭園 ◆veZn3UgYaDcq氏
http://text-poi.net/post/hogeotensai/2.html

最初に読んだときはそこまで感じなかったんだけど、後で読み返してみると「女の人はなぜ自殺したんだろう」って疑問が強く頭に残ってしまった。
雰囲気は好きだったのだけどね。これも後で投稿された作品に押されて、印象が薄くなった感がある。

No.04 ささやかな希望(ほげおちゃん)
http://text-poi.net/post/hogeochan_ver2/10.html

自作。
一度投稿したものを大幅に書き直してごめんなさい……時間内だから許されるかなとか……ごほっ
実は森鴎外の舞姫を読んだのがつい最近で。
ああ、こういう書き方もあるんだなあと思って、真似したわけではないけれど何となく舞姫を思いながら書きました。
何となくですからね? ひぇぇっ

No.05 僕の部屋 ◆m03zzdT6fs氏
http://text-poi.net/post/hogeotensai/3.html

もうひとりの僕系を私があまり好まないのは、そこに思考のリアリティがないから。
だって自分と同じ顔のヤツが目の前にいるんだぜ? 絶対怖いだろ。
しかしもうひとりの僕系はするりと事態を受け入れることが多くて、あくまで夢の中とか、精神世界的なことを書こうとしているのは分かるんだけど、やっぱり私の好みからは少し外れてしまうんだなあ。
と、なんか偉そうなことを書いてしまった後でアレなのだけど、この物語の結末はやはり死なのだろうか?
部屋を返せ、と『僕』が言ったシーンは「おっ」と思ったので、その結末が死だとすると、というかそれを連想させる時点でかなりもったいない気がする。
ちなみに No.05 と No.06、同じ作者が書いているのかと一瞬思いました。

No.06 空人(muomuo)
http://text-poi.net/post/muo_2/10.html

これはとりあえず意味深なことを書いて終わっておこう系かと思ったのだが、「いや、そうではないな」と思い直した。
なんかロボトミーの話っぽいなと思ったら、途中でロボトミーの話が出てきて。
「ロボトミーってえぐっ! 昔のひとなんでこんなのやってたん!」と私たちは思うけど、今も形を変えて同じようなことをやっているよっていう話を最近何かで読みました。
本当かどうか知らないけど、アメリカでは子供たちに薬飲まして精神強制するのが頻繁に行われているとか。
脳に電極埋め込むとかいう話もね。形はどうであれ、精神をいじられるってやっぱり怖いよね。
しかしこの作品が面白いところは、精神をいじられるのではなく、眠っている精神を呼び覚ますものとして書かれていることだ。
……と勝手に思ったのだけど。No.05 を読んだ影響も受けています。この解釈で合っているよね? ねえ?
いやいや。最後のナオキの台詞から想像して、この解釈で合っているはずだ、うん。
彼らの内に眠っていた精神(良心)が呼び出されたとして、その前に体に宿っていた彼らの精神はどこに行ったのだろうか?
どこから来てどこへ行くのか?
こりゃー、今日偶然見たブレードランナーの影響も思い切り受けてしまってるな……

No.07 ネコン(碓氷穣)
http://text-poi.net/post/_latefragment/24.html

あまり意味の無い(と私が勝手に思っている)人名遊びはあんまり好きじゃないなあ。
私としては後で家に居着いた猫のほうが印象的なので、良かったじゃん、とか思ってしまうんですね。

No.08 空と白と箱と風(犬子蓮木)
http://text-poi.net/post/sleeping_husky/28.html

全然めでたくないから! 分かる?
こういうとんち的な話って、結構私好きなんですけどね。
虚無感って良さが全く説明できないけど、なんとなく良く感じるから不思議だ。

No.09 カーテンのない部屋 ◆AvAB7qCJFc氏
http://text-poi.net/post/hogeotensai/4.html

ちょっと途中、誰の思考なのか分からないところがありました。
わざとやってるのかもしれないけど。
なんか意味ありげに見えるのは No.06 と同じなんだけど、話がぶつ切り的に感じるから No.06 よりも読者の思考を狭めてしまうような感覚がある。

