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【BNSK】品評会 in てきすとぽい season 11主催 : ほげおちゃん



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能無し
銀座マンホール
守りがみ
工場
ホロウ・ストーリー
キカの悲歌
あなたのことがみえなくて
空転言語生滅演説
おおきく空振って
(時間外)超人ユキ子の一生



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2015.04.19 00:14
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投票期間:4/19 (日) 00:00 ~ 4/25 (土) 23:59
集計発表:4/26 (日)

No.01 能無し(合間ぽてこ)
http://text-poi.net/post/aima_imoco/1.html

No.02 銀座マンホール(すずきり)
http://text-poi.net/post/tamamogari/9.html

No.03 守りがみ(朝比奈 和咲)
http://text-poi.net/post/k_asahina46/2.html

No.04 工場(茶屋)
http://text-poi.net/post/chayakyu/108.html

No.05 ホロウ・ストーリー(木下季花)
http://text-poi.net/post/kika_kinoshita/19.html

No.06 キカの悲歌(木下季花)
http://text-poi.net/post/kika_kinoshita/20.html

No.07 あなたのことがみえなくて(犬子蓮木)
http://text-poi.net/post/sleeping_husky/40.html

No.08 空転言語生滅演説(ra-san(ラーさん))
http://text-poi.net/post/rasan02783643/19.html

No.09 おおきく空振って(大沢愛)
http://text-poi.net/post/ai_oosawa/24.html

皆さん投稿ありがとうございました。

感想や批評があると書き手は喜びますが、単純に『面白かった』と言うだけの理由での投票でも構いません。
毎回作品投稿数に対して投票数が少ないので、多くの方の投票をお待ちしております。
また、週末品評会では投票する作品のほかに気になった作品を挙げて頂き、同得票の際の判定基準とする方法をとっております。
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たくさんの方の投票をお待ちしています。

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2015.04.20 21:08
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本スレに投下された感想を転載します。

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2015.04.20 21:09
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※ 作品のネタバレを含む
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全感を書こうと気合いを入れてやってみました。まとまった感想というよりも思ったことの走り書きみたいな感じですけど。投票はぽいの方にやっておきます。


No.01 能無し(合間ぽてこ)
・・・非常に気に入りました。「ノーと言えない」「一音足りない」「何かを忘れている」。彼の音楽が周囲に与えた影響と、彼の死(あるいは彼の死をもたらしたもの)が世界に与えた影響が肝かなと思いました。能無しの男が命がけで「ノー」を世界に示したあとで、世界には争いが生じるわけです。「ノー」という本心を言えなかった人々が「ノー」を示すことは、争いにつながるわけです。せき止められていた何か(反逆的な力)が能無し男の「ノー」によってドミノのように(あるいはドミノそのものが)動き出してしまった・・・というように感じました。男の音楽が持つ影響というものは、だとすると人々を「ノー」と言える状況にするということかもしれません。
 ただ面白いのが、あるいはこの読み方は全く逆だとも解釈できるというところで。世界に対して人々が「ノー」と言えるようになった、のではなく、人々が己の内に秘めていた何かしらの意志に対して「ノー」と言って抑圧して来たそのタガが無くなった、とも読めますね。(自分が勝手にそう読んでいるということで、「この小説はこういう内容だ」と決めつけているわけではないですよ)
 ともかく解釈なんてどうでも良いんです。能無し、ノー無し、脳無し、こういうのは面白いですね。とくに短い文章においては中身がぴしっと引き締まるような気がします。

No.03 守りがみ(朝比奈 和咲)
・・・ムンクは一体なんだったんだろう?そういうお守りが実在したりするのかな?お守りの中身が偶然学校の花壇に埋まっているというのも不思議ですね。ムンクが「緑のおばちゃん」の姿に化けていたのも気になります。まさに奇妙な話で。まあムンクは「悪いもの」で、そしてお守りの力が主人公を守った、という筋に思えますが周辺に謎が多くて一筋縄でいかない感じがしますね。ピンクの紙に関しては・・・解釈を放棄することにしました。
 最後、主人公は未だにそうしたよくわからないものの影を感じて一人暮らしを取りやめるわけです。お守りの庇護と家族の庇護が関わっているのかな?とも読めますね。ざっくりとしたことばかりで申し訳ないです。

No.04 工場(茶屋)
・・・ここは何の工場なんだろう?不可思議な出来事がよくあるみたいだし、業務内容もよくわかりませんね。工場同士で戦争というのも不思議な世界ですね。

No.05 ホロウ・ストーリー(木下季花)
・・・禅的なものを感じました(でもたぶんそういう話ではないんだろうなと思いつつ・・・)。不立文字というかなんというか。意味や理由ばかり求める世界というのは窮屈でたまらないですね。「何かのため」に人は生きているわけではない。万物が「何かのため」に存在しているわけではない。芸術は「感動させるため」に存在しているわけではない。意味や理由を求めると、即座にすべては道具になりさがってしまうわけです。それは虚しいことです。ただ一方で、意味や理由を否定したり放棄したりするとそれはそれで目的意識もなくて、緊張感が無いというか、なんでもない虚しいことになってしまうわけです。どうしたって、虚しいんですね。これを読んでいる時、意味を放棄してその虚しさから脱却しようとしても、やっぱり意味を失うことは虚しいことに他ならない、という禅問答的ジレンマがあるなと考えました。どうあがいても虚。精読のすえにこの話をそう解釈したというのではなくて、自分が勝手にそういうことを感じたというだけのことなのですが・・・。勝手な感想なので、勘弁してください。

No.06 キカの悲歌(木下季花)
・・・リルケのことは知らないんですが、それにしてもこれは奇妙な絵が続く話ですね。過去現在未来が並行していて、消えることなく残留してループしているような光景がずっと続きます。しかも自分自身も分裂して沢山存在していてわけのわからないことになっています。連続性に縛られた世界なのかあるいは逆に連続性を欠いた世界なのかという気もしますが、正直よく解りません(ごめんなさい)。そうした解釈を別にしても、音楽的というかリズム的なものを楽しめる小説なのではないかと感じました。

No.07 あなたのことがみえなくて(犬子蓮木)
・・・等身大ガンダム、レイバーが本物だなんて良いですね。新宿TOHOのゴジラも本物だったりして。しかし互いに外見がわからないまま愛し合うカップルというのは純粋な感じがしますね。肘掛けに手を置いているかどうか、透明だから解らない、という透明人間ならではのドキドキがあるんですね。「手をおろした。」→「なかった。」この流れが特に良いですね。と思ったらキスしてるという。映画館ではちゃんと映画見ろ!このヤロー!(冗談です)と思ったり思わなかったりしました。

No.08 空転言語生滅演説(ra-san(ラーさん))
・・・奇妙な話といいますか奇妙な文章といいますか。「妄想代理人」次回予告とか「パプリカ」で夢に冒された人が口走る台詞とか思い出しました。間欠泉式温泉便座はちょっとヤバイですね。ウォシュレットで人死にが出そう。よくわからなかったので、失礼な言い方ですが出鱈目なものがでてきたなあと感じました。

No.09 おおきく空振って(大沢愛)
・・・最近ある球団が延長十二回五時間に及ぶ試合、あとアウト一つという場面でサヨナラエラーしてしまって負けました。濁りきったどろどろの負けでした。それはまあ全然関係ないですけど、負けを追求するとは不思議なチームですね。個人的にはそのチームよりも捕手の気の効いた(?)采配が興味深かったです。

No.10超人ユキ子の一生(ほげおちゃん)
・・・力というものは持つべくして持つし、選ばれし者が選ばれるべきですね。それはある意味で絶望的というか、宝くじで大金を得ても結局本当のところで豊かにはなれないんだという示唆がありますね。「山月記」で李徴は虎になってしまうわけですけど、それを読んだ李徴的な人が教訓を得て虎にならずに済む生き方を出来るかと言えば、そうじゃない気がします。結局李徴的な人は虎になってしまうんだと思います。変わりたくても変われないという非情な現実があるわけです。
 人はその人相応の人生しか送れないわけです。まぐれで過ぎた力を得ても、それで本人が変われるわけではない。しかしこの小説はそんなネガティブだろうか?というと、違うんじゃないかという気がします。ユキ子は力を十全に使いこなしているんじゃないかと。ともすればその力を好きにふるうことで、ユキ子はもっと違う劇的な人生を送ることも可能だったはずですが(本人はキッカケが無いと言っているけど)、彼女はしっかりと自分の生きるべき道がわかっていて、それを見失わなかったとも読めます。その力を得てもブレ無かった。そして相応に青春を生きて、清花や純花とごく人間らしい出会いをしているわけです。純花に話しかけるシーンから見てもこれは青春ものだなあと感じました。
 ドラマやアニメみたいな、普通の人が夢想する人生よりも、青春があって幸福で、たまにバク宙する人生のほうがよっぽど良いかもしれませんね。李徴も虎ライフを満喫しているかもしれないし。

奇妙な話というお題でしたが、いろいろなモノが出て来て面白かったですね。作者側からみれば「何かよくわからないもの(あるいは世界観)」を出して、それについての説明を省いてしまえばそれだけで奇妙な話はできてしまうわけですけど((失礼な言い方ですが)不思議な感じ、不思議な力、不思議なモノ、とはぐらかせば良いわけです)。一方読み手側からみると四苦八苦するわけですが、しかし読もうと思えばいろんな解釈ができて、これは面白いです(全感では「わからない」とばかり書きましたけど・・・)。
 全感を書きましたが、どう書いたものかとても迷いました。何を言っているんだこいつは?と思うところがあると思いますけど許してください。知らず知らず他にも失礼なことを書いていたらごめんなさい。

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2015.04.20 21:09
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No.01 能無し(合間ぽてこ)
http://text-poi.net/post/aima_imoco/1.html

以前てきすとぽい杯でカードゲームのキャラクター作るみたいな企画あったけど、その延長戦のような内容に感じました。個人的には、ここからもっと話を広げてほしいかなと思ったり。
あと、以下の解釈にちょっと詰まりました。
・主人公が死ぬ前はみんな一歩踏み止まれて、死んだ後は踏み止まれなかった。なぜ?
・ジャズとサックス以外はみんな殺伐としているけど、なぜジャズとサックスだけは例外なんだろう。
とくに後者の解釈が。うーん、なんなんでしょうねぇ……

