No.01 ずっと私の隣にいてくれませんか、と言いたかっただけ(犬子蓮木)
http://text-poi.net/post/sleeping_husky/30.html
「幻の恋人」というお題は個人的に難しかったのだけど、なるほど、こういう物語もあるのかと示した作品。
が、私にはどうしてもこの軽い主人公に好感を持てなかった。本当に好きだったら、男性に対してもっと臆病であるべき。最後の展開ね。
男性の立場から見て主人公が一体何を考えているのかよくわからないし、そのくせイニチアシブとろうとするんだから絶対イライラするぜ。
そんなふうに積もり積もった男性の怒りが爆発して、最後にはろくでもない終わりになりそう。
私的には、そのあたりまで突っ込んで書いてほしかったなあと。
そういう方面で力を発揮する作者だと思っているので、余計、ね(´・_・`)
No.02 君が言ったナッツは遠い幽冥の中、騒乱に消えてった打ち上げ歯並び(茶屋)
http://text-poi.net/post/chayakyu/80.html
最初のDATEIF文には笑ったわ。
けどこれ、彼氏いたことがあろうがなかろうが結果が変わらない式になってしまっているんだよな。そのあたりはもう少し拘りがあってもいいんじゃないかと。
今の「とりあえず思いつきましたー!」感も嫌いじゃないけどね。
勿体無いのは、この作者の作品には毎回言っている気がするけど、設定の説明が主であまり物語になっていないんだよな。
モノローグを使わないという縛りをつけて一回作品を書いてほしいな。
No.03 銘菓、幻の恋人(碓氷穣)
http://text-poi.net/post/_latefragment/27.html
あれ、これ幻の恋人関係あるか……?
もしかして「白い恋人」と掛けてるのかなこれ、と思ったけど、調べてみたら「幻の恋人」ってお菓子あるんだ。ふーん、みたいな。
……いや、なかなかコメントが難しいなこの作品は(・_・;
単に「幻の恋人」というお菓子を使ってみた推理小説と考えていいのだろうか。なんだろ、それだともう少しトリックに工夫があってもいいと思うし、ようするにどういう方面で解釈していいか迷う作品である。
No.04 不完全なラブレターと、歯と共に眠る(木下季花)
http://text-poi.net/post/kika_kinoshita/8.html
私が今回のネタをまったく思いつかなかったとき、とりあえず他の人の作品を読んでみようと思って真っ先に読んだ作品。
あー、なるほど、こういう系もあるなあと少しヒントになりました。
で、この作品自体の感想なのだけど、どうやら作者はモノローグ的に話を進めていって、少しずつ主人公の異常性を明かしていくというのが一つのスタイルになっているようだ。文体はとても読みやすく雰囲気があり、あとはその異常性にどこまで興味を惹かれるかというところ。
残念ながらこの作品には、私はあまり惹かれませんでした。
というより、何故か意味のない嘘をつくというキャラクター自体は楽しい。私も経験があって、どのようなときに人が騙されやすいかたまに研究したりする。
だけど本作品ではその嘘をつくことに理由をつけてしまったことで、せっかくのキャラクターが死んでしまったように感じた。
というより、ぶっちゃけ話の流れからすると最後のは後付けに近い気がしたのだが、どうなのだろう。
もしこの結末が後付けでなく最初から練られたものであったならば、まず結末の話を最初に持ってくるべきだったと思う。
主人公がなぜ嘘をつくのか、ではなく、嘘をつくことでどのようなことが起こっていくか、という方向で書いてほしかった。
No.05 isn't she lovely(木下季花)
http://text-poi.net/post/kika_kinoshita/9.html
これもNo.04と同じくモノローグ形式なのだけど、ちょっと最初のほうでいっぱいいっぱいになった。
発想の豊かさに関心を払うのだけど、おそらくこのまま大したことが起こらないまま終わるんだろうという予感がして、実際そのとおりに終わってしまうのが残念。
なんというか、もっと頭使えるはず(´・_・`)
No.06 若者たち(すずきり)
http://text-poi.net/post/tamamogari/2.html
私は例のドラマを見ていないのだけど、この作品のタイトルはやはりそこから取ったのだろうか。
個人的にこの小説は少し残念。
というのは、書きたいテーマがあるし、実際に書けているように思えるのだけど、「うーん、なんかなあ」という印象が残る。
石って何のために出したんだろう……てっきり石がスミをハメたのだろうと思ったけれど、そうでもなさそうだし。
夢を追いかけている主人公が女性の色香に惑わされるシーンはすごく好き。人間ってそういうもんだよ。
No.07 あの暑い夏(如月恭介)
http://text-poi.net/post/KyouskeKisaragi/3.html
彼女可哀想だなあという印象。
これがリアルの話だったら思うところはあるのだけど、創作だからなあ。
もう少しドラマを見せてほしいと思いました。
No.08 権兵衛の決断(しゃん@にゃん革)
http://text-poi.net/post/syan1717/46.html
あれ、結構真面目じゃね……?