No.10 花火セットを用意して(都宮 京奈)
http://text-poi.net/post/keina_tsumiya/1.html

きたよきたよ三万文字……
出だしにもたつき感があり、このまま読まされるのは辛いなあと少し不安になりました。
けどドライブに出たあたりから筆が乗ってきた感じで、最後は絵も想像できて楽しく読ませてもらいました。
話のスタイル的にはミステリの王道を行ってる感じかな? ホラー?→なんだホラーじゃないじゃん→ホラー!
ただ、個人的には最後ホラーにしてしまったのはマイナスなのよね。せっかくスッキリした感じがおじゃんになったというか。
頭から血が出ている幽霊+「あそこ」って、どうしてもあの世を思い浮かべてしまうでしょ?
そうならないようにラストを付けくわえているんだろうけど、少し残念だったなー。

***********************【投票用紙】***********************
【投票】   :No.06 空人(muomuo)
気になった作品:No.10 花火セットを用意して(都宮 京奈)
********************************************************

人の精神について新たな解釈を与えてくれた No.06 に一票。
No.10 は本来なら投票レベルでしたが、ここは新感覚を重視しました。
次点は No.09。
今回はお題からまた暗い話ばかりになるかと思いましたが、そうじゃなかったですね。
いろんな話を考えてくる皆さんに拍手。
自分今月は投稿絶対無理だと思ったけど、最後の1~2日で何とか書けてしまうのだから、次回も大丈夫かな?
ろくに考えなくていいんかいな、という気もしますが……
さ、すでに投稿されている感想読んで凹むぞー。

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2014.08.04 23:25

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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No.01 朝食風景(茶屋)
http://text-poi.net/post/chayakyu/73.html
シンプルな切り口で、まさに題材を正統解釈したと言ったような印象を受けました。ひねりがないと言えばそれまでですが、その上で読ませる文章であったように思えます。
もちろんその反面、シンプルすぎて先が読めたという物はありますが、良い意味でも悪い意味でも、題材に対して正面から向き合っていることが良かったです。

No.02 越中泥棒左衛門碧之介、弟子入りを目論む(しゃん@にゃん革)
http://text-poi.net/post/syan1717/44.html
中途半端にライトノベル的な表現が少し残念に思いました。どうせならもっとどちらかに振り切った表現技法が良かったのではないかと。
全体的に、独自の雰囲気があって、雰囲気は面白いと感じました。ですが、それを伝えきれていない様に思います。また、題材の不在がどの部分にあったのか、少しわかりづらいように思えました。

No.03 薔薇の庭園 ◆veZn3UgYaDcq氏
http://text-poi.net/post/hogeotensai/2.html
台詞部分で改行をしていないのが新鮮に思えました。これは意図的な物でしょうか? そうなのでしたら、個人的には台詞さえ文章になっている、完全な第三者視点からの書き方になっていると思います。
感覚的な物でしかありませんが、序文と最後のセリフの対比は気に入りました。

No.04 ささやかな希望(ほげおちゃん)
http://text-poi.net/post/hogeochan_ver2/10.html
良くまとまった物語という印象を受けました。ですが、テンプレートに沿った流れでありながら、そのテンプレートからはみ出したところにある独自の世界観に魅力を感じます。
もっと分量を増やした、中編小説として読みたかったところではあります。その上でしっかりと煮詰めれば、児童文学のような倫理観を感じられる小説になるのではないでしょうか。

No.05 僕の部屋 ◆m03zzdT6fs氏
http://text-poi.net/post/hogeotensai/3.html
拙作です。
生命の死という物ではなくて、『哲学的ゾンビとクオリア』的な内容にしたかったのですが、足らんかったのかなーって今更に思います。
興味がある方は、スーザン・ブラックモアの「意識」という本を読んでみてください。もうこれ分かんねえな……ってなると思います。僕はなりました。



