【BNSK】品評会 in てきすとぽい season 6主催 : ほげおちゃん



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ずっと私の隣にいてくれませんか、と言いたかっただけ
君が言ったナッツは遠い幽冥の中、騒乱に消えてった打ち上げ歯並び
銘菓、幻の恋人
不完全なラブレターと、歯と共に眠る
isn't she lovely
若者たち
あの暑い夏
権兵衛の決断
たとえアナタがいなくても
実直な男
近未来「次世代整形」オムニバス
幻の少女



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2014.09.07 00:07

投票期間:09/07 (日) 00:00 ~ 09/13 (土) 23:59
集計発表:09/14 (日)

No.01 ずっと私の隣にいてくれませんか、と言いたかっただけ(犬子蓮木)
http://text-poi.net/post/sleeping_husky/30.html

No.02 君が言ったナッツは遠い幽冥の中、騒乱に消えてった打ち上げ歯並び(茶屋)
http://text-poi.net/post/chayakyu/80.html

No.03 銘菓、幻の恋人(碓氷穣)
http://text-poi.net/post/_latefragment/27.html

No.04 不完全なラブレターと、歯と共に眠る(木下季花)
http://text-poi.net/post/kika_kinoshita/8.html

No.05 isn't she lovely(木下季花)
http://text-poi.net/post/kika_kinoshita/9.html

No.06 若者たち(すずきり)
http://text-poi.net/post/tamamogari/2.html

No.07 あの暑い夏(如月恭介)
http://text-poi.net/post/KyouskeKisaragi/3.html

No.08 権兵衛の決断(しゃん@にゃん革)
http://text-poi.net/post/syan1717/46.html

No.09 たとえアナタがいなくても(三和すい)
http://text-poi.net/post/miwa_sui/30.html

No.10 実直な男(ドーナツ)
http://text-poi.net/post/donut_no_ana/2.html

No.11 近未来「次世代整形」オムニバス(muomuo)
http://text-poi.net/post/muo_2/13.html

No.12 幻の少女(ほげおちゃん)
http://text-poi.net/post/hogeochan_ver2/14.html

皆さん投稿ありがとうございました。

感想や批評があると書き手は喜びますが、単純に『面白かった』と言うだけの理由での投票でも構いません。
毎回作品投稿数に対して投票数が少ないので、多くの方の投票をお待ちしております。
また、週末品評会では投票する作品のほかに気になった作品を挙げて頂き、同得票の際の判定基準とする方法をとっております。
ご協力ください。

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たくさんの方の投票をお待ちしています。

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2014.09.08 23:28

本スレの感想&投票を転載します。

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2014.09.08 23:28

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
No.01 ずっと私の隣にいてくれませんか、と言いたかっただけ(犬子蓮木)
http://text-poi.net/post/sleeping_husky/30.html

「幻の恋人」というお題は個人的に難しかったのだけど、なるほど、こういう物語もあるのかと示した作品。
が、私にはどうしてもこの軽い主人公に好感を持てなかった。本当に好きだったら、男性に対してもっと臆病であるべき。最後の展開ね。
男性の立場から見て主人公が一体何を考えているのかよくわからないし、そのくせイニチアシブとろうとするんだから絶対イライラするぜ。
そんなふうに積もり積もった男性の怒りが爆発して、最後にはろくでもない終わりになりそう。
私的には、そのあたりまで突っ込んで書いてほしかったなあと。
そういう方面で力を発揮する作者だと思っているので、余計、ね(´・_・`)

No.02 君が言ったナッツは遠い幽冥の中、騒乱に消えてった打ち上げ歯並び(茶屋)
http://text-poi.net/post/chayakyu/80.html

最初のDATEIF文には笑ったわ。
けどこれ、彼氏いたことがあろうがなかろうが結果が変わらない式になってしまっているんだよな。そのあたりはもう少し拘りがあってもいいんじゃないかと。
今の「とりあえず思いつきましたー!」感も嫌いじゃないけどね。
勿体無いのは、この作者の作品には毎回言っている気がするけど、設定の説明が主であまり物語になっていないんだよな。
モノローグを使わないという縛りをつけて一回作品を書いてほしいな。

No.03 銘菓、幻の恋人(碓氷穣)
http://text-poi.net/post/_latefragment/27.html

あれ、これ幻の恋人関係あるか……?
もしかして「白い恋人」と掛けてるのかなこれ、と思ったけど、調べてみたら「幻の恋人」ってお菓子あるんだ。ふーん、みたいな。
……いや、なかなかコメントが難しいなこの作品は(・_・;
単に「幻の恋人」というお菓子を使ってみた推理小説と考えていいのだろうか。なんだろ、それだともう少しトリックに工夫があってもいいと思うし、ようするにどういう方面で解釈していいか迷う作品である。