No.02 銀座マンホール(すずきり)
http://text-poi.net/post/tamamogari/9.html

言いたいことは分かるのだけど、それに感化されるかというとそうでもない(´・_・`)
こういうのは人の信条とか、あと作品に出会うタイミングとかが大きく関わってくると思うので、結構難しいかもしれません。

No.03 守りがみ(朝比奈 和咲)
http://text-poi.net/post/k_asahina46/2.html

あんまり怖いとは思わなかったんだけど、雰囲気はありました。それだけに、途中で「僕」と書き間違えてしまったところが残念。せっかく主人公をミステリアスな感じで引っ張ってこられてたので、この誤字は結構致命的だったかもしれないです(´・_・`)
主人公がピンクの紙を引き抜くとミミズとかが這い出てくるシーンは、死体か何かが埋まっているのではないかなと思いました。そこらへん、土の中からゾンビみたいなのが出てきたほうが迫力あったかも。

No.04 工場(茶屋)
http://text-poi.net/post/chayakyu/108.html

人間が工場で加工されるっていうとネットではゼノギアスが有名みたいだけど、私はクロノトリガーだなあ。
未来の研究施設みたいなところに行って、ある部屋に入ると、ベルトコンベアで人が流れてくるんだよね。話しかけようとしても話しかけられなくて、やがて機械を通るとピギィーッという声が……そして星みたいなのになって出てくるという(´・_・`) 最初は意味わかんなかったけど、意味わかったときめっちゃ怖かったよ(´・_・`)
が、今の時代になってみると、それって結構普通だねって思えてくる。ネットというやつは本当に怖いわ(´・_・`)
前置きが長くなってしまったけれど、この作品ではおそらく人間(もしくはパーツ?)と思われるものを棍棒で叩くのだけど、結構新しく感じた。人間が虫みたいに叩かれるのって、結構好きなんだよね。そういう趣向があるというわけじゃないよ(´・_・`) 単に、そういうシーンが好きなの。だからこの作品には結構引き込まれたのだけど、残念ながら最後までうまく扱いきれなかったかなという感じでした。
というか、ちょっとネタバレしすぎじゃないかな(´・_・`) もっと隠し隠しいこう(´・_・`)

No.05 ホロウ・ストーリー(木下季花)
http://text-poi.net/post/kika_kinoshita/19.html

この作品はまず雰囲気が好きです。そして電話マーク、あんなの出せるの初めて知った。その電話マークがちょっと出し過ぎのような気がしたけれど、一番最後まで集中して読めた作品だと思います。
セリフとか、持ってくる遊びのセンスとか良いと思うし、あの歌詞の引用も結構好きだな。
なんで海外の人たちって、ああいう哀愁漂う詞が書けるんですかね。それによって世界を良くしようとか悪くしようとかじゃなく、本当にそれだけを捉えている。翻訳の妙なんかじゃない、と私は思うんだよなあ。

No.06 キカの悲歌(木下季花)
http://text-poi.net/post/kika_kinoshita/20.html
2
君は詩にまで手を出してしまっているのかい?
本当にとんでもないやつだな!
……いやいやいや、まじでいろんなものに手を出されてますね貴方は。ちょっとびっくりしてしまいましたよ。
詩はいいですよね、私は個人的には学校の授業で「あのお花畑を見て詠んでごらん」とか、そういう授業があっても良いと思うんですけどねぇ。私が子供の頃だったら、絶対真面目にやらないけど(´・_・`)
で、この作品の感想なのだけど、よくわからなかったね(´・_・`) いや、雰囲気は好きなのだけど、やっぱりよくわからなかった(´・_・`) いや、好きなのだけど(´・_・`) 繰り返しになるからここでやめておこう。

No.07 あなたのことがみえなくて(犬子蓮木)
http://text-poi.net/post/sleeping_husky/40.html

いや、生まれてこのかた透明人間だった人が、「今の僕たちは透明人間なのだ」なんて言わないと思うよ(´・_・`)
ここらへんはやっぱりちゃんと作り込んでほしいところ。タトゥーの話とか、ちゃんと考えられているのだから尚更ね。

No.08 空転言語生滅演説(ra-san(ラーさん))
http://text-poi.net/post/rasan02783643/19.html

支離滅裂なことと奇妙なことは違うよ(´・_・`)
いや、ちゃんと読んだら支離滅裂じゃないのかもしれないけどね。
解説をくれ!

No.09 おおきく空振って(大沢愛)
http://text-poi.net/post/ai_oosawa/24.html

正直なところ、負けの美学というのがよくわかりませんでした。
私には何処からどう見ても、この対戦相手野球を舐めてるとしか思えないんだよな(´・_・`)
スポーツは互いに、「勝つ」という目標を共有してるから面白いんだよ。真面目に戦おうよ(´・_・`)

No.10(時間外) 超人ユキ子の一生(ほげおちゃん)
http://text-poi.net/post/hogeochan_ver2/18.html

で、私が書いたのがこれですか(´・_・`)
一応、狙いはあった。本当は力を持っているのに発揮できないということは世の中に多くあって、そういうシチュエーションで書くのも面白いんじゃないかと。
ただ、本当は妹じゃなくてお姉ちゃん、教師なのに小さくてけどナイスバディで「ネットスラングでいうロリ巨乳ババアだったのだ!」みたいな展開にしようかと思っていたのだけど、最後の最後でこれ辻褄合わないじゃんと思って時間に間に合わなかったのよね。
けど、時間外で良かったかもと思っている(´・_・`)

***********************【投票用紙】***********************
 【投票】:No.05 ホロウ・ストーリー(木下季花)
 気になった作品:No.03 守りがみ(朝比奈 和咲)
********************************************************

今回のお題は自分含めて結構難しかったと思っています。
奇妙って所謂ミステリアスみたいな感じだと思っているのだけど、そこにどこかリアル性がないと本当に「?」な作品になってしまうんですよね。
で、ミステリアス性十分、そこに多少のリアル性を含んでいるというと、私はNo.05の作品以外思いつきませんでした。
関心票は正直入れないことも考えたのだけど、あえて入れるとすればNo.03かなと。

来月こそ、時間内に出せるよう頑張ろう。

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2015.04.25 05:07
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No.01 能無し(合間ぽてこ)
「男はだんだんと心を病んでいった」「男のようすは大変不気味であった」といったペラい表現が目につく。近所の楽器屋なら発狂以前にも店員は姿くらい見ていただろうに、「謎の客」?「懐からナイフを取り出し自らの頭に突き立てた」懐に入るサイズのナイフで自分の頭蓋骨に穴をあけられるのか。海に飛び込んだのに「脳漿がくうちゃりくちゃりと音を立てる」とは? これらすべての「奇妙」のオチが「ノー」の駄洒落ではたまらない。

No.02 銀座マンホール(すずきり)
主人公のキミシマ。しばらく前に女と別れ、ザギンのバーで一人酒をキメていた。金はあるのかと思えばところどころほつれたショボい革鞄を愛用。そして最大の問題点。この男はいったいいくつだ?ネズミを追いかけてマンホールを降りて異世界にたどり着くあたり、精神年齢はどうみても小学生である。後に続く幼児的な会話からしても、社会人ではない。この「奇妙さ」を楽しめるのだろうか。

No.03 守りがみ(朝比奈 和咲)
やりたいことはわかる。夏になるとニコニコあたりで生放送するオムニバス形式の怪談のようなイメージ。ただ、視覚的なショットの連続で恐怖を畳みかけていく手法を文章で行うのは難しい。どう書こうが文章のくどさはどうにもならない。書き込めば書き込むほど、着想そのものの弱さが際立ってしまう。投げ出しに近いラストは「奇妙」ではあるが、それ以上に徒労感がつきまとう。

No.04 工場(茶屋)
序盤の堂々巡りの文章でまず萎えた。「生首」や意味不明な上長の話、上流から流れてくる「何か」。ここらで思いつきで書いているのが透けて見える。そして戦闘。夢落ち。しかし実は、と思わせぶりなラスト。「奇妙さ」について根本的な誤解がある気がする。書き手の趣向に読み手が乗せられて翻弄されるためには、書き手への信頼を促す何かが作品に必要だ。それがないのが良くも悪くも決定的だった。

No.05 ホロウ・ストーリー(木下季花)
街を侵食して行く「空洞」。ホームレスのアウラさんから芸術作品作りを教わり、作り続ける僕。世界の外側に憧れ続け、遂には姿を消す売春婦の彼女。配置は悪くない。ただ、「無意味」なものの可能性を説くアウラさんの芸術論はまずかった。高翌揚して書いているけれど、これではただ価値を否定しているだけで、無意味そのものの積極的な肯定には至っていない。ゆえにどこかひ弱で幼稚な印象を残してしまった。この瑕疵がラストシーンの陳腐さへと繋がっている。

No.06 キカの悲歌(木下季花)
自足した内面の問わず語り、という印象だった。退屈を持て余した人間がどうでもいいことにこだわるふりをして時間をやり過ごす。基本的に独り言の世界なので、多少の凹凸はあれどもゆったりとソファーに座った「私」の意識にゆるく回収されてゆく。これは「奇妙」ではない。ただ「つまらない」だけだった。

No.07 あなたのことがみえなくて(犬子蓮木)
宇宙人が攻めてくる。ガンダムやレイバーが戦う。その結果、全人類が透明人間になる。そして透明人間の僕は透明人間の彼女と映画館でデートする。タトゥーを入れていたり、どうやら半袖の服を着ていたりするらしい。透明人間の映画を観て面白いのかどうなのか疑問だが、それらの奇矯な意匠を全部取り払ってしまえば、後に残ったのは他愛もない恋愛話だけだった。つまり「奇妙さ」はうわべだけだったことになる。

No.08 空転言語生滅演説(ra-san(ラーさん))
なるほど、間違いなく「奇妙な」話だ。この手の作品が絶賛された時代はある。1960年代なら大歓迎されただろう。ただ、当時、この手の作品を書いていた連中はあっという間に消えてしまった。「背伸びの季節」が終わるとともに、趣向の過大評価はされなくなった。それは「奇妙な」ことではない。当たり前の話だ。