No.06 空人(muomuo)
http://text-poi.net/post/muo_2/10.html
私が書きたかったクオリア的内容が少し含まれていて、その点で一番目を引きました。
物語としては、この恋文が本当は誰に宛てられたものなのか、多重人格的な自作自演なのか、思い出すとは性善説的な意味での良心を思い出すと言う意味なのか、といろいろ考えさせられるものでした。
似たようなことを書く人がいらっしゃることは嬉しい事ですが、ネタが被ってしまったことは、僕としても作者様としても、ちょっと残念かなーというのはあります。

No.07 ネコン(碓氷穣)
http://text-poi.net/post/_latefragment/24.html
しょうもない事ですが、中国語文法で書いた行方知れずは行方不知ではないか、というのが最初の感想でした。
登場人物の名前としては、”行方不明の行方不明が行方不明”という言葉を使いたいがために、そうしたという印象を受けました。名前がAさんでも、前述の文が消えるだけで、そこまで物語には影響しないのでは、と。その点が少々残念に思いました。

No.08 空と白と箱と風(犬子蓮木)
http://text-poi.net/post/sleeping_husky/28.html
日本昔話に出てきそうなお話で、何が正しいのか、何が最善なのかという事を考えさせられる物語でした。
文章を柔らかく書きかえれば、絵本にでもできそうなストーリで、分かりやすく、なおかつ人間の深層に訴えかける内容だったと思います。

No.09 カーテンのない部屋 ◆AvAB7qCJFc氏
http://text-poi.net/post/hogeotensai/4.html
少し視点の切り替えが忙しすぎるように思えました。これが数万文字の短編~中編小説であれば受けた印象は変わるのでしょうが、短すぎるが故に、場面の切り替えに頭がついていきませんでした。
また、物語の展開に理由や原因が不足していて、結果のみを書き連ねられているような、そんな感じも受けました。文章力がある分、そこが大変残念です。

No.10 花火セットを用意して(都宮 京奈)
http://text-poi.net/post/keina_tsumiya/1.html
なかなかヘヴィというか、ホラーが苦手な僕では少し手を出しにくかったのですけれど、でも読み始めると怖くはなかったのですんなり読むことが出来ました。
他の方が仰っているように、序盤少しスロースターターかな、という印象はあります。章立て形式で、一週間に一度一章ずつ投稿されると考えると、たぶん二章ぐらいで読むのを辞めてしまうかなーなんて。
文章はとても綺麗で、理解できると実は怖い話、的なところは好感触です。ただ、面白かったかなーと思うとそうでもない気がします。僕がホラーを嗜まないと言うのもあるのでしょうが……。


***********************【投票用紙】***********************
【投票】   :No.08 空と白と箱と風(犬子蓮木)
気になった作品:No.04 ささやかな希望(ほげおちゃん)
        No.06 空人(muomuo)
********************************************************
短くて簡潔で、なおかつわかりやすいと言う点でNo.8に投票いたします。
次点で、No.4とNo.6の二つを。
No.8はシンプルで理解しやすい(僕が馬鹿ですので、その手の物しか理解できない)のに、しっかりとお題に則って、その上で道徳的な内容まで含んでいると言うこれ一つで何度もおいしい、という作品だったため選びました。
No.4とNo.6はどちらも倫理観や意識と言った、人間の性に深くかかわってくる内容で、引き込まれる分少し理解に時間がかかるところが、ほんの僅か、数ミリ遅れをとったのかなあと。なので許されるなら、ぶっちゃけ全部投票したいと思いました。

不在という題材ですから、とりわけ生命の死に関連する物が過半を占めるだろうなーと思っていたのですが、そうでもなかったので意外でした。
僕では考えつかないようなことを書いてくださっており、読んでいてとても楽しかったです。
運営してくださった方、参加された方、感想を書いてくださった方、皆様おつかれさまでした。