No.04 不完全なラブレターと、歯と共に眠る(木下季花)
http://text-poi.net/post/kika_kinoshita/8.html

私が今回のネタをまったく思いつかなかったとき、とりあえず他の人の作品を読んでみようと思って真っ先に読んだ作品。
あー、なるほど、こういう系もあるなあと少しヒントになりました。
で、この作品自体の感想なのだけど、どうやら作者はモノローグ的に話を進めていって、少しずつ主人公の異常性を明かしていくというのが一つのスタイルになっているようだ。文体はとても読みやすく雰囲気があり、あとはその異常性にどこまで興味を惹かれるかというところ。
残念ながらこの作品には、私はあまり惹かれませんでした。
というより、何故か意味のない嘘をつくというキャラクター自体は楽しい。私も経験があって、どのようなときに人が騙されやすいかたまに研究したりする。
だけど本作品ではその嘘をつくことに理由をつけてしまったことで、せっかくのキャラクターが死んでしまったように感じた。
というより、ぶっちゃけ話の流れからすると最後のは後付けに近い気がしたのだが、どうなのだろう。
もしこの結末が後付けでなく最初から練られたものであったならば、まず結末の話を最初に持ってくるべきだったと思う。
主人公がなぜ嘘をつくのか、ではなく、嘘をつくことでどのようなことが起こっていくか、という方向で書いてほしかった。

No.05 isn't she lovely(木下季花)
http://text-poi.net/post/kika_kinoshita/9.html

これもNo.04と同じくモノローグ形式なのだけど、ちょっと最初のほうでいっぱいいっぱいになった。
発想の豊かさに関心を払うのだけど、おそらくこのまま大したことが起こらないまま終わるんだろうという予感がして、実際そのとおりに終わってしまうのが残念。
なんというか、もっと頭使えるはず(´・_・`)

No.06 若者たち(すずきり)
http://text-poi.net/post/tamamogari/2.html

私は例のドラマを見ていないのだけど、この作品のタイトルはやはりそこから取ったのだろうか。
個人的にこの小説は少し残念。
というのは、書きたいテーマがあるし、実際に書けているように思えるのだけど、「うーん、なんかなあ」という印象が残る。
石って何のために出したんだろう……てっきり石がスミをハメたのだろうと思ったけれど、そうでもなさそうだし。
夢を追いかけている主人公が女性の色香に惑わされるシーンはすごく好き。人間ってそういうもんだよ。

No.07 あの暑い夏(如月恭介)
http://text-poi.net/post/KyouskeKisaragi/3.html

彼女可哀想だなあという印象。
これがリアルの話だったら思うところはあるのだけど、創作だからなあ。
もう少しドラマを見せてほしいと思いました。

No.08 権兵衛の決断(しゃん@にゃん革)
http://text-poi.net/post/syan1717/46.html

あれ、結構真面目じゃね……?
ビルマの竪琴の主人公ってミズシマだっけ。全然覚えてないや。
七十年の歳月を経てビルマに戻ってきたのだけど、なぜビルマに惹かれたのかその理由が少し浅いと思いました。
というか、短編でそれを書くのは尋常ではない。
わたし軍医の自伝読んだけど、暑いから早く治療しろってお股パカパカしていた売春婦がいたり、性病でちんちんが半分千切れた青年に出会ったり、壮絶だった。
「あれ、これ足切らないと全身壊死すんじゃね? けど怖いから様子みよ」→「手遅れだったわ!」みたいな。
単にエピソードの不足というものもあるけれど、何時間も本を読んで脳が疲れた先に訪れるもの。
そういう感覚を短編で得るのは非常に難しいと思うんだよねえ。

No.09 たとえアナタがいなくても(三和すい)
http://text-poi.net/post/miwa_sui/30.html

こういう作品を見るたび思うんだけど、まったく姿形の違うものを愛するってかなり難しいことなんじゃないかな。
例えば犬や猫となら両想いになる人間はいるかもしれないって考えるけど、虫やクラゲになると「いや、ねーだろ」っていう気がするんだよね。もう根本的に生物として違うじゃん。
クラゲみたいな格好のくせに人間みたいな考え方をしているって相当ファンタジーな設定で、そのあたりをもうちょっと練ったほうがいいんじゃないかと私は思いました(´・_・`)

No.10 実直な男(ドーナツ)
http://text-poi.net/post/donut_no_ana/2.html

170cmそこそこって普通の背丈じゃない?
ひとまずそれは置いといて。世の中の多くの人は、自分が何故そのような行動に至ったかをうまく説明できずにいる、と私は考えている。
女装すると自由になれる、というのはその典型じゃないかな? と思うのだけど、どうだろう。だって単に自由になりたいなら他に方法がある気がするんだよね。
なぜ女装を選んだのかと、それにより具体的にどのような感情を得たか。もっと掘り下げていいと思う。
あともうちょっと、登場人物をうまく使ってほしいと感じた。探偵の領域外にしても、やはり結末がどうなるかの示唆は欲しいところ。

No.11 近未来「次世代整形」オムニバス(muomuo)
http://text-poi.net/post/muo_2/13.html

これが今回のベスト。ありがとうございました。
短編が三本あって三本とも面白いのだが、後の作品のほうがより面白いところがいいね。
二本目の作品は女性に対して思うところがなかったわけではないけれど、主軸はあくまで男性に置かれているので、男性の目線に立って「彼女はどのようなことを考えていたのだろう」と考えさせる作りになっているね。
三本目は単純にお話として好きだ。百年の恋も冷める瞬間ってきっとあるんだよね。遠く離れたときに、「こいつって何て勝手なんだ」と思うことある。相手には相手の事情があるのは分かっているんだけど。