No.09 おおきく空振って(大沢愛)
唯一のリアリズム(?)小説。宇宙人も意味不明の言説も世界の終りも登場しない。そのせいか大変読みやすかった。主人公は波木田高校野球部の捕手。打てないもののリードと策略で正捕手の座を手にしている。試合の場面はいつ超展開になるかと思っていたら、きちんと進められていて驚いた。釘林高校との練習試合の部分を際立たせるためだとすれば上手いと思う。全力で負けを追求する野球、ここの「奇妙さ」は不思議な味があった。

No.10超人ユキ子の一生(ほげおちゃん)
なぜユキ子と清花の話をきちんと中心に据えなかったのか。純花とのやりとりに文章を割く必要があったのか。ユキ子の宙返りへの憧れや筋トレも、もう少し深める書き方ができなかったのか。「一生」を謳っていながら死んでいないし。作品構成そのものが「奇妙」だ。残念ながら悪い意味で。

***********************【投票用紙】***********************
 【投票】: No.09 おおきく空振って(大沢愛)
 気になった作品:
 ********************************************************

『能無し』にコメント
2015.04.25 17:45
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いまいちよくわかりませんでした。イエスマンであることやドミやドミノなどのつながりがよくわからないというか。それが奇妙なのかもしれませんが。

『銀座マンホール』にコメント
2015.04.25 17:53
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関心票を入れました。なにもないというのがなにかよかったです。欲を言えば、後半が少し説教臭いというか、あまり語らずのほうが好みだったかもしれません。あと、主人公に立ち止まらせずにどうするか選択した結果も見たかったかなと。

『守りがみ』にコメント
2015.04.25 18:20
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ドロっとしたような怖さはよかったのですが、その強弱があまりなくずっと同じような感じに思えたのでメリハリのようなものがあったほうがよかったかもしれません。なにか物足りない気分がありました。

『工場』にコメント
2015.04.25 18:29
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こ・わ・い。関心票いれました。最初の魚の夢のまま綺麗な話も読みたいなと思いましたがお仕事が怖かったのでそんな綺麗さが吹き飛んで、たんたんとしたのがこわかったです。

『ホロウ・ストーリー』にコメント
2015.04.25 18:37
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『不思議の国のバスルームより連絡を待つ兎を亡くしたアリス』は名前じゃないような、と思いました。説明文というか。意味のないものということや名前を付けることによってという話はおもしろかったです。あまり関係ないですが、意味を分解し続けたらどうなるだろうかと、ふと思いました。

『キカの悲歌』にコメント
2015.04.25 18:50
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「それは昨日の私に訊いてくれないと困るな」というのがかっこよかったです。リルケの詩集に興味がわきました。この小説で一番、奇妙だなと思ったのは更新履歴の多さです。作中のように何度も繰り返していたのでしょうか……

『空転言語生滅演説』にコメント
2015.04.25 20:59
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お、おう……。

『おおきく空振って』にコメント
2015.04.25 21:07
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チェンジアップは落とすものではなくタイミングをずらすものだ派です。そういえばお題は奇妙でしたね。普通に野球のものを読んでいて、なんで途中からこんな変になるんだ、と一瞬わけがわからなくなりました。普通に野球の話がみたかったという部分とお題に従うなら相手の奇妙な高校を主人公にしたほうがよかったかもしれないとも思いました。

『(時間外)超人ユキ子の一生』にコメント
2015.04.25 21:19
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得た力というのがなんであるのかよくわかりませんでした。超能力的なものなのか運動神経的なものなのか。最後の2つの文章は好みです。

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2015.04.25 21:27
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No.01 能無し(合間ぽてこ)

様々な理不尽を従順に聞いてきた主人公が、精神を病んでピアノに依存する。虐げられ続けて不幸な目に遭い続けた男は、世界を混乱に導くようなメロディーを弾き始める。そのメロディーは、近くにいたメロディーに共鳴する者たちの(恐らく無意識に抱えていたであろう)社会への反抗心に火をつけていく。あるいは無意識に抱えていた社会に対する不満、何かに対する殺意を意識させていく。
最後の描写では、病んでいた男が死んでしまうことによって、世界中に点在する様々な人々の反抗心や殺意に火がつけられていき、世界はどんどん混乱へと導かれる。様々な理不尽に従ってきた者たちによる反抗が始まっていく。
とても不思議なお話です。何故だか男がそうなる運命を握っていたかのように、世界が掻き乱される方へ、混乱する方へ流れていく奇妙さはとても面白かったです。

ただ一つ、最後に書かれていたジャズサックスアーティストの奏でる明快なメロディが希望となる、という部分が解りませんでした。サックスアーティストと言えば、中盤辺りにそれらしき人物が出てきましたが、今ひとつ彼が希望となり得るような説得力と言うか描写が皆無だったので(あるいは最後で描写されたサックスアーティストは彼とは別人物かもしれませんが、しかし何故その人が希望となり得るのか私の読解力ではわかりませんでした……難癖を付けるようなことを言ってすみません)、どうしてそれが希望たり得るのかを、奇妙な物語の中でも描いてほしかったな、と思いました。
男が引き金となって、人々が狂い始めていく、みたいな設定はとても面白かったです。


No.02 銀座マンホール(すずきり)

相変わらず読者を話に引き込んでいく書き方が巧いです。淀みなく読み進められます。
ただオチが、あまりにも若者の普遍過ぎる悩みで終わらせてしまっているのが、とても惜しく思えました。もう少し読み手を奇妙な方向へ持って行けたのではないかと思えたのです。もちろん、ある程度の分かりやすさを狙って書かれたのかもしれませんし、それは当然悪い事ではないですが(読んだ人の好みによっても違ってくるでしょうし)あくまで私の感想では、少し綺麗にまとまりすぎてるのかな、という印象がありました。もっと意味の分からない方向、奇妙で不気味な方向へ連れて行ける小説と、作者さんであると感じたので、我儘なことですがもっと読み手の理解や想像を跳ね飛ばして、不気味な奇妙さに溢れた場所へ到達できるのではないかと思ったのです。


No.03 守りがみ(朝比奈 和咲)

序盤で提示された不気味な恐ろしさや謎に戸惑いながら、奇妙な現象にばかり追われていく少女のホラー小説、面白かったです。ムンクの叫びの絵を思わせる謎の存在が最後まで明かされないのも、怖さを生み出しているように思えます。
ムンクというワードが出てくる辺りで個人的に引っかかってしまったのが、あれはムンクが書いた『叫び』って作品で、『ムンクの叫び』って名前の作品じゃなく、あの絵に描かれているおどろおどろしい顔もムンク自身じゃないのになー……( >д<)、ムンクの顔ってわりとイカした渋い感じなんだぜー、なんて感想が浮かんだのですが、そのような勘違いも大人になったばかりの女の子の回想してはリアルだよね、とも思い、そんなこといちいち指摘する私の方が野暮で神経質だ!という結論に至りました(笑)
もしかしたら狙って書かれたのかもしれませんし、そうでしたらリアリティを生み出すためにすごく計算されているな、とも思います。

ピンク色の紙と、そこから這い出てくる蟲というのも生理的嫌悪を感じさせる描写で、基本的に穏やかな語り口で物語が進んでいくのですが、細部のイメージが凝っているように思えました。

不思議なものを不思議なものとしたまま終わらせたのも、良かったように思います。


No.04 工場(茶屋)

労働者階級に属する男の、夢の中での『意識の流れ』が書かれた作品。日々の生活における様々なものを主人公の主観で連想ゲーム的に表現されています。あるいは目の前の仕事や生活における現象を、奇妙な想像力で捉えながら書かれた面白い作品でした。
様々な意味づけを行えるようにも書かれていますが、それが明確に何を意味するのかは判りません。
個人的な感想になりますが、夢の中の話としない方が不気味な迫力が増したかもしれないと感じました。夢の中の話であると説明されると、その世界が奇妙であるという説明が事前になされ、奇妙さで成立された世界ということに読者が納得してしまうように思います。この辺りは読者の捉え方次第、どちらがいいかは好みかも知れませんが、それが私たちの現実でも不思議なものに見えるかもしれない、不気味な現象が起こるかもしれない、という怖さがあった方が、作品自体に恐ろしい迫力が出るように思えるのです。私たちの生活が不気味なものに浸食されているのだという恐ろしさが。

(もちろんストレスなどで精神的に病んでしまった男が夢の中で見る、仕事や生活に対する嫌な部分が、ピンポイントで恐ろしい現象に拡大されて、それを追体験しているという風に読んでも、面白い作品であることは間違いないです)


No.05 ホロウ・ストーリー(木下季花)

自作


No.06 キカの悲歌(木下季花)

同上

No.07 あなたのことがみえなくて(犬子蓮木)

とても犬子さんらしい作品で、透明であるからこそ、美醜を気にせずに、言葉のやり取りと触れ合いだけでコミュニケーションを取るという、まさに犬子さんが得意とする人の純粋さを大切にする小説だと思いました。タトゥーで人を識別するという設定がちゃんと生きて、最後の一文が綺麗に物語を終わらせている辺り、上手いなあと唸らされました。


No.08 空転言語生滅演説(ra-san(ラーさん))

うーん……何と言えばいいのでしょうか。個人的にすごく好きなのですが、面白く感じなかった、という複雑な感想になってしまいます。
その言葉たちがどれだけ意識的に選ばれたのだろう、練られたのだろう、それが読み手の感性に結びつくように整然と、面白味を持って各文章が配列されているだろうか、ということはあまり考えずに読み終わってから思った程度ですが、しかしながら作者のたくらみと、小説自体の面白味があまり分からずに終わってしまいました。