『朝食風景』にコメントされました。
2014.08.09 21:52

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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男は狂っていることを自覚しているのかどうか。シンプルでおもしろいと思いました。もう少し続いてなにかほしいかもしれないとも思いました。

『薔薇の庭園 ◆veZn3UgYaDcq氏』にコメントされました。
2014.08.09 21:58

綺麗な感じでした。なにが起こったのかはよく理解できていません。言葉になにか知らない意味があるんだろうか。

『ささやかな希望』にコメントされました。
2014.08.09 22:07

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
[ コメント本文を表示する ]
なんとなく静かな感じでよかったです。ただ、彼女との時間が語りでけでなくふつうに書かれていたほうが好みだったかもしれません。回想だからということはありますが、ひとりだけの語りでは少し物足りない感じが。

『僕の部屋 ◆m03zzdT6fs氏』にコメントされました。
2014.08.09 22:12

なにか表しているものがあるのか、それともなにもなくただ書いているだけなのか、わたしにはわかりませんでした。

『空人』にコメントされました。
2014.08.09 22:19

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
[ コメント本文を表示する ]
死刑の方法がよくわからないというのがちょっとありえないんじゃないだろうかと思いました。雰囲気がよくおもしろかったですが、オチがなんであるのかはわかりませんでした。わかればもっとおもしろくなるのか、ただこの世界を書いて終わりなのか。

『ネコン』にコメントされました。
2014.08.09 22:22

よくわからないけど、おもしろかったです。行方性の二人というのも楽しく。

『カーテンのない部屋 ◆AvAB7qCJFc氏』にコメントされました。
2014.08.09 22:29

視点が変わるのがちょっとわかりにくかったです。明確に区切るか、視点をどちらかに固定したほうがわかりやすいかもしれません。おもしろかったような気もしますが、少し好みと外れているような気もする感じでした。

一覧ページにコメントされました。
2014.08.10 00:11

というわけで優勝は「No.08 空と白と箱と風(犬子蓮木)」に決まりました!
おめでとうございます!

優勝者は次回のお題を8/16(土)までに決めてください!
ツイッターでの呟きでもかまいません!

一覧ページにコメントされました。
2014.08.10 00:42

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
[ コメント本文を表示する ]
・全体:
「箱」をステージにした方が多かったのは予想通り、と言ったところでしょうか。
肉体(脳)、部屋、庭、(閉じた)街。
区切られた空間の一部を専有していたものが、「無い」ことで何が変わり何が変わらないのか。
少し限定的なお題だったかと懸念していましたが、十人十色の物語が出てきて嬉しいです。

正直、「文才あるよ、小説書くよ」な人ばっかりじゃないですか。羨ましい限りです。
無い無いの私は色々と盗ませてもらいます。

誰かが「小綺麗な文章」と書いていますが、個人的にはそういう書き方凄く好きです。
まずは何よりもひらめきですから、『この文章のために書いた』みたいなのがあってもいいと思います、
その上で他の部分も流麗だとゾクゾクします、がそれができるかどうかは力量と読者とのマッチングが噛み合ってこそなのでなかなか。

・個別

No.01 朝食風景(茶屋)
http://text-poi.net/post/chayakyu/73.html

すっと通って綺麗に不気味な感じ。
先が読める内容では有りますが、かと言ってそれが文章の不気味さ不穏さを損なわない。
「あ…やっぱりか。」と嘆息するような。
不在の原因、男が狂っているのかはたまた、などと想像しながら読めました。


No.02 越中泥棒左衛門碧之介、弟子入りを目論む(しゃん@にゃん革)
http://text-poi.net/post/syan1717/44.html

前回の続き?ですかね。
相変わらず碧之介のキャラクタが良い味を出してます。最後に突然一人称で放り投げるあたりも。
ただ、なまじ小気味よくポンポンと進めて行った結果、読了後何にも引っ掛かりがなく…