No.12 幻の少女(ほげおちゃん)
http://text-poi.net/post/hogeochan_ver2/14.html

……(´・_・`)
なんか散々言っておいてコレっていうのがどーもね……
正直ゼロフィニッシュも覚悟しております。
残念なのは、最後の最後のほうになって色々アイデアが出てきたけど形にできなかったこと。

 ***********************【投票用紙】***********************
 【投票】:No.11 近未来「次世代整形」オムニバス(muomuo)

 気になった作品:No.06 若者たち(すずきり)
********************************************************

次点はNo.02。
BNSK側の投稿が少なくて心配してたけど、少し前のレスによるとてきすとぽいに直接投稿している人が多いのかな?
じゃあ多分大丈夫かな。うん。
次回はさすがに、というかちょっとマンネリ気味なのでもっと気合入れて書かないとね。
やっぱりプロの作家さんってすごいわ、と思った今日この頃。

※ 作品のネタバレを含む
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 彼氏について様々な角度から論じていて面白かったです。
 あと猫は良いです。

 論じている内容の変わり目で1行あけた方が読みやすいかなと思いました。

一覧ページ返信コメント
2014.09.10 05:52

※ 作品のネタバレを含む
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 確かに姿が違う相手を愛するのは難しいですね。
 彼女が彼を連れて行けない理由がうまく思いつかなくて、姿を違うことにしてみたのですが、他の理由も考えてみたいと思います。
 ご指摘ありがとうございます。

一覧ページにコメント
2014.09.10 16:26

独りよがりな内容になっていたようで反省しました。
真摯なご意見ありがとうございました!

※ 作品のネタバレを含む
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恋愛に憧れているという感じの主人公が可愛らしいと思いました。
現実の男に幻滅するかもしれませんが、頑張ってほしいです。

※ 作品のネタバレを含む
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男性であれば現実にも見かける独白ですが、女性と言うのが面白いなと思いました。

『銘菓、幻の恋人』にコメント
2014.09.10 17:52

※ 作品のネタバレを含む
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「幻の恋人」という語は、お土産のお菓子っぽいなと自分も考えていました。
ですので、やられた感でいっぱいです。

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
嘘と支配というのは切り離せないなと思いました。
主人公は、事実を把握している自分を騙すことができずに苦しんでいるのでしょうか。

『isn't she lovely』にコメント
2014.09.10 18:13

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
ティーンエイジャーと思しき兄の語り口が楽しいですね。
妹は年齢の割に利発ですが、異常ではないかなと思いました。

『若者たち』にコメント
2014.09.10 18:17

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
現代より二、三世代前の時代が舞台なのかなと思いました。
進むべき未来の見えない主人公の青春特有の苛立ちが伝わってきますね。

『あの暑い夏』にコメント
2014.09.10 18:19

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
あの時こうしていたらというのは人生では許されないことですが、主人公は忸怩たる思いがあるのだろうなと思いました。

『権兵衛の決断』にコメント
2014.09.10 18:23

※ 作品のネタバレを含む
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ナンセンス小説なんでしょうか。
こういうの楽しくていいですね。
戦争のお話が出てきたのでメタファーなどもあるのかなと思いました。

『たとえアナタがいなくても』にコメント
2014.09.10 18:26

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
異種婚譚の趣のあるお話ですね。
女性側の決断は、きっぱりしていて気持ちがいいと思いました。

『近未来「次世代整形」オムニバス』にコメント
2014.09.10 18:29

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
最初のお話は、この技術が寡占されているのか、複数の企業が参入しているのかで印象が違いますね。

『幻の少女』にコメント
2014.09.10 18:36

※ 作品のネタバレを含む
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良い人だなと思っても愛せるものではないので、二人の成就は難しいのかなと思いました。

『権兵衛の決断』にコメント
2014.09.11 22:36

※ 作品のネタバレを含む
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 今回は真面目な話だと思って読んでいたので、最後に不意打ちを食らいました。

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
つらつらと考えるだけなのはちょっと好みではないのですが、猫教の教会はどこにあるのでしょうか。

『銘菓、幻の恋人』にコメント
2014.09.13 16:27

※ 作品のネタバレを含む
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鑑識で調べればわかるようなものだと謎にならないような気がします。執事さんはなんで「お菓子」に入ってると嘘を先に言ったのでしょう。よくあるものだと本人しかしらない「真実」をぽろっと言っちゃうというのはありがちですが、嘘を言っちゃうのはなにか変なような。それとその「お菓子にはいってる」という最初のセリフが誰のものかがわかりにくいような気もしました。

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
動物が死ぬ話は苦手です。すみません。

『isn't she lovely』にコメント
2014.09.13 16:45

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
おもしろかったです。投票しました。なんかこのお兄ちゃんのほうが頭おかしいんじゃないかという感じがすきです。

『若者たち』にコメント
2014.09.13 17:06

関心票を入れました。静かな感じが好きな作品でした。

『あの暑い夏』にコメント
2014.09.13 17:17

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
人が死んで悲しいというタイプの話はあまり好みではないです。もう少し展開というか主人公になにかほしいかなと思いました。