意識的にやられているのか、知らずにその手法に行き着いたのかは分かりませんが、バロウズが得意としたカットアップ手法を試みたのだと思います。バラバラに解体されたそれぞれの単語や文章を使って、パズルのように文章を組み立てていく。デタラメにも思えるように言葉を繋いでいって、何か大きな表現へと昇華させる。私はそういう試み、ものすごく好きなんです! 私自身もネットに発表した事はありませんが、何回か試してみて、書いていてとても楽しかった記憶があります。だから、こういう小説を作る気持ちはすごく分かるんです。私も、こういう小説大好きですから。 
ただ(あくまで私の感想になりますが)、組み立てられた言葉が最後まで像を結ばない、ただ奇妙な繋がりで終わってしまっている。いや、バロウズもそのような部分がありますし、読む人によってはバロウズのカットアップも、意味分からないものとして読めてしまいますから、この手法自体が小説として構成するのがとても難しい物だと思うのです。強烈なセンス、言語感覚、構成力が求められるのだと思います。ラーさんにその力がないと言いたいわけではなく、この手法だけで小説を表現するのはとても危険な事だと思うのです。

それでもこの小説の中には、

>>布団をかぶったR2-D2が「パタヤビーチに行かなければ」と叫ぶのにも似た善行
>>そこは完全無欠たるパチンコが、エルドラドを語る土地
>>ポリエステル100%の金剛界曼荼羅に磔けられたイエス・キリスト
>>墜落するガラパゴスゾウリクガメにも似た絶望的感動

などの、とても面白い表現があるので、突き詰めていけば、時間をかけて厳選したり、何かコンセプトがあったりすれば、もっと面白い小説になると思うのです。(確か、口ロロというアーティストの、電車のアナウンスをカットアップして作った『Tokyo』という曲がとてもユニークでした。何かを切り崩して再構成するような、ある特定のコンセプトを元に表現しても面白いかもしれないです。例えば電車のアナウンスでなくても、新聞の文章をカットアップして変な記事を作ったり、ゲームの説明書をカットアップして変な説明書を作ったり、メールの文章を切り貼りして、全く別の意味になる文章を作り上げたり)そのようなアイデアで膨らませていくと、読み手にとっても親しみやすくなるような気もするのです。
と、長々と偉そうにすみません……。そんなことお前に言われたくないんだけど、とお怒りになられるような感想ですね……。ラーさんの作る世界観に勝手に口を出し過ぎました。
それでも、やはりとても好みな小説でしたので色々と思った感想を好き勝手に書かせていただきました。読んでいて幾つかのスマッシュヒットを感じましたし、とても面白い表現があって、驚かされた部分が多かったです。


No.09 おおきく空振って(大沢愛)

相手の人間性を見、どうすれば力のない自分がギュラーになれるだろう、そしてそれにレギュラーとなってからどのように立ち回れば地位を維持できるだろうと、様々に考えることで乗り切っていく主人公の生き方が面白かったです。
恐らくスポーツ小説は、登場人物を多く書き分けなければならず、一人一人に分かりやすいキャラクター付けをしなければならないので、それを勢いよく書きあげたのは本当に凄いと感じました。
ただ、負けを追求する彼らの美学の『核』がこちらに見えなかったことと、そして主人公たちがあのようにあっさりと感化されるだろうかということに、少し疑問を抱きました。そこが奇妙だと言えるのかもしれませんが……。しっかりとしたリアリズムで書かれているだけに、そこの奇妙さがいきなりリアリズムから大きく外れてしまっていて、妙な違和を感じてしまいました。彼らの信念とそれに感化される者たちを、奇妙さで片付けていいものなのか……、一般とは違うことに真剣に取り組んでいる人を、奇妙だと表現してしまっていいのだろうか、と。もちろんそれだけ中盤までを抽象的な表現ではなく、しっかりと人物や思考などの描写をリアルに書けているということでもあるのですが……。
すみません、野球にほとんど触れたことのない者の感想ですので、その辺りは野球をやっている人だと、また違った視点からの感想が浮かんでくるように思います。

それでも主人公が自分以外の者を観察しながらその都度、適切な采配を考えて、他人を押しのけながら地位を得ていく。この物語の主軸はとても面白かったです! 


No.10 (時間外)超人ユキ子の一生(ほげおちゃん)

身に余る超人的な力を描く作品は大抵、悪意や欲望に直結したものとして書かれるけれど、これは人と人を結びつけるために、そして孫を喜ばせるために与えられた運命のように書かれていて面白かったです。
超人的、あるいは超心理的な能力を得たら、たとえその人が理性を抑えられる人であっても、善良な人であっても、いつかはその力を使ってしまうように思うんです。それが悪い事であっても善い事であっても。
書き手側の視点で言えば、その超人的な力を主人公に設定して物語を書く時、絶対に物語を動かすために設定されているというのが普通だし、能力を中心としたトリック、バトル、不思議な力に振り回されてしまう人、不思議な力を何かに使ってしまう人、そのような読者を引き込むための狙いの為に、あるいは自らの物語の道具の為に書かれることが多いと思うんです。でもこの作品はそういう狙いを考えていなくて、それがとても新鮮で面白かったです。ゆき子の奇妙さよりも、その作品の構成的な奇妙さの方に私は惹かれました。穿った読み方をすれば、ヒーロー物へのアンチテーゼとも読めるような気はします(力を使うことよりも日常の触れ合いの方にこそ幸せと平和があり、戦いを通さずにそれを伝えるべきだ、みたいな)。あるいは、全てがゆき子と竹内姉妹が出会うために運命的に発動された、ほんのわずかばかりの奇跡的な歯車としても読めます。竹内姉妹とのその後も大して描写がされずに、まるでその場面だけが、彼女の人生のハイライトであったかのように、呆気なく彼女の晩年が描写される。個人的にはすごく面白いな、と思いました。


  ***********************【投票用紙】***********************
  【投票】: No.04 工場(茶屋)
  気になった作品:No.01 能無し(合間ぽてこ)
  ********************************************************


ほげおちゃんが言っていたことと一緒なのですが、私もミステリアスな不気味さ中にある種のリアルが想起されるような作品、人間の不気味さが描かれたような作品が、『奇妙な話』として面白いなと思っていて、その中で私の思う『奇妙な話』という概念にぴたりと嵌まったのが茶屋さんの『工場』でした。
日常生活における嫌な事、そして我々が生活するに欠かせない仕事というものを、とても不気味に書いておられて、工場同士が戦うというのも、ノルマばかりが増えて現場の工場員は死ぬかもしれないくらい苦しい思いをしているのに、上層部は利益を増やすために他の地区の仕事まで奪おうとしている、そんな比喩に見えました。いや、いろいろな想像が出来るような作品だと思います。労働者の苦しみや生活におけるちょっとした嫌なこと、疑問に思うことが、とても奇妙に描かれていたように思いました。リアルさと奇妙さがいい具合に混合して作品に現れていたと思います。

合間ぽてこさんの作品は、理屈とかそういうのではなくて、感覚的に面白いと思った作品です。一覧の中で最初に読んだのですが、全作品読み終わってみても、『脳無し』ってなんか面白かったなあ、と印象深かったです。
よく解らないけど、死んでしまう男が多くのレジスタンス、狂気の意識に火をつけた、というある意味ではぶっ飛んだ設定が滅茶苦茶好きでした。

『能無し』にコメント
2015.04.25 21:34
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※ 作品のネタバレを含む
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急にグロいシーンが描かれ驚きました。どうして結末で男があんなことをしたのかも分かりませんでした。全体的に奇妙な雰囲気はあるのですが、グロいシーンがその雰囲気を消してしまった気がします。内容はあまり理解できなかったのですが、「一音足りない」のフレーズが耳に残っています。

『銀座マンホール』にコメント
2015.04.25 21:35
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 マンホールの梯子の描写、春を迎える前の冬の寒い夜の描写、そういった比喩表現が分かりやすくて印象に残りました。蓋の開いたマンホールの下に降りていくと何があるのだろうと期待して読んでいました。そのため、オチが初めて出会う女性に説教っぽいことを言われ終わってしまったため、少々もったいないと感じてしまいました。思い付きだけで行動する主人公は私は好きなのですが、マンホールに他の人が落ちないように危険を知らせる障害物を置くなどしても良かったかもしれないと思いました。

『工場』にコメント
2015.04.25 21:36
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※ 作品のネタバレを含む
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 あんまり怖くなかったのですが、たぶん似たような話の流れをどこかで聞いたからかもしれません。夢か現実か、という話は私は好きで、実は全て夢だったというオチも良いのですが、それならばアッと言わせる現実と夢の落差が欲しかったかなあ、と思います。また、夢か現実か分からないまま終えるというオチならばこれでもかというリアリティがあると良かったような気がします。この感想を書いていると、まるで自分に言っているのではないかという、ブーメランな思いに囚われました。奇妙というより、グロいという思いが残りました。

『ホロウ・ストーリー』にコメント
2015.04.25 21:37
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※ 作品のネタバレを含む
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 雰囲気は好きです。でも、なんというか、感想があまり浮かばないです。こうした雰囲気を小説で出せない私としては感心するのですが、でも読み終えてみても「そっか」で終わってしまい……。
 芸術についてアウラさんと僕が話していたシーンで考えたことです。無意味なものに意味を求めていることが、無意味なものを意味あるものにしてしまうという矛盾であり、それを二人でしていることに私は皮肉な笑いを感じたのですが、それを解決する策が空洞に飛び込み全てを無意味にすること、という考えで良いのかなあ、という考えになりました。
 

『キカの悲歌』にコメント
2015.04.25 21:38
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※ 作品のネタバレを含む
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リルケの詩集を未読なため、この小説について、半分も理解できなかったかもしれません。踏まえたうえで。
繰り返される私の行動と、それを見ている私の心情、この状況への私の疑問とその解答。文章から情景は想像できるのですが、面白いかと聞かれたら返答に困ります。繰り返される時間の中で、緩やかに流れる静かな時を感じ取ったのですが、じゃあどうしてバレエなの? バレエを見ない私にはピンとこなかったです。
なので、リルケの詩集を読み、バレエを見たことのある人なら全く違う感想を言うかもしれません。私はそういった人の感想も読んでみたいと思いました。

『あなたのことがみえなくて』にコメント
2015.04.25 21:39
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※ 作品のネタバレを含む
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 全人類が透明人間になった話は初めてです。その発想に驚きました。また、見えない彼女に対する期待や不安な思い、彼女の行動にどぎまぎする主人公が上手に描かれていたと思います。残念なのは、短編ということもあるのですが、設定がやや甘いかな、と。映画館の登場人物はどうなっているのでしょう。また、彼女の服が透けず刺青も見えるならば、全ての人は化粧をしたり仮面を被るなどの対策を取ることも可能かな、と。仮面ですと表情は見えませんが、皮膚の上に直接塗る化粧ならば表情は見えるかもしれません(推測ですが……)。
 作品の着想が良いので私もここまで考えてしまうのかと思います。

『空転言語生滅演説』にコメント
2015.04.25 21:39
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※ 作品のネタバレを含む
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途中で読むのに疲れてしまいました。最後まで読みましたがクタクタです。私は読みやすく分かりやすい文章を好みます。この作品は私にとって読みにくかったです。一文が長いのに句読点が少ないのが原因かと思いました。しかし、それよりもリズムが単調なのかもしれない、と思いました。内容はほとんど頭に入ってきませんでした。言葉遊びのような小説として受け取りました。

『おおきく空振って』にコメント
2015.04.25 21:40
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※ 作品のネタバレを含む
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 敗北をどうして彼らは求めるんだ、ということが知りたくなりました。文章が読みやすく全体的に面白かったです。でも、敗北を求めるようになった主人公たちの心変わりが納得いきませんでした。書かれていないので気になります。奇妙な話です、本当に。試合の場面が特に面白かったです。不気味さを感じながらも最後に相手の真意に気づくまでの流れは読みごたえがありました。

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2015.04.26 00:16
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なんとまさかの同点優勝でした!