No.03 薔薇の庭園 ◆veZn3UgYaDcq氏
http://text-poi.net/post/hogeotensai/2.html

結の部分を頭に少しだして、回想と言う形で追っかけ、もう一度結を持ってくることで読み出し読み終わりに注意を惹きつける。
この書き方、凄く好きです。自分には上手くかけないので羨ましいです。学ばなければ。

青い薔薇が、うーん。個人的な引っ掛かりがここに。上手く説明できる気はしませんが
…でもここをひねると色々崩れるんでしょうね、うーん。
例えば、彼女を「青い薔薇」に見立てていたとして(正否はわかりませんが)、10年の経過で色褪せた庭園にたって1つ残る青い薔薇。
絵としては映えますが、彼女の「不在」よりも「存在」を強く色づけているようで。 
他の方がおっしゃっている通り、男がずっと庭園の色を保っていたのならば…と感じました。



No.04 ささやかな希望(ほげおちゃん)
http://text-poi.net/post/hogeochan_ver2/10.html

「自然に還れ」というワード選びがとても良いです。1緑/インスタント/エンチャント全破壊。じゃなくて。
後のハカセのくだり=「僕」が人工物であること、との対比だとわかってちょっとゾワッとしました。
童話のような柔らかな話でもあり、大人向けの掌編っぽくもあり。星の王子さまがそんな感じでしたっけ。
部分部分で、もう少しボリュームがほしいな―と感じました。

No.05 僕の部屋 ◆m03zzdT6fs氏
http://text-poi.net/post/hogeotensai/3.html

テーマは凄く好みです。「もう一人の僕」と言うか、実は自分が影だったという展開も凄く良い。
理不尽ものの妙である息苦しさ、生き苦しさも出せていると。
ただ、二者とも冷静すぎるというか、話がすんなり通り過ぎるというか。
もう少し「僕」のぐちゃっとした抵抗が見たかったです。
その辺、ぱちんとこちらの思考を打ち切られた感じがしてもやもやします。


No.06 空人(muomuo)
http://text-poi.net/post/muo_2/10.html

「そらびと」かな、とタイトルからは掴めませんでしたが、なるほど魂を抜かれた空っぽの人……
興味深いテーマです。ロボトミーのあたりも厨ニ心をくすぐる。
肉体の記憶と精神の記憶と言うやつでしょうか?と勘ぐってみたり。

ただ、解釈が色々と取れる、と言うと聞こえは良いのですが、逆に言うとパーツをばらまいただけと言う気もします。
キーワードになりそうな小片がすべて別々の方向を向いている気もしなくは無いです。
一様な解釈を是とするわけではありませんが、特にこの長さだと、ある程度は恣意的に解釈の方向をつけるのも必要かもです。
それがミスリードを狙うためのものであっても。


No.07 ネコン(碓氷穣)
http://text-poi.net/post/_latefragment/24.html

「行方」が解りません。
言葉遊びとして文章に面白みを出そうとするアレだったのだと思いますが、読む側としては混乱が…。
全体感想と矛盾した事を言っているかも知れませんが。
後々の文章が良いものであるだけに、ここで要らない引っ掛かりをつけてしまったのはちょっとなーと。
蛇足な気がします。言い過ぎでしたら申し訳ない。

わざわざ「行方姓が多いだけで云々」と言わずに兄弟で通しても良い気がします。
なんというか、その辺の設定は拘るところじゃなかったのでは、と。

シュレーディンガーの猫がモチーフなのでしょうか。
その辺をもっとフィーチャーしてみると一味違ったものになるかと思います。

No.08 空と白と箱と風(犬子蓮木)
http://text-poi.net/post/sleeping_husky/28.html

「はだかの王様」と似た所を感じます。何かに縋る大人と、純粋な視点でその可笑しさを見抜く子ども。
割と心にぶっ刺さる感じが好きです。
適当な感想で申し訳ない。言いたい事はだいたい他の方が書いてくださっているので。