『権兵衛の決断』にコメント
2014.09.13 17:41

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
真面目な雰囲気なままの話がよかったかなと思いました。

『たとえアナタがいなくても』にコメント
2014.09.13 17:46

このさきの未来が読みたくなるようないい話でした。投票しました。

『実直な男』にコメント
2014.09.13 17:54

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
おもしろいとは思うのですが、なにか伏線的なものがほしかったような感じがしました。オチがあって「そうだったんだ」というだけで終わってしまった感じなので、それにプラスして前にそのオチを匂わせるようなものがあって、「あれは、そういうことだったのか!」というような読後感がほしいかなと。

『近未来「次世代整形」オムニバス』にコメント
2014.09.13 18:07

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
いろいろな技術の話がおもしろかったです。ただちょっと短い中に詰め込み過ぎな気もしました。関心票を入れました。

『幻の少女』にコメント
2014.09.13 18:11

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
関心票と迷いつつ投票にしました。お題の使い方が今回の中では一番好みでした。作ってる少年側の視点でも読んでみたい感じです。

『実直な男』返信コメント
2014.09.13 19:09

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
話の背景について説明不足の面や作りこみの足りないところがあるようですね。
今後は、ご意見を参考に書いていければと思います。
ありがとうございました!

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2014.09.13 21:11

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
感想転載

簡単ですが全感をば。

1
ストレートな恋愛ものといった感じですね。
ただ、ストレートすぎてキャッチーさがないというか。

2
恋人って何だ?みたいな問いに対し、ひたすら主人公が小難しい(ように見える)思索を繰り広げてるわけですが、
これだけで一作品に仕上げるのは厳しかったんじゃないかなあ、と。
結局彼女のキャラクターが見えないんですよね。まあ、見せようという小説じゃないからなんでしょうが。
それと、タイトルはなんでああなったのでしょう?「ダメそうだな」と思われるようなタイトルはそれを裏切れないと付けちゃいけないんじゃ。

3
すがすがしいほどテーマを無視してきやがったな、と。まあ、それもいいんですけど。
典型的ミステリーですが、ちょっと典型的すぎるんですよね。
多かれ少なかれ「犯人は誰だ」的な要素があるとなると、びっくりするようなトリックとか、探偵役の物凄い洞察とか、そういうのを期待してしまいます。
あと、本文中には問題の台詞を執事が言ったと明記されてないんですよね。もしかしたら真犯人は別に?ということを考えたのは楽しかったです。作者さんの意図ではなさそうですが。

4
昔好きだった人が死んだ→そこから嘘で固めるようになった、というロジックは上手いですし、淡々とした文章もある種の恐ろしさを感じさせます。
ただ、犬を殺すくだりがちょっと分からなかったです。主人公の感情が普通じゃないという描写なのでしょうか?


5
うーん、伝えたいメッセージが掴めない。

6
品評会的には「勝ちやすそう」な作品だなあ、とか思ってしまうのは私がひねくれてるからですが、上手くまとまっていると思います。
文体も舞台の近代日本とよく合って雰囲気を作っています。
内容的には、きちんと知的好奇心のためにどうすべきか?というテーマを消化していると思いました。Kが、向上心のない奴は馬鹿だ、と言ったのを思い出します。
最後の「 私は実家に洋雑誌を乾かしたまま、置き忘れてしまった事に気がついた」というフレーズだけ、なんか説明調で浮いている気がしましたが。

7
なんというか、物語が薄い、という感じがしてしまいます。ありがちな感じもしますし。
この短い中に内容を詰め込めとは言いませんが、もっと独特な雰囲気を作るとか、感情の揺れを描くとか、そういうことを期待したいです。

8
この人のこのシリーズは品評会の定番になりつつありますねw
ビルマの竪琴をちゃんと見たことがないのでコメントしづらいです。

9
良く掛けた短編、って感じがします、前半の男のパートは「幻の恋人」というテーマド直球でありつつも惹きつけられるものがありました。
後半にありきたりではないSF設定がぶち込めれば素晴らしいのですが、そこまでもとめるのはさすがに酷でしょうか。

10
>>131にもありますが、170の男って全然小柄じゃないですね。
「兄は小柄で女は大柄」という情報を出すための文言なのでしょうが、一般的な感覚と違う以上、わざとらしさを感じます。
それに一度に情報がでるのでそこでネタが割れちゃうんですよね。兄が小柄なことを別の場所でしれっとだして、
「そういえばそうか!」みたいに思わせるのがミステリーのテクニックなのかな、とか思いました。
喫茶店のマッチのくだりもちょっと不自然に感じました。全体的に作り物っぽさがあるように思えます。

11
おお、これは。
各2000字くらいの短編でここまで読ませるとは。
これについては、もう1回しっかり読んでからじゃないと感想書けないなあ……

12
手堅く上手いですね、ほげおさんは。この人も勝ちやすいタイプだなあ、とか思っちゃいます。
読みやすい文章+青春モノ、っていうスタイルがマッチしているんでしょうか。
武藤君、他クラスから見に来られるレベルのイケメンだったらそこまで特技とか無くてもモテんだろ……とかちょっと思いましたが。


***********************【投票用紙】*********************
 【投票】:No.11 近未来「次世代整形」オムニバス

 気になった作品:No.06 若者たち, No.12 幻の少女
********************************************************