ビルマの竪琴の主人公ってミズシマだっけ。全然覚えてないや。
七十年の歳月を経てビルマに戻ってきたのだけど、なぜビルマに惹かれたのかその理由が少し浅いと思いました。
というか、短編でそれを書くのは尋常ではない。
わたし軍医の自伝読んだけど、暑いから早く治療しろってお股パカパカしていた売春婦がいたり、性病でちんちんが半分千切れた青年に出会ったり、壮絶だった。
「あれ、これ足切らないと全身壊死すんじゃね? けど怖いから様子みよ」→「手遅れだったわ!」みたいな。
単にエピソードの不足というものもあるけれど、何時間も本を読んで脳が疲れた先に訪れるもの。
そういう感覚を短編で得るのは非常に難しいと思うんだよねえ。
No.09 たとえアナタがいなくても(三和すい)
http://text-poi.net/post/miwa_sui/30.html
こういう作品を見るたび思うんだけど、まったく姿形の違うものを愛するってかなり難しいことなんじゃないかな。
例えば犬や猫となら両想いになる人間はいるかもしれないって考えるけど、虫やクラゲになると「いや、ねーだろ」っていう気がするんだよね。もう根本的に生物として違うじゃん。
クラゲみたいな格好のくせに人間みたいな考え方をしているって相当ファンタジーな設定で、そのあたりをもうちょっと練ったほうがいいんじゃないかと私は思いました(´・_・`)
No.10 実直な男(ドーナツ)
http://text-poi.net/post/donut_no_ana/2.html
170cmそこそこって普通の背丈じゃない?
ひとまずそれは置いといて。世の中の多くの人は、自分が何故そのような行動に至ったかをうまく説明できずにいる、と私は考えている。
女装すると自由になれる、というのはその典型じゃないかな? と思うのだけど、どうだろう。だって単に自由になりたいなら他に方法がある気がするんだよね。
なぜ女装を選んだのかと、それにより具体的にどのような感情を得たか。もっと掘り下げていいと思う。
あともうちょっと、登場人物をうまく使ってほしいと感じた。探偵の領域外にしても、やはり結末がどうなるかの示唆は欲しいところ。
No.11 近未来「次世代整形」オムニバス(muomuo)
http://text-poi.net/post/muo_2/13.html
これが今回のベスト。ありがとうございました。
短編が三本あって三本とも面白いのだが、後の作品のほうがより面白いところがいいね。
二本目の作品は女性に対して思うところがなかったわけではないけれど、主軸はあくまで男性に置かれているので、男性の目線に立って「彼女はどのようなことを考えていたのだろう」と考えさせる作りになっているね。
三本目は単純にお話として好きだ。百年の恋も冷める瞬間ってきっとあるんだよね。遠く離れたときに、「こいつって何て勝手なんだ」と思うことある。相手には相手の事情があるのは分かっているんだけど。
No.12 幻の少女(ほげおちゃん)
http://text-poi.net/post/hogeochan_ver2/14.html
……(´・_・`)
なんか散々言っておいてコレっていうのがどーもね……
正直ゼロフィニッシュも覚悟しております。
残念なのは、最後の最後のほうになって色々アイデアが出てきたけど形にできなかったこと。
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【投票】:No.11 近未来「次世代整形」オムニバス(muomuo)
気になった作品:No.06 若者たち(すずきり)
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次点はNo.02。
BNSK側の投稿が少なくて心配してたけど、少し前のレスによるとてきすとぽいに直接投稿している人が多いのかな?
じゃあ多分大丈夫かな。うん。
次回はさすがに、というかちょっとマンネリ気味なのでもっと気合入れて書かないとね。
やっぱりプロの作家さんってすごいわ、と思った今日この頃。