No.01 能無し(合間ぽてこ)
No.09 おおきく空振って(大沢愛)

おめでとうございます!
次回はお題二つのどちらでも、ということでいいかな(-_-...

優勝者の方は、5/1(金)ぐらいまでに本コメント欄に次回お題の投稿をお願いします。

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2015.04.26 00:42
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【BNSK】品評会 in てきすとぽい season 12・お題
―「私はその人を常に先生と呼んでいた」(夏目漱石『こころ』)
お題は「わたしの好きな先生」。
尊敬する、人生を決定づけられた、もちろんLOVEでも。
「わたし以外の誰もが嫌っていた」先生でも、「わたし」が好きなら可で。
学校の先生でなくても、「わたし」が先生と呼べるひとならOK。
もちろん「年下の先生」だってアリです。

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2015.04.28 09:12
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二つ目のお題は「トゲトゲ」。
山嵐のように目に見えるトゲトゲでも、目に見えないトゲトゲでも構いません。
また、トゲトゲを登場させずとも、「トゲトゲっぽさ」が出されていれば可です。
作品内で「トゲトゲ」を表現して下さい。

<<< 投票期間は終了しました。 >>>
引き続き投票できますが、集計結果には反映されません。


票の集計期間 2015.04.19(日) 0時  ~  2015.04.26(日) 0時
投票方法 5段階方式(平均)
投票終了まで 票の推移とコメントを公開する


投票の主旨、注意点など

次回のお題は「奇妙な話」
字数は一万字以内。
理屈や常識では説明出来ない(or読み解けない)物語を書きませんか。 ...
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総括

優勝(同点):No.01 能無し(合間ぽてこ)
      :No.09 おおきく空振って(大沢愛)
■本スレ ...
詳しく読む...

作品一覧  →【期日後投票する
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能無し
 投稿時刻 : 2015.04.05 11:28
 字数 : 1337
☆4.750☆5…3票
☆4…1票
☆3…0票
☆2…0票
☆1…0票
銀座マンホール
 投稿時刻 : 2015.04.11 23:47 最終更新 : 2015.04.15 13:14
 字数 : 3680
☆4.000☆5…0票
☆4…1票
☆3…0票
☆2…0票
☆1…0票
守りがみ
 投稿時刻 : 2015.04.12 14:51
 字数 : 7483
☆4.000☆5…0票
☆4…1票
☆3…0票
☆2…0票
☆1…0票
工場
茶屋
 投稿時刻 : 2015.04.18 16:02
 字数 : 4069
☆4.333☆5…1票
☆4…2票
☆3…0票
☆2…0票
☆1…0票
ホロウ・ストーリー
 投稿時刻 : 2015.04.18 19:03 最終更新 : 2015.04.18 20:27
 字数 : 8807
☆4.000☆5…0票
☆4…2票
☆3…0票
☆2…0票
☆1…0票
キカの悲歌
 投稿時刻 : 2015.04.18 19:09 最終更新 : 2015.04.19 01:28
 字数 : 3012
未投票☆5…0票
☆4…0票
☆3…0票
☆2…0票
☆1…0票
あなたのことがみえなくて
 投稿時刻 : 2015.04.18 20:13
 字数 : 2029
☆4.500☆5…2票
☆4…2票
☆3…0票
☆2…0票
☆1…0票
空転言語生滅演説
 投稿時刻 : 2015.04.18 21:31 最終更新 : 2015.04.18 22:04
 字数 : 2282
☆4.000☆5…0票
☆4…3票
☆3…0票
☆2…0票
☆1…0票
おおきく空振って
大沢愛
 投稿時刻 : 2015.04.18 23:59
 字数 : 8187
☆4.500☆5…2票
☆4…2票
☆3…0票
☆2…0票
☆1…0票
(時間外)超人ユキ子の一生
 投稿時刻 : 2015.04.19 02:32
 字数 : 5678
☆4.000☆5…0票
☆4…1票
☆3…0票
☆2…0票
☆1…0票

コメント
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投票期間:4/19 (日) 00:00 ~ 4/25 (土) 23:59
集計発表:4/26 (日)

No.01 能無し(合間ぽてこ)
http://text-poi.net/post/aima_imoco/1.html

No.02 銀座マンホール(すずきり)
http://text-poi.net/post/tamamogari/9.html

No.03 守りがみ(朝比奈 和咲)
http://text-poi.net/post/k_asahina46/2.html

No.04 工場(茶屋)
http://text-poi.net/post/chayakyu/108.html

No.05 ホロウ・ストーリー(木下季花)
http://text-poi.net/post/kika_kinoshita/19.html

No.06 キカの悲歌(木下季花)
http://text-poi.net/post/kika_kinoshita/20.html

No.07 あなたのことがみえなくて(犬子蓮木)
http://text-poi.net/post/sleeping_husky/40.html

No.08 空転言語生滅演説(ra-san(ラーさん))
http://text-poi.net/post/rasan02783643/19.html

No.09 おおきく空振って(大沢愛)
http://text-poi.net/post/ai_oosawa/24.html

皆さん投稿ありがとうございました。

感想や批評があると書き手は喜びますが、単純に『面白かった』と言うだけの理由での投票でも構いません。
毎回作品投稿数に対して投票数が少ないので、多くの方の投票をお待ちしております。
また、週末品評会では投票する作品のほかに気になった作品を挙げて頂き、同得票の際の判定基準とする方法をとっております。
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本スレに投下された感想を転載します。

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※ このコメントには、作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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全感を書こうと気合いを入れてやってみました。まとまった感想というよりも思ったことの走り書きみたいな感じですけど。投票はぽいの方にやっておきます。


No.01 能無し(合間ぽてこ)
・・・非常に気に入りました。「ノーと言えない」「一音足りない」「何かを忘れている」。彼の音楽が周囲に与えた影響と、彼の死(あるいは彼の死をもたらしたもの)が世界に与えた影響が肝かなと思いました。能無しの男が命がけで「ノー」を世界に示したあとで、世界には争いが生じるわけです。「ノー」という本心を言えなかった人々が「ノー」を示すことは、争いにつながるわけです。せき止められていた何か(反逆的な力)が能無し男の「ノー」によってドミノのように(あるいはドミノそのものが)動き出してしまった・・・というように感じました。男の音楽が持つ影響というものは、だとすると人々を「ノー」と言える状況にするということかもしれません。
 ただ面白いのが、あるいはこの読み方は全く逆だとも解釈できるというところで。世界に対して人々が「ノー」と言えるようになった、のではなく、人々が己の内に秘めていた何かしらの意志に対して「ノー」と言って抑圧して来たそのタガが無くなった、とも読めますね。(自分が勝手にそう読んでいるということで、「この小説はこういう内容だ」と決めつけているわけではないですよ)
 ともかく解釈なんてどうでも良いんです。能無し、ノー無し、脳無し、こういうのは面白いですね。とくに短い文章においては中身がぴしっと引き締まるような気がします。

No.03 守りがみ(朝比奈 和咲)
・・・ムンクは一体なんだったんだろう?そういうお守りが実在したりするのかな?お守りの中身が偶然学校の花壇に埋まっているというのも不思議ですね。ムンクが「緑のおばちゃん」の姿に化けていたのも気になります。まさに奇妙な話で。まあムンクは「悪いもの」で、そしてお守りの力が主人公を守った、という筋に思えますが周辺に謎が多くて一筋縄でいかない感じがしますね。ピンクの紙に関しては・・・解釈を放棄することにしました。
 最後、主人公は未だにそうしたよくわからないものの影を感じて一人暮らしを取りやめるわけです。お守りの庇護と家族の庇護が関わっているのかな?とも読めますね。ざっくりとしたことばかりで申し訳ないです。

No.04 工場(茶屋)
・・・ここは何の工場なんだろう?不可思議な出来事がよくあるみたいだし、業務内容もよくわかりませんね。工場同士で戦争というのも不思議な世界ですね。

No.05 ホロウ・ストーリー(木下季花)
・・・禅的なものを感じました(でもたぶんそういう話ではないんだろうなと思いつつ・・・)。不立文字というかなんというか。意味や理由ばかり求める世界というのは窮屈でたまらないですね。「何かのため」に人は生きているわけではない。万物が「何かのため」に存在しているわけではない。芸術は「感動させるため」に存在しているわけではない。意味や理由を求めると、即座にすべては道具になりさがってしまうわけです。それは虚しいことです。ただ一方で、意味や理由を否定したり放棄したりするとそれはそれで目的意識もなくて、緊張感が無いというか、なんでもない虚しいことになってしまうわけです。どうしたって、虚しいんですね。これを読んでいる時、意味を放棄してその虚しさから脱却しようとしても、やっぱり意味を失うことは虚しいことに他ならない、という禅問答的ジレンマがあるなと考えました。どうあがいても虚。精読のすえにこの話をそう解釈したというのではなくて、自分が勝手にそういうことを感じたというだけのことなのですが・・・。勝手な感想なので、勘弁してください。