一覧ページにコメント
2014.09.13 21:17

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
感想転載

感想転載


No.01 ずっと私の隣にいてくれませんか、と言いたかっただけ(犬子蓮木)

このような、ユルい感じのラブコメ好きです!
漫画などでよく使われる設定である、「恋人のふりをして」という始まり方も、王道ですが好みです。

ただ王道であるがために、よくある展開に終始してしまい、そのまま最後まで行ってしまったと言うのは残念です。
女性が時として見せる理不尽さ、我儘な恋心というのはリアルで、上手に表現できているように思うのですが、
漫画と違って絵で見せる可愛らしさというのがない分、文字で表す主人公のキャラクターが弱いかなと思ってしまいました。
やはりラブコメは男の子や女の子のキャラクター性が読者を惹きつける大きな要素となってくると思いますので(もしかしたら偏見かもしれませんが)
その部分で女の子の可愛らしさ、男の子カッコよさ(若しくは可愛らしさ)をもう少し表現できていたらなと、
我儘な読者のような感想を抱いてしまいました。

読者をキュンとさせるような演出、あるいは読者をドキドキさせるような演出が小説の中に巧く仕掛けられていたら、
ラブコメとしてもっと面白くなるのでは無いかと思います。

でも、本当にこういう女の子いると思います。そのあたりはとてもリアルで、私は少し笑ってしまいました。
好みの小説だと言うことは、はっきりと述べておきたいと思います!



No.02 君が言ったナッツは遠い幽冥の中、騒乱に消えてった打ち上げ歯並び(茶屋)

お題に対するアプローチの仕方はとても好みです。
何と言うのだろう、自分の語彙が貧弱なのでうまく表現は出来ませんが、恋人を科学的な事象として(?)書き進めていくと言うアイデアは
実験的で面白かったです。
その試みはとても面白かったのですが、やはりそれのみで、この書き方は好きなのですがこの作品を推せるほどの特別な『何か』というのは感じ
られませんでした。



No.03 銘菓、幻の恋人(碓氷穣)

私は推理小説をほとんど読まないから分からないのですが、お菓子に毒が入っていると執事が明言している描写が事前に書かれてないので、
種明かしでいきなり答えが提示されたように思ってしまいました。推理小説ではこのようなトリックが当たり前なのでしょうか。
私なんかはすっかり騙されて(というか推理小説を推理しながら読む習慣がないのですが)しまいました。

うーん、個人的に推理小説に触れてこなかったので、あまり批評は出来ません。
なのでただの感想になってしまうのですが、何となくの証拠で毒が入っていないと決めつけお菓子を全部食べてしまったり、
証拠としては少々弱いかもと言ったり、確証がないのにカマをかけて自白させるようなタイプの探偵は、
いつか大きな失敗をしそうだなあ、と思いました。
いや、それは私が推理小説に触れてこなかったから、ひねくれるようにそう思っているだけなのでしょうけれど……。



No.04 不完全なラブレターと、歯と共に眠る(木下季花)

自作です。プロットを書かずに書き始めたものだから、構成の仕方が悪いです。
直そうと思っても、1から作り上げることが出来ず、このままになりました。反省です。
個人的には気持ちが入って書けたのですが、うーん……9000字におさめるには大きすぎるテーマを扱ってしまいました。
書き足りないところがいっぱいあります。
というか、掌編なのだから、もっと書き方があったのだと思います。それかそれにふさわしいテーマを選択するべきでした。

書き上げた当初は稚拙な作品にしか思えませんでしたが、
時間を置いて読んでみると、冷静に読め、良い部分と悪い部分がなんとなく自分でもわかるようになりました。次に生かします。


No.05 isn't she lovely(木下季花)

自作。



No.06 若者たち(すずきり)

かつての時代の若者を描いた作品。確かにタイトルはピッタリですね。余計なひねりが無くて好みです。
傘をコウモリと言ったり、ちょっとを一寸と書いたりというのが、雰囲気が出ていました。

批評と言うよりも感想になってしまうと思います。
最初に情景描写が続いて、少し物語に入りにくいとは感じましたが
読んでいるうちに小説に没入し、読み終わった後は心地よい読後感を味わうことが出来ました。
いつの時代も自らの境遇に悩み、環境を呪い、自由を求めようとする若者が大勢いますが、
その葛藤を過剰に描くのではなく、静謐な雰囲気で書ききったと言うのが良かったです。

最初の場面で、詩的な言葉を多用して風景描写を続けたのは、やはり読みにくかったです。
そこだけは、作者のエゴが見えた気がして(あくまで私の感想ですが)、もっと引っ掛かりの少ない
読み手を意識的に留まらせない表現の方が良かったのではないかな、と思いました。

鋭い表現をしようとせずに、主人公の何気ない心情を描きながら物語に入らせる方が、私には良いように思われました。

中盤からは、会話の間や、沈黙の空気感、それぞれの何気なくも心情を表した動作
>>私は茶の水面ばかりをじっと見つめ、彼女は掛け軸の方をじっと見つめていた。
などが入っており

それから
>>再び室内はしんと静まる。ほとんど不意打ちのような質問に、私は口をつぐんだ。今する返答が、どれほどの重みを持つ
のか、計りかねた。
などの緊張感を表した一文などが効果的に入っていて、作品の雰囲気がしっかり作られているように思いました。