No.09 カーテンのない部屋 ◆AvAB7qCJFc氏
http://text-poi.net/post/hogeotensai/4.html

点々転々としていて、つながりませんでした。
それ以上なんと言えばいいか解りません。



No.10 花火セットを用意して(都宮 京奈)
http://text-poi.net/post/keina_tsumiya/1.html

重たい。です。
3万字?というボリュームもありますが、序章が本当に重たい。
改行なりなんなりで少しスッキリさせるだけで若干は解消できると思います。

序章が文章と言うより長方形の文字塊に見えます。せっかちな人ならここで目を滑らせて閉じると思います。
私も一度目を背けました。
内容が頭に入りだすとするっと読めたのでもったいないです。
話の骨はしっかりとしているので、導入を工夫してやればずわわわっといけると思います。
目指せ骨太美人。

 ***********************【投票用紙】***********************
 【投票】: No.04 ささやかな希望(ほげおちゃん)
                         
 気になった作品: No.08 空と白と箱と風(犬子蓮木)
          No.10 花火セットを用意して(都宮 京奈)
 ********************************************************

読んでいてハッとしたので迷わず04を。
08はどこかの民話であってもおかしく無いな―と思える出来だったと思います。
10は力作、と言う感じ。それ故に気合を入れないとこっちも読めないのが難点でした。
次点で01か03、かな。01はくるっとまとまっているのですがちょっとインパクト不足。


蛇足:

自分の出したテーマにいくつもの切り口から物語が産まれて集まって来るのは凄く楽しいですね。
どの作品も興味深く読ませてもらいました。ありがとうございます。

提出もせずに偉そうな口だけ叩いて申し訳ない。せめて試験期間とかぶらなければ…(言い訳)
まあ、今となっては自分のレベルの低さに打ちひしがれて出す意気も消沈してしまいましたが。

今月中に書く時間がとれたら通常作としてスレに投下したいと思います。
多分、ドイツのフランス人捕虜の寓話をオマージュして、「いないものいじめ」の話を書くかと。

一覧ページにコメントされました。
2014.08.10 01:01

運営さん、参加者さん、感想などのみなさんおつかれさまです。
次回のお題は以下です。

きーみーがー いたなーつーは とおいーゆめーのなかーあ
そーらーに きえてったー うちあげー はーなーびー

お題:幻の恋人
規制事項:9000文字以内(参考:30行 * 60文字 * 5レス = 9000文字です)

よろしくお願いします!

『朝食風景』にコメントされました。
2014.08.10 01:32

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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 お題があるのでオチが読めてしまいましたが、ないもとして読むと「だんだんと無音の現実に引き寄せられていく。それに抗うが抗いきれない」もの悲しさがよかったです……と、個人的にはなって欲しかったです。主人公は実際には現実逃避し続けているようで、狂気にせよホラーにせよ、筆致が流麗な分「手軽に読める掌編」にまとまってしまった感じでした。

『越中泥棒左衛門碧之介、弟子入りを目論む』にコメントされました。
2014.08.10 01:33

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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 音声中心主義に抗うデリダのように、実在の唯一性から逃れようとするかのようなテクストなのか、と一部種明かしいただいたようで、個人的には面白かったですしお題の消化法としても巧みだなと思いましたしノリも小ネタも好きです……が、今回の金子権兵衛さんはキャラとしての魅力に乏しいというか、エピソードが弱かったかも? 碧之介が入れ込むなら、中途半端な偉人よりは凡人のほうがミスマッチで面白い気もしました。