No.06 キカの悲歌(木下季花)
・・・リルケのことは知らないんですが、それにしてもこれは奇妙な絵が続く話ですね。過去現在未来が並行していて、消えることなく残留してループしているような光景がずっと続きます。しかも自分自身も分裂して沢山存在していてわけのわからないことになっています。連続性に縛られた世界なのかあるいは逆に連続性を欠いた世界なのかという気もしますが、正直よく解りません(ごめんなさい)。そうした解釈を別にしても、音楽的というかリズム的なものを楽しめる小説なのではないかと感じました。

No.07 あなたのことがみえなくて(犬子蓮木)
・・・等身大ガンダム、レイバーが本物だなんて良いですね。新宿TOHOのゴジラも本物だったりして。しかし互いに外見がわからないまま愛し合うカップルというのは純粋な感じがしますね。肘掛けに手を置いているかどうか、透明だから解らない、という透明人間ならではのドキドキがあるんですね。「手をおろした。」→「なかった。」この流れが特に良いですね。と思ったらキスしてるという。映画館ではちゃんと映画見ろ!このヤロー!(冗談です)と思ったり思わなかったりしました。

No.08 空転言語生滅演説(ra-san(ラーさん))
・・・奇妙な話といいますか奇妙な文章といいますか。「妄想代理人」次回予告とか「パプリカ」で夢に冒された人が口走る台詞とか思い出しました。間欠泉式温泉便座はちょっとヤバイですね。ウォシュレットで人死にが出そう。よくわからなかったので、失礼な言い方ですが出鱈目なものがでてきたなあと感じました。

No.09 おおきく空振って(大沢愛)
・・・最近ある球団が延長十二回五時間に及ぶ試合、あとアウト一つという場面でサヨナラエラーしてしまって負けました。濁りきったどろどろの負けでした。それはまあ全然関係ないですけど、負けを追求するとは不思議なチームですね。個人的にはそのチームよりも捕手の気の効いた(?)采配が興味深かったです。

No.10超人ユキ子の一生(ほげおちゃん)
・・・力というものは持つべくして持つし、選ばれし者が選ばれるべきですね。それはある意味で絶望的というか、宝くじで大金を得ても結局本当のところで豊かにはなれないんだという示唆がありますね。「山月記」で李徴は虎になってしまうわけですけど、それを読んだ李徴的な人が教訓を得て虎にならずに済む生き方を出来るかと言えば、そうじゃない気がします。結局李徴的な人は虎になってしまうんだと思います。変わりたくても変われないという非情な現実があるわけです。
 人はその人相応の人生しか送れないわけです。まぐれで過ぎた力を得ても、それで本人が変われるわけではない。しかしこの小説はそんなネガティブだろうか?というと、違うんじゃないかという気がします。ユキ子は力を十全に使いこなしているんじゃないかと。ともすればその力を好きにふるうことで、ユキ子はもっと違う劇的な人生を送ることも可能だったはずですが(本人はキッカケが無いと言っているけど)、彼女はしっかりと自分の生きるべき道がわかっていて、それを見失わなかったとも読めます。その力を得てもブレ無かった。そして相応に青春を生きて、清花や純花とごく人間らしい出会いをしているわけです。純花に話しかけるシーンから見てもこれは青春ものだなあと感じました。
 ドラマやアニメみたいな、普通の人が夢想する人生よりも、青春があって幸福で、たまにバク宙する人生のほうがよっぽど良いかもしれませんね。李徴も虎ライフを満喫しているかもしれないし。

奇妙な話というお題でしたが、いろいろなモノが出て来て面白かったですね。作者側からみれば「何かよくわからないもの(あるいは世界観)」を出して、それについての説明を省いてしまえばそれだけで奇妙な話はできてしまうわけですけど((失礼な言い方ですが)不思議な感じ、不思議な力、不思議なモノ、とはぐらかせば良いわけです)。一方読み手側からみると四苦八苦するわけですが、しかし読もうと思えばいろんな解釈ができて、これは面白いです(全感では「わからない」とばかり書きましたけど・・・)。
 全感を書きましたが、どう書いたものかとても迷いました。何を言っているんだこいつは?と思うところがあると思いますけど許してください。知らず知らず他にも失礼なことを書いていたらごめんなさい。

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No.01 能無し(合間ぽてこ)
http://text-poi.net/post/aima_imoco/1.html

以前てきすとぽい杯でカードゲームのキャラクター作るみたいな企画あったけど、その延長戦のような内容に感じました。個人的には、ここからもっと話を広げてほしいかなと思ったり。
あと、以下の解釈にちょっと詰まりました。
・主人公が死ぬ前はみんな一歩踏み止まれて、死んだ後は踏み止まれなかった。なぜ?
・ジャズとサックス以外はみんな殺伐としているけど、なぜジャズとサックスだけは例外なんだろう。
とくに後者の解釈が。うーん、なんなんでしょうねぇ……

No.02 銀座マンホール(すずきり)
http://text-poi.net/post/tamamogari/9.html

言いたいことは分かるのだけど、それに感化されるかというとそうでもない(´・_・`)
こういうのは人の信条とか、あと作品に出会うタイミングとかが大きく関わってくると思うので、結構難しいかもしれません。

No.03 守りがみ(朝比奈 和咲)
http://text-poi.net/post/k_asahina46/2.html

あんまり怖いとは思わなかったんだけど、雰囲気はありました。それだけに、途中で「僕」と書き間違えてしまったところが残念。せっかく主人公をミステリアスな感じで引っ張ってこられてたので、この誤字は結構致命的だったかもしれないです(´・_・`)
主人公がピンクの紙を引き抜くとミミズとかが這い出てくるシーンは、死体か何かが埋まっているのではないかなと思いました。そこらへん、土の中からゾンビみたいなのが出てきたほうが迫力あったかも。

No.04 工場(茶屋)
http://text-poi.net/post/chayakyu/108.html

人間が工場で加工されるっていうとネットではゼノギアスが有名みたいだけど、私はクロノトリガーだなあ。
未来の研究施設みたいなところに行って、ある部屋に入ると、ベルトコンベアで人が流れてくるんだよね。話しかけようとしても話しかけられなくて、やがて機械を通るとピギィーッという声が……そして星みたいなのになって出てくるという(´・_・`) 最初は意味わかんなかったけど、意味わかったときめっちゃ怖かったよ(´・_・`)
が、今の時代になってみると、それって結構普通だねって思えてくる。ネットというやつは本当に怖いわ(´・_・`)
前置きが長くなってしまったけれど、この作品ではおそらく人間(もしくはパーツ?)と思われるものを棍棒で叩くのだけど、結構新しく感じた。人間が虫みたいに叩かれるのって、結構好きなんだよね。そういう趣向があるというわけじゃないよ(´・_・`) 単に、そういうシーンが好きなの。だからこの作品には結構引き込まれたのだけど、残念ながら最後までうまく扱いきれなかったかなという感じでした。
というか、ちょっとネタバレしすぎじゃないかな(´・_・`) もっと隠し隠しいこう(´・_・`)

No.05 ホロウ・ストーリー(木下季花)
http://text-poi.net/post/kika_kinoshita/19.html

この作品はまず雰囲気が好きです。そして電話マーク、あんなの出せるの初めて知った。その電話マークがちょっと出し過ぎのような気がしたけれど、一番最後まで集中して読めた作品だと思います。
セリフとか、持ってくる遊びのセンスとか良いと思うし、あの歌詞の引用も結構好きだな。
なんで海外の人たちって、ああいう哀愁漂う詞が書けるんですかね。それによって世界を良くしようとか悪くしようとかじゃなく、本当にそれだけを捉えている。翻訳の妙なんかじゃない、と私は思うんだよなあ。

No.06 キカの悲歌(木下季花)
http://text-poi.net/post/kika_kinoshita/20.html
2
君は詩にまで手を出してしまっているのかい?
本当にとんでもないやつだな!
……いやいやいや、まじでいろんなものに手を出されてますね貴方は。ちょっとびっくりしてしまいましたよ。
詩はいいですよね、私は個人的には学校の授業で「あのお花畑を見て詠んでごらん」とか、そういう授業があっても良いと思うんですけどねぇ。私が子供の頃だったら、絶対真面目にやらないけど(´・_・`)
で、この作品の感想なのだけど、よくわからなかったね(´・_・`) いや、雰囲気は好きなのだけど、やっぱりよくわからなかった(´・_・`) いや、好きなのだけど(´・_・`) 繰り返しになるからここでやめておこう。

No.07 あなたのことがみえなくて(犬子蓮木)
http://text-poi.net/post/sleeping_husky/40.html

いや、生まれてこのかた透明人間だった人が、「今の僕たちは透明人間なのだ」なんて言わないと思うよ(´・_・`)
ここらへんはやっぱりちゃんと作り込んでほしいところ。タトゥーの話とか、ちゃんと考えられているのだから尚更ね。

No.08 空転言語生滅演説(ra-san(ラーさん))
http://text-poi.net/post/rasan02783643/19.html

支離滅裂なことと奇妙なことは違うよ(´・_・`)
いや、ちゃんと読んだら支離滅裂じゃないのかもしれないけどね。
解説をくれ!