こういう物語は良いですね。きっちり小説を読んだ、という気分に浸れました。

一覧ページにコメント
2014.09.13 21:17

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
感想転載2/2

No.07 あの暑い夏(如月恭介)

このような理不尽な事故で恋人を亡くされると言うのは、やはりとても悲しいものです。
しかしこの小説は淡々としすぎていて、ニュース番組などで軽く紹介される不幸な人の話、という印象を持ちました。
主人公の喪失感や、深い悲しみが見えてきません。
決して悪い作品ではないのですが、悲しい物語であるのに、どうにも主人公あるいはヒロインに感情移入するほどの情報が与えられずに、そのまま終わってしまった印象を受けました。
主人公の葛藤や、彼女を失くした時の悲しみ、あるいは彼女が亡くなってしまうまでのドラマティックな展開が見たいなと思いました。



No.08 権兵衛の決断(しゃん@にゃん革)

真面目に語る文体の中で、唐突に幼稚な口語体が出てくる表現は、正直気になります。それに作者が頼ってしまっていると言うか、
もちろんそれが味でもあるのだろうけど、まったく作品の中で生きていないように感じます。上滑りしているような。
それと唐突に挟まれる現代ネタも駄目です。もっとまじめに書いてほしかったです。

しかし、私は今回の中でこの作品が一番好きかも知れない。というか、好きです!
一人の人間の人生のハイライトを、2500字ほどで読ませるのはなかなかにすごいことだと思います。
最後の場面がとても良いです。ちょっとふざけた感じに表現しているのは作者の照れ隠しなのか、それとも癖なのかは判別できませせんが
ボケてしまって間違った場所に連れていかれようと、最後まで自分の中に存在し続けたかつての思慕に浸って死を受け入れる瞬間、
場所がどこであろうが、自分の中で愛した女性は常に自分の中で暖かい宝物として存在し続けるのだ!
その一瞬の煌びやかな思い出さえあれば人生がどんなに悲惨であろうが、幸せであれるのだ!
となんだか格好いい終わり方に私には思えて、ああ、しゃんさんってこういう小説を書く人なのか、と驚かされました。
今までの作品は私の固定概念のためか作者の意図を理解できないこともありましたが、今回の作品は素晴らしいです。


ここがあんたの目指した場所さ、という台詞の哀愁もいいと思います。
主人公が最後にたどり着いた場所が、発達してしまった日本の街だと言うのがいい皮肉になっていると思います。
どんなにボケていても、愛する人のことは忘れない爺さんのかっこよさが、私にはなんだかグッときます。
間違った街の真ん中で骨を埋めると言う終わり方と共に、そこになんだか強烈な皮肉が込められているような気がするのです。


No.09 たとえアナタがいなくても(三和すい)

設定としては星新一さんが描くショートショートに似ているのだけれども、より主人公の感情に接して描き、
ドラマティックにしたような作品で、面白く読み進めていきました。

ただ個人的な感想になってしまうのですが、意図的に淡々と描かれたのか、女性側の感情があまり強く伝わって来ませんでした。
男性との愛の日々を表すエピソードがもう少しあれば、この女性の苦しみがもう少し理解できるような気がするんだけれどなあ、
という歯がゆい思いが、読後の感想として残ってしまいました。
どうして彼を好きになったのか、もう少し詳しく知りたいな……と。

それに、やはり恋人を殺しておいて感情が爆発することもなく、『たとえアナタがいなくても、私はアナタだけを永遠に愛し続ける』
と、(ある意味では主人公が嫌っているきれい事で)納得してしまう終わり方も、少し呆気ないかなあとは思いました。
異星人だから地球人と感情の表れ方が違うのかもしれませんが、もっと悲しみが表れてもいいんじゃないかと思います。
もちろん読み手の好みに過ぎないと言い返されてしまえば、返す言葉はないのですが……。

仕事のために感情を抑え、淡々とこなしていかなければならないのは解りますが、婚約をしないと自ら誓約を負ったことも解りますが、
なんだか最後の描写にて、主人公にとっての男がすでに消化された思い出となっているように感じたので、
もう少し物語の中で一番盛り上げるための描写として描けたのではないかなと、そのような思いを抱きました。
偉そうな指摘でご気分を悪くされたら申し訳ありません。

物語の展開の仕方としては、ミステリ的に、序盤に謎を提示して読者を引っ張る展開はとても好みでした。
消えた彼女は一体誰なんだろう、と気になりながら読むので止まることなく読み進めていけました。
個人的には、中盤でああ宇宙人なんだろうなとわかってしまう残念感があって、
最後に宇宙人だったと種明かしされる展開の方が好きなのですが、そこは書き手の好みも反映されますし、
また読み手の好みによって評価もころころ変わると思いますので、あくまで感想としてお聞き下さい。

小説としてはとても好みなのですが、もう少し盛り上がる場面が、読者の心を揺さぶろうとするピークが欲しいと思ってしまう、
好きなだけに歯がゆさを感じさせてしまう作品でした。



No.10 実直な男(ドーナツ)