『薔薇の庭園 ◆veZn3UgYaDcq氏』にコメントされました。
2014.08.10 01:34

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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 「君の骨」の行方が分からず、着地点が見えませんでした。カップとして再生したのか、これから再生するのか? 庭園に撒かれたのか、これから撒くのか? それとも青ネイルとともに地上に叩きつけられた光景自体に、記憶として焼きつけられたということなのか? ……また男性が自殺を制止しなかった理由も不明で、最後の呟きも後悔が混じるのかどうかも消化不良でした。とてもうまく情景を醸成されているので雰囲気抜群なのですが、疑問の方が強く余韻として残ってしまった感じです。

『ささやかな希望』にコメントされました。
2014.08.10 01:36

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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 死して循環する自然・生命と死なずに取り残される(もしくは再生可能な)人工物の対比が、少し変わった形で提示されていて興味深かったです。ただ、人工物らしき主人公が理性的に行動しないのが面白かった反面、矛盾と対峙せずに終わっているので妙にちくはぐな感じが残って納得できなかったのも確かです。「誰かのために誰かを殺すことは、この世で最も忌むべき行為だと思っていたのだ」と言いながら、「早く死ななければならない」彼女のためだけに(集団を撃退して殺すのはもちろん)他のすべての生物・文明(人工物=仲間)を巻き添えにして自然に還してしまう危険性・独善性……その二律背反に対峙せず「理屈は分かったけれど、感情で理解できない」という「人間ぽい」吐露だけで済んでしまっている……。この場面のために、主人公が(人間ぽく)悩んでいるというより壊れているだけに見えてしまい、せっかくの逃避行の魅力が褪せてしまったように感じました。

『僕の部屋 ◆m03zzdT6fs氏』にコメントされました。
2014.08.10 01:38

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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 意識の途絶える終末のもの悲しさがいいですねぇ……。その部分では拙作と確かに被っていますが、こちらはより孤独感が増している気がします。ただ、下手に会話せずに自分だけで事態を了解させられ、ただ無言で抱えられて部屋を追い出されたらもっと孤独感が増した気もします。……相手の『僕』が実は何者なのか/誰が作り出したのかについても、もうちょっと情報が欲しかったかも?

『空人』にコメントされました。
2014.08.10 01:41

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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 コメントいただきありがとうございます。死刑の方法が部外秘のまま制度化する……というのは確かに現実的でない気もしていたので的確に弱点を衝かれた感じですが、現実の執行手順が公開されたのもつい最近でしたし、なくはないかなと押し切って書いてしまいました。なお、内部的には手順自体は確立していながら、その解釈を間違えたまま動き出してしまったという設定ですが、これ自体も非現実的だったかもしれません……。


 他にも多くの方にコメントいただき、この場を借りて感謝申し上げます。
 なお、解説が必要だとのご意見をいただくほど多義的に映ってしまったのは単なる技術不足でして、今回はリドルストーリー風のオチをつけたつもりは全くありませんでした……。どこがどういう解釈につながったのか、あとでじっくり宿題として検証させていただきたいと思います。

(以下、大まかな解説です)
 構造的には「精神死刑は事実上の記憶喪失でしかなかった。記憶喪失の間に生じた意識(“良心”と言えなくもない存在)同士が恋物語を紡ぐけれど、元の記憶の持ち主に呑み込まれて消失してしまう」という話なので、不在が生み出した存在が結局不在に帰してしまう……という抗えない運命の中の悲劇的恋模様を描いたつもりでした(ロミオ~とは違って精神的な死で終わりますが)。ですので、恋文は“ナオキ”と“美き”の間で交わされた設定ですし、名前表記の変容は“美き”が先に呑み込まれて「美樹」に戻ったことを表したつもりでした。美樹のほうは“美き”の記憶の名残があるため、元の死刑囚そのものには戻らずにどこか“良心”の影響を受けてしまい、悪女染みた「妖艶さ」が「清楚」に映る素地も生まれた設定です(いつまでその状態かは不透明ですが)。最後の“ナオキ”のほうは正に入れ替わりが起こっている瞬間に記しているため意識は混淆状態で、純粋な“ナオキ”でも「直樹」でもない設定です。そのため何となくですが、自分の行く末と“美き”の不在という事態を悟ってしまっています。ですので、「思い出してしまう」というのは死刑囚である直樹の記憶であり所業であり自己同一性ということになります。そして、どこから来てどこへ行ったのか誰にも分からない二人の物語を唯一書き留めた書物自体の行方もまた、分からなくなるだろうことを暗示して幕引きとしてあります。