No.09 おおきく空振って(大沢愛)
http://text-poi.net/post/ai_oosawa/24.html

正直なところ、負けの美学というのがよくわかりませんでした。
私には何処からどう見ても、この対戦相手野球を舐めてるとしか思えないんだよな(´・_・`)
スポーツは互いに、「勝つ」という目標を共有してるから面白いんだよ。真面目に戦おうよ(´・_・`)

No.10(時間外) 超人ユキ子の一生(ほげおちゃん)
http://text-poi.net/post/hogeochan_ver2/18.html

で、私が書いたのがこれですか(´・_・`)
一応、狙いはあった。本当は力を持っているのに発揮できないということは世の中に多くあって、そういうシチュエーションで書くのも面白いんじゃないかと。
ただ、本当は妹じゃなくてお姉ちゃん、教師なのに小さくてけどナイスバディで「ネットスラングでいうロリ巨乳ババアだったのだ!」みたいな展開にしようかと思っていたのだけど、最後の最後でこれ辻褄合わないじゃんと思って時間に間に合わなかったのよね。
けど、時間外で良かったかもと思っている(´・_・`)

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 【投票】:No.05 ホロウ・ストーリー(木下季花)
 気になった作品:No.03 守りがみ(朝比奈 和咲)
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今回のお題は自分含めて結構難しかったと思っています。
奇妙って所謂ミステリアスみたいな感じだと思っているのだけど、そこにどこかリアル性がないと本当に「?」な作品になってしまうんですよね。
で、ミステリアス性十分、そこに多少のリアル性を含んでいるというと、私はNo.05の作品以外思いつきませんでした。
関心票は正直入れないことも考えたのだけど、あえて入れるとすればNo.03かなと。

来月こそ、時間内に出せるよう頑張ろう。

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No.01 能無し(合間ぽてこ)
「男はだんだんと心を病んでいった」「男のようすは大変不気味であった」といったペラい表現が目につく。近所の楽器屋なら発狂以前にも店員は姿くらい見ていただろうに、「謎の客」?「懐からナイフを取り出し自らの頭に突き立てた」懐に入るサイズのナイフで自分の頭蓋骨に穴をあけられるのか。海に飛び込んだのに「脳漿がくうちゃりくちゃりと音を立てる」とは? これらすべての「奇妙」のオチが「ノー」の駄洒落ではたまらない。

No.02 銀座マンホール(すずきり)
主人公のキミシマ。しばらく前に女と別れ、ザギンのバーで一人酒をキメていた。金はあるのかと思えばところどころほつれたショボい革鞄を愛用。そして最大の問題点。この男はいったいいくつだ?ネズミを追いかけてマンホールを降りて異世界にたどり着くあたり、精神年齢はどうみても小学生である。後に続く幼児的な会話からしても、社会人ではない。この「奇妙さ」を楽しめるのだろうか。

No.03 守りがみ(朝比奈 和咲)
やりたいことはわかる。夏になるとニコニコあたりで生放送するオムニバス形式の怪談のようなイメージ。ただ、視覚的なショットの連続で恐怖を畳みかけていく手法を文章で行うのは難しい。どう書こうが文章のくどさはどうにもならない。書き込めば書き込むほど、着想そのものの弱さが際立ってしまう。投げ出しに近いラストは「奇妙」ではあるが、それ以上に徒労感がつきまとう。

No.04 工場(茶屋)
序盤の堂々巡りの文章でまず萎えた。「生首」や意味不明な上長の話、上流から流れてくる「何か」。ここらで思いつきで書いているのが透けて見える。そして戦闘。夢落ち。しかし実は、と思わせぶりなラスト。「奇妙さ」について根本的な誤解がある気がする。書き手の趣向に読み手が乗せられて翻弄されるためには、書き手への信頼を促す何かが作品に必要だ。それがないのが良くも悪くも決定的だった。

No.05 ホロウ・ストーリー(木下季花)
街を侵食して行く「空洞」。ホームレスのアウラさんから芸術作品作りを教わり、作り続ける僕。世界の外側に憧れ続け、遂には姿を消す売春婦の彼女。配置は悪くない。ただ、「無意味」なものの可能性を説くアウラさんの芸術論はまずかった。高翌揚して書いているけれど、これではただ価値を否定しているだけで、無意味そのものの積極的な肯定には至っていない。ゆえにどこかひ弱で幼稚な印象を残してしまった。この瑕疵がラストシーンの陳腐さへと繋がっている。

No.06 キカの悲歌(木下季花)
自足した内面の問わず語り、という印象だった。退屈を持て余した人間がどうでもいいことにこだわるふりをして時間をやり過ごす。基本的に独り言の世界なので、多少の凹凸はあれどもゆったりとソファーに座った「私」の意識にゆるく回収されてゆく。これは「奇妙」ではない。ただ「つまらない」だけだった。

No.07 あなたのことがみえなくて(犬子蓮木)
宇宙人が攻めてくる。ガンダムやレイバーが戦う。その結果、全人類が透明人間になる。そして透明人間の僕は透明人間の彼女と映画館でデートする。タトゥーを入れていたり、どうやら半袖の服を着ていたりするらしい。透明人間の映画を観て面白いのかどうなのか疑問だが、それらの奇矯な意匠を全部取り払ってしまえば、後に残ったのは他愛もない恋愛話だけだった。つまり「奇妙さ」はうわべだけだったことになる。

No.08 空転言語生滅演説(ra-san(ラーさん))
なるほど、間違いなく「奇妙な」話だ。この手の作品が絶賛された時代はある。1960年代なら大歓迎されただろう。ただ、当時、この手の作品を書いていた連中はあっという間に消えてしまった。「背伸びの季節」が終わるとともに、趣向の過大評価はされなくなった。それは「奇妙な」ことではない。当たり前の話だ。

No.09 おおきく空振って(大沢愛)
唯一のリアリズム(?)小説。宇宙人も意味不明の言説も世界の終りも登場しない。そのせいか大変読みやすかった。主人公は波木田高校野球部の捕手。打てないもののリードと策略で正捕手の座を手にしている。試合の場面はいつ超展開になるかと思っていたら、きちんと進められていて驚いた。釘林高校との練習試合の部分を際立たせるためだとすれば上手いと思う。全力で負けを追求する野球、ここの「奇妙さ」は不思議な味があった。

No.10超人ユキ子の一生(ほげおちゃん)
なぜユキ子と清花の話をきちんと中心に据えなかったのか。純花とのやりとりに文章を割く必要があったのか。ユキ子の宙返りへの憧れや筋トレも、もう少し深める書き方ができなかったのか。「一生」を謳っていながら死んでいないし。作品構成そのものが「奇妙」だ。残念ながら悪い意味で。

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 【投票】: No.09 おおきく空振って(大沢愛)
 気になった作品:
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No.01 能無し(合間ぽてこ)

様々な理不尽を従順に聞いてきた主人公が、精神を病んでピアノに依存する。虐げられ続けて不幸な目に遭い続けた男は、世界を混乱に導くようなメロディーを弾き始める。そのメロディーは、近くにいたメロディーに共鳴する者たちの(恐らく無意識に抱えていたであろう)社会への反抗心に火をつけていく。あるいは無意識に抱えていた社会に対する不満、何かに対する殺意を意識させていく。
最後の描写では、病んでいた男が死んでしまうことによって、世界中に点在する様々な人々の反抗心や殺意に火がつけられていき、世界はどんどん混乱へと導かれる。様々な理不尽に従ってきた者たちによる反抗が始まっていく。
とても不思議なお話です。何故だか男がそうなる運命を握っていたかのように、世界が掻き乱される方へ、混乱する方へ流れていく奇妙さはとても面白かったです。

ただ一つ、最後に書かれていたジャズサックスアーティストの奏でる明快なメロディが希望となる、という部分が解りませんでした。サックスアーティストと言えば、中盤辺りにそれらしき人物が出てきましたが、今ひとつ彼が希望となり得るような説得力と言うか描写が皆無だったので(あるいは最後で描写されたサックスアーティストは彼とは別人物かもしれませんが、しかし何故その人が希望となり得るのか私の読解力ではわかりませんでした……難癖を付けるようなことを言ってすみません)、どうしてそれが希望たり得るのかを、奇妙な物語の中でも描いてほしかったな、と思いました。
男が引き金となって、人々が狂い始めていく、みたいな設定はとても面白かったです。


No.02 銀座マンホール(すずきり)

相変わらず読者を話に引き込んでいく書き方が巧いです。淀みなく読み進められます。
ただオチが、あまりにも若者の普遍過ぎる悩みで終わらせてしまっているのが、とても惜しく思えました。もう少し読み手を奇妙な方向へ持って行けたのではないかと思えたのです。もちろん、ある程度の分かりやすさを狙って書かれたのかもしれませんし、それは当然悪い事ではないですが(読んだ人の好みによっても違ってくるでしょうし)あくまで私の感想では、少し綺麗にまとまりすぎてるのかな、という印象がありました。もっと意味の分からない方向、奇妙で不気味な方向へ連れて行ける小説と、作者さんであると感じたので、我儘なことですがもっと読み手の理解や想像を跳ね飛ばして、不気味な奇妙さに溢れた場所へ到達できるのではないかと思ったのです。


No.03 守りがみ(朝比奈 和咲)

序盤で提示された不気味な恐ろしさや謎に戸惑いながら、奇妙な現象にばかり追われていく少女のホラー小説、面白かったです。ムンクの叫びの絵を思わせる謎の存在が最後まで明かされないのも、怖さを生み出しているように思えます。
ムンクというワードが出てくる辺りで個人的に引っかかってしまったのが、あれはムンクが書いた『叫び』って作品で、『ムンクの叫び』って名前の作品じゃなく、あの絵に描かれているおどろおどろしい顔もムンク自身じゃないのになー……( >д<)、ムンクの顔ってわりとイカした渋い感じなんだぜー、なんて感想が浮かんだのですが、そのような勘違いも大人になったばかりの女の子の回想してはリアルだよね、とも思い、そんなこといちいち指摘する私の方が野暮で神経質だ!という結論に至りました(笑)
もしかしたら狙って書かれたのかもしれませんし、そうでしたらリアリティを生み出すためにすごく計算されているな、とも思います。

ピンク色の紙と、そこから這い出てくる蟲というのも生理的嫌悪を感じさせる描写で、基本的に穏やかな語り口で物語が進んでいくのですが、細部のイメージが凝っているように思えました。

不思議なものを不思議なものとしたまま終わらせたのも、良かったように思います。


No.04 工場(茶屋)

労働者階級に属する男の、夢の中での『意識の流れ』が書かれた作品。日々の生活における様々なものを主人公の主観で連想ゲーム的に表現されています。あるいは目の前の仕事や生活における現象を、奇妙な想像力で捉えながら書かれた面白い作品でした。
様々な意味づけを行えるようにも書かれていますが、それが明確に何を意味するのかは判りません。
個人的な感想になりますが、夢の中の話としない方が不気味な迫力が増したかもしれないと感じました。夢の中の話であると説明されると、その世界が奇妙であるという説明が事前になされ、奇妙さで成立された世界ということに読者が納得してしまうように思います。この辺りは読者の捉え方次第、どちらがいいかは好みかも知れませんが、それが私たちの現実でも不思議なものに見えるかもしれない、不気味な現象が起こるかもしれない、という怖さがあった方が、作品自体に恐ろしい迫力が出るように思えるのです。私たちの生活が不気味なものに浸食されているのだという恐ろしさが。