無駄に物語を広げる余分な描写や、作者の自己満足的な表現を一切書くことなく、淡々と綺麗にまとめていくこの書き方は、
簡単なようでいて、なかなか難しい事なのではないかと思います。
元々作者がこの書き方を得意としているのか、あるいはあえてこの書き方に挑戦したのかは分かりませんが、
個人的にはこの作品にてそれは成功していると思いますし、最後までの持って生き方が上手だなと唸らされました。読みやすかったです。
短く、淀みなくまとめられている。欠点がない小説だと思います。

兄の恋人とは誰なのだろう、幻の恋人というテーマとどう絡むのだろうと期待しながら読み、
最後の場面でうまく着地して、謎が明かされる書き方は好みです。

小説やアニメ・漫画のミステリ作品でよくあるような(あまりミステリを深く読み込んでいないので勘違いでしたらごめんなさい)、
最後の場面で自分がやったことに対する動機を語りだすというのも、オチとして綺麗にまとまっていると思います。

違う方が指摘されていた最後の場面のことですが、
女装をしたことに関して長々と語ってしまうと、それはまた違う方向のアプローチとして小説のテーマを複雑なものにしてしまうというか、
作者の意図しない方向へ広げてしまうような気がするので、私はこの終わり方でありだと思います。
きっちりエンタメに徹したこの書き方のままでいいように思われます。


一つだけ強いて苦言を呈するとするならば、さすがに妹も女装した兄と会えば(もしくは見れば)気づくんじゃないかな、と。
なぜそこで兄と会う前に探偵と会ってしまったのかという理由づけが不十分な気がしました。

兄と会ったこともない探偵が気がつくのに、妹は女装した兄を見ても違和感すら抱かない。
まあミステリにはこのような、絶対にわかりそうなことを無視して進めて展開するということが結構あるように思いますので、
私も特別それが気になったわけではありませんが、その辺が気になる方もいらっしゃると思いますので、
何かしらその辺に関する理由づけなり、妹がなぜ気づかなかったのかと分かりやすく説明する描写があればいいなと、
余計なおせっかいのようにして思ってしまいました。


Np.11 近未来「次世代整形」オムニバス(muomuo)

この小説は個人的には評価が難しい小説です……。

文章はとても上手だと思います。以前からこの作者さんの文章の端正さに惹かれており、テーマや物語さえ合えば、
きちんと評価される作品を描けるだろうなあと、なんだか作者から鬱陶しく思われるファンのような気持ちで読んでいました。

ショートショートとして、三作品ともきちんと書かれていると思います。
何と言いましょうか、設定は星新一的なんだけれど、書き方や読み手へのアプローチの仕方は阿刀田高的な(あくまで自分
がそう思っただけです、すみません)
面白い小説だなと、感じました。

完成度は高いと思います。ただ一つ一つの話に惹かれたかというと、そんなに自分にはぴんと来なかったです。
三つのお話はどれもよく出来ていて、物語的な繋がりはなくとも、世界観を表現することに成功はしているのですが、
例えば前に挙げた星氏と阿刀田氏の作品のように、幾つかある作品の中で唐突に、あっ! このお話すごいっ!?
と思わせられる、ショートショート特有の驚きと言うのが感じられなかったです。
と、殆ど難癖をつけるようにして言いましたが(だって作者さんはこれをショートショートだとも明言していないし、
私が勝手に名前をあげてプロと比べて、それでここを直すべきだなんてあまりにもひどい言いがかりですよね)
一つでも読者の予想を裏切るような、あえて意地悪く読み手を騙すような、そんな仕掛けがあれば良かったかなと思いました。

しかしながら、設定の作り方、そしてその説明の仕方、世界観の提示の仕方、それを失敗せずに
6000字でやり遂げるのはやはり見事だと思います。
偉そうに言う私はそれが出来ていません。あなたはすごい!



No.12 幻の少女(ほげおちゃん)

主人公が可愛らしいです。思春期にありがちな、男女間の理不尽なモヤモヤ感をうまく書けていると思いました。
お互いの感じ方や考え方(もっと言えば哲学?)が違うのに、自分の考え方を無理に相手に押し付けるというのも、
男女間では結構あるように思います。その辺がリアルでありながらコミカルに描かれていると思います。
お互いの気持ちを、お互いの歌詞を代理戦争的に経由して伝えているというアイデアも面白いと思います。

ただ、やはり普遍的なテーマであるためか、見せ方が弱いなと感じてしまいました。
このようなテーマは色々な方が描いていると思いますが、結構やり尽くされいる感があって、
もちろんまだまだ色々と面白く書かれる小説は出てくるのでしょうが、この小説においても読者を惹きつけるような設定なり、
物語の山場が欲しいと言うのが正直な感想でした。もしくは読者の心を奪うようなキャラクター性。

歌詞を通じて……というのはキュンとくるような設定ではあるのですが、ただ最後まで何事もなく終わってしまった、というのはやはり残念だと思ってしまいました。
(もちろんこの批評、自分の作品にも言える事なのですが……)

少女漫画やレディースコミック、あるいは恋愛小説でよくあるように、過剰に思えるかもしれないけれど、
読者の心を震わせられる演出、というのがあればこの作品はとても映えるのではないかと、そのような感想が頭に浮かびました。


***********************【投票用紙】***********************
 【投票】: No.08 権兵衛の決断(しゃん@にゃん革氏)

今回、一番小説として楽しめた作品であり、色々と文の中から主人公(+作者)の想いを読み取る(想像する?)面白さがあった作品でした。
文体が物語にマッチしてかつての時代の雰囲気を感じさせたのもよかったです。