『ネコン』にコメントされました。
2014.08.10 01:42

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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 シュレディンガーの猫の半存在というお題の消化方法はとても興味深かったですし、日常の謎的で面白かったです。ただ、せっかく科学・哲学的な題材のようでしたので、個人的には一夜城が非科学寄りになるよりは夢か妄想のほうが相性が良かったような気もしました。また、別の猫であることが確定的になるよりは、同じ猫が戻ってきただけの可能性もあったほうがより曖昧模糊とした印象になるような気もしました。行方姓つながり以外にも、また猫同士にもミッシング・リンクがあるのかも……とか、自分ならこう書いたかも……など色々刺激される素材が詰まっている感じで気になりました(感想の投稿は遅れましたが投票は済んでいますので大丈夫です)。

『空と白と箱と風』にコメントされました。
2014.08.10 01:43

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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 見事にまとめられていて、読ませる/読みやすい物語としての完成度が本当に凄いですね。ただ読者層・間口が広がった分、逆に虚無感としてはマイルドになってしまったため、個人的には物足りなかったですが……。また、仏様としては異色すぎるのが、新しい「仏」像・説話の提示なのか、それとも狐か狸のイタズラなのか、そこが判然としなかったのも消化不良に感じました。……とはいえ、他の一癖ある作品がしのぎを削るなか、クセを抑えて一人違うコースを辿りその完成度で一等賞になった、という感じでした(感想の投稿は遅れましたが投票は済んでいますので大丈夫です)。

『カーテンのない部屋 ◆AvAB7qCJFc氏』にコメントされました。
2014.08.10 01:44

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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 不在の視線という表現を明示することで、単に無いのではなく在る以上に存在を感じることをより実感的にさせ、同時に喪失感・諦念に抗して見せつけたがってもいるような「カーテンのない部屋」という設定が興味深かったです。ただ、その前提となるすれ違い感やその背景の物語のほうはあまり響いてこず、読者として彼らを見たい……とは思わなかった感じです。

『花火セットを用意して』にコメントされました。
2014.08.10 01:46

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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 投稿のタイミングが惜しいというか、今回のお題でないほうがポップな怪談物としての魅力が一層増して伝わった気がします(「てきすと怪」とか?)。ただ読者としても『あそこ』を見たくなったかと言えば、そこまでの惹きはない感じで、間に詰まっている物語の豊饒さに比べると最初と最後が弱い気はしました。

『ネコン』にコメントされました。
2014.08.10 02:29

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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はい。怪奇要素を絡めて現実と幻想の境界がぼやけるような話を書いてみようとは思ったのですがうまくまとめ切れていないのです。一夜城が妄想であるとすると、狂気の探偵や水槽の脳をテーマにした話が出来上がるとは思いました。正気に戻れなければ語り手の視点の範囲では原因が不明(不在)ということで今回のお題とも絡められそうです。ただ犯人や原因が主人公や語り手であるのは避けたいとも思ってまして。主人公の名前は言葉遊びです(汗。肩すかしを食らわせそうですみません。

『越中泥棒左衛門碧之介、弟子入りを目論む』のコメントに返信されました。
2014.08.12 16:14

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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むー。

金子権兵衛くんについては、いずれ凄惨な過去が明かされる予定なのだ。

この大宇宙は、ひとつながりのワンピースなのだ。

いえ~い。


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