(もちろんストレスなどで精神的に病んでしまった男が夢の中で見る、仕事や生活に対する嫌な部分が、ピンポイントで恐ろしい現象に拡大されて、それを追体験しているという風に読んでも、面白い作品であることは間違いないです)


No.05 ホロウ・ストーリー(木下季花)

自作


No.06 キカの悲歌(木下季花)

同上

No.07 あなたのことがみえなくて(犬子蓮木)

とても犬子さんらしい作品で、透明であるからこそ、美醜を気にせずに、言葉のやり取りと触れ合いだけでコミュニケーションを取るという、まさに犬子さんが得意とする人の純粋さを大切にする小説だと思いました。タトゥーで人を識別するという設定がちゃんと生きて、最後の一文が綺麗に物語を終わらせている辺り、上手いなあと唸らされました。


No.08 空転言語生滅演説(ra-san(ラーさん))

うーん……何と言えばいいのでしょうか。個人的にすごく好きなのですが、面白く感じなかった、という複雑な感想になってしまいます。
その言葉たちがどれだけ意識的に選ばれたのだろう、練られたのだろう、それが読み手の感性に結びつくように整然と、面白味を持って各文章が配列されているだろうか、ということはあまり考えずに読み終わってから思った程度ですが、しかしながら作者のたくらみと、小説自体の面白味があまり分からずに終わってしまいました。

意識的にやられているのか、知らずにその手法に行き着いたのかは分かりませんが、バロウズが得意としたカットアップ手法を試みたのだと思います。バラバラに解体されたそれぞれの単語や文章を使って、パズルのように文章を組み立てていく。デタラメにも思えるように言葉を繋いでいって、何か大きな表現へと昇華させる。私はそういう試み、ものすごく好きなんです! 私自身もネットに発表した事はありませんが、何回か試してみて、書いていてとても楽しかった記憶があります。だから、こういう小説を作る気持ちはすごく分かるんです。私も、こういう小説大好きですから。 
ただ(あくまで私の感想になりますが)、組み立てられた言葉が最後まで像を結ばない、ただ奇妙な繋がりで終わってしまっている。いや、バロウズもそのような部分がありますし、読む人によってはバロウズのカットアップも、意味分からないものとして読めてしまいますから、この手法自体が小説として構成するのがとても難しい物だと思うのです。強烈なセンス、言語感覚、構成力が求められるのだと思います。ラーさんにその力がないと言いたいわけではなく、この手法だけで小説を表現するのはとても危険な事だと思うのです。

それでもこの小説の中には、

>>布団をかぶったR2-D2が「パタヤビーチに行かなければ」と叫ぶのにも似た善行
>>そこは完全無欠たるパチンコが、エルドラドを語る土地
>>ポリエステル100%の金剛界曼荼羅に磔けられたイエス・キリスト
>>墜落するガラパゴスゾウリクガメにも似た絶望的感動

などの、とても面白い表現があるので、突き詰めていけば、時間をかけて厳選したり、何かコンセプトがあったりすれば、もっと面白い小説になると思うのです。(確か、口ロロというアーティストの、電車のアナウンスをカットアップして作った『Tokyo』という曲がとてもユニークでした。何かを切り崩して再構成するような、ある特定のコンセプトを元に表現しても面白いかもしれないです。例えば電車のアナウンスでなくても、新聞の文章をカットアップして変な記事を作ったり、ゲームの説明書をカットアップして変な説明書を作ったり、メールの文章を切り貼りして、全く別の意味になる文章を作り上げたり)そのようなアイデアで膨らませていくと、読み手にとっても親しみやすくなるような気もするのです。
と、長々と偉そうにすみません……。そんなことお前に言われたくないんだけど、とお怒りになられるような感想ですね……。ラーさんの作る世界観に勝手に口を出し過ぎました。
それでも、やはりとても好みな小説でしたので色々と思った感想を好き勝手に書かせていただきました。読んでいて幾つかのスマッシュヒットを感じましたし、とても面白い表現があって、驚かされた部分が多かったです。


No.09 おおきく空振って(大沢愛)

相手の人間性を見、どうすれば力のない自分がギュラーになれるだろう、そしてそれにレギュラーとなってからどのように立ち回れば地位を維持できるだろうと、様々に考えることで乗り切っていく主人公の生き方が面白かったです。
恐らくスポーツ小説は、登場人物を多く書き分けなければならず、一人一人に分かりやすいキャラクター付けをしなければならないので、それを勢いよく書きあげたのは本当に凄いと感じました。
ただ、負けを追求する彼らの美学の『核』がこちらに見えなかったことと、そして主人公たちがあのようにあっさりと感化されるだろうかということに、少し疑問を抱きました。そこが奇妙だと言えるのかもしれませんが……。しっかりとしたリアリズムで書かれているだけに、そこの奇妙さがいきなりリアリズムから大きく外れてしまっていて、妙な違和を感じてしまいました。彼らの信念とそれに感化される者たちを、奇妙さで片付けていいものなのか……、一般とは違うことに真剣に取り組んでいる人を、奇妙だと表現してしまっていいのだろうか、と。もちろんそれだけ中盤までを抽象的な表現ではなく、しっかりと人物や思考などの描写をリアルに書けているということでもあるのですが……。
すみません、野球にほとんど触れたことのない者の感想ですので、その辺りは野球をやっている人だと、また違った視点からの感想が浮かんでくるように思います。

それでも主人公が自分以外の者を観察しながらその都度、適切な采配を考えて、他人を押しのけながら地位を得ていく。この物語の主軸はとても面白かったです! 


No.10 (時間外)超人ユキ子の一生(ほげおちゃん)

身に余る超人的な力を描く作品は大抵、悪意や欲望に直結したものとして書かれるけれど、これは人と人を結びつけるために、そして孫を喜ばせるために与えられた運命のように書かれていて面白かったです。
超人的、あるいは超心理的な能力を得たら、たとえその人が理性を抑えられる人であっても、善良な人であっても、いつかはその力を使ってしまうように思うんです。それが悪い事であっても善い事であっても。
書き手側の視点で言えば、その超人的な力を主人公に設定して物語を書く時、絶対に物語を動かすために設定されているというのが普通だし、能力を中心としたトリック、バトル、不思議な力に振り回されてしまう人、不思議な力を何かに使ってしまう人、そのような読者を引き込むための狙いの為に、あるいは自らの物語の道具の為に書かれることが多いと思うんです。でもこの作品はそういう狙いを考えていなくて、それがとても新鮮で面白かったです。ゆき子の奇妙さよりも、その作品の構成的な奇妙さの方に私は惹かれました。穿った読み方をすれば、ヒーロー物へのアンチテーゼとも読めるような気はします(力を使うことよりも日常の触れ合いの方にこそ幸せと平和があり、戦いを通さずにそれを伝えるべきだ、みたいな)。あるいは、全てがゆき子と竹内姉妹が出会うために運命的に発動された、ほんのわずかばかりの奇跡的な歯車としても読めます。竹内姉妹とのその後も大して描写がされずに、まるでその場面だけが、彼女の人生のハイライトであったかのように、呆気なく彼女の晩年が描写される。個人的にはすごく面白いな、と思いました。


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  【投票】: No.04 工場(茶屋)
  気になった作品:No.01 能無し(合間ぽてこ)
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ほげおちゃんが言っていたことと一緒なのですが、私もミステリアスな不気味さ中にある種のリアルが想起されるような作品、人間の不気味さが描かれたような作品が、『奇妙な話』として面白いなと思っていて、その中で私の思う『奇妙な話』という概念にぴたりと嵌まったのが茶屋さんの『工場』でした。
日常生活における嫌な事、そして我々が生活するに欠かせない仕事というものを、とても不気味に書いておられて、工場同士が戦うというのも、ノルマばかりが増えて現場の工場員は死ぬかもしれないくらい苦しい思いをしているのに、上層部は利益を増やすために他の地区の仕事まで奪おうとしている、そんな比喩に見えました。いや、いろいろな想像が出来るような作品だと思います。労働者の苦しみや生活におけるちょっとした嫌なこと、疑問に思うことが、とても奇妙に描かれていたように思いました。リアルさと奇妙さがいい具合に混合して作品に現れていたと思います。

合間ぽてこさんの作品は、理屈とかそういうのではなくて、感覚的に面白いと思った作品です。一覧の中で最初に読んだのですが、全作品読み終わってみても、『脳無し』ってなんか面白かったなあ、と印象深かったです。
よく解らないけど、死んでしまう男が多くのレジスタンス、狂気の意識に火をつけた、というある意味ではぶっ飛んだ設定が滅茶苦茶好きでした。

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なんとまさかの同点優勝でした!

No.01 能無し(合間ぽてこ)
No.09 おおきく空振って(大沢愛)

おめでとうございます!
次回はお題二つのどちらでも、ということでいいかな(-_-...

優勝者の方は、5/1(金)ぐらいまでに本コメント欄に次回お題の投稿をお願いします。

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2015.04.26 00:42
大沢愛 @ai_oosawa
【BNSK】品評会 in てきすとぽい season 12・お題
―「私はその人を常に先生と呼んでいた」(夏目漱石『こころ』)
お題は「わたしの好きな先生」。
尊敬する、人生を決定づけられた、もちろんLOVEでも。
「わたし以外の誰もが嫌っていた」先生でも、「わたし」が好きなら可で。
学校の先生でなくても、「わたし」が先生と呼べるひとならOK。
もちろん「年下の先生」だってアリです。

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2015.04.28 09:12
合間ぽてこ @aima_imoco
二つ目のお題は「トゲトゲ」。
山嵐のように目に見えるトゲトゲでも、目に見えないトゲトゲでも構いません。
また、トゲトゲを登場させずとも、「トゲトゲっぽさ」が出されていれば可です。
作品内で「トゲトゲ」を表現して下さい。



ネタバレを含む


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