個人的には最後の描写の演出というか、作者が意図したかは分かりませんが、悲しみを滑稽に描き、
私たちから見た時には馬鹿に見えるけれど、本人のその思いは誰にも馬鹿に出来ないほど真剣だった、というシーンが、
老人の想いの報われなさが何倍にもなって襲いかかって来るように思え、その書き方がとても新鮮で驚かされました。
というか勉強になりました。そのような書き方があったのか、と。
痴ほう症になって歯も全部抜けた、私たちから見たよぼよぼのお爺ちゃんにも、
私たちの知らない時代の大きな悲しみと過酷な環境での愛を背負っているのだという、
ある意味で老人を大事にしない若者に対する皮肉もあったと言うか、まあ深読みし過ぎかもしれませんが。
とにかく、そのシーンを書くまでの描写が短くも丁寧に描かれており、個人的には文句なしの投票となりました。

ちなみにとあるライターの話なのですが、昔の暴走族がよく書いていた「夜露死苦」という文言は、彼らが生み出した最高の詩だと言い切った人がいました。
たった四文字で自分たちの不自由さや苦しみを表現した傑作だと。
この作品も一見するとふざけた言葉がありますが、滑稽に見えるのに描かれている人が切ないほどに真剣だというのが、とても良かったのです。



気になった作品:No.10 実直な男(ドーナツ氏)

完成度が高く、物語の初めから終わりまでの流れが綺麗でした。読みやすく、掌編としてとても素晴らしい作品でした。
ただ今回は、印象に残るシーンがなかったと言うことで関心票となりましたが、同じような作品が並んだ時に、
この完成度の高さは強みになると私は思います。


        No.06 若者たち(すずきり氏)
        
この作品、最後に読んだのですが、やはりどうしても気になるので、関心票を入れさせていただきます。
雰囲気と文体が好きでした。完成度も高かったと思います。
手紙の部分で、もう少し読者に訴えかける表現が欲しかったです。
        
********************************************************



ーーーーーーー総評ーーーーーーー

やはり色々なジャンルが揃う中で、それぞれの読書観によって評価をすると言うのは難しいですね。
もちろんそれが品評会の良さでもあるのですが。
人によって正反対の意見が出たり、自作の意図した面白さが理解されなかったり、他作品で自分が分からなかった面白さを他人の意見で知ることが出来たり、
やはり品評会は有意義な場所だと感じました。自分は今回、納得する作品が書けなかったのですが、自分ではわかりづらいような、自覚していなかった部分を指摘されることで、
色々参考になることもありました。
どうしても品評会となると、欠点の少ない完成度の高い作品が優勝することが多いのですが、まあやはり小説とはそういう物なのだと思います。
いくら自分の伝えたい思いがあっても、気持ちを乗せて書いても、完成度の低い作品、欠点の多い作品が読者に好まれることは多くありません。
自分も、次に出ることがあれば、丁寧に仕上げた作品を出したいなと思っています。なんだか言い訳のようですけれど、そう思います。
もしくは欠点がありながらも、それを凌駕するほどの強い引きを持った小説。それが書けたら苦労はしませんが。

※ 作品のネタバレを含む
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 このお題にこのシチュエーションを選んで形にできるのが凄いです。ただ、写真を見せたり電話を代わってもらったりで一応の証明は簡単に済むはずなので、紹介するためだけに友達に彼氏を会わせるというのは、建前にしてもちょっとリアリティに乏しいというか理由づけが弱かったかも? 4番と対比すると一層浮き彫りになる点ですが、少し無防備な娘に見えました。下手に会わせて浮気や抜け駆けのもとを自ら作っても平気な程度の恋愛感情というか、主人公は機微に疎い/嫉妬が強くないタイプ?(策士みたいだけど、リスクを負って自覚的に賭けに出ている感じでもないすし、自信過剰なタイプでもサイコパスでもないですよね) 恋愛事に慣れていない/男子のことしか見えていない設定だからこそなのかな。…あ、あと返事を保留するでもなくいきなり拒否してしまったのは清々しいくらいのリズムで物語としては正しい選択に思えたのですが、男子の自尊心を無視し過ぎていて将来的に絶対成功しないだろうなと思わせてしまう面もあり、ジレンマに感じました。

※ 作品のネタバレを含む
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 反彼氏、掘り下げたら凄くおもしろそう! …ただ、イコール彼女では対消滅に似合わなそうだし、彼氏という妄想とか、非モテ男女の羨望とかでしょうか? …オチは性同一性障害的なものかと思いましたが読みが外れました。

『銘菓、幻の恋人』にコメント
2014.09.14 00:08

※ 作品のネタバレを含む
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 小気味よく内股すかしでも決めたようなお題の消化方法が見事ですね。…ただ、「赤い液体」はフェアであるがゆえにバレやすく、「お菓子に毒」の発言主体のぼかしはアンフェア気味である(夫の発言・口調と区別がつく根拠がない)がゆえにミステリとしては不満を残すように感じました。そして叙述トリックものには付き物で全然人様のこと言えないのですが、読み直すと不自然な行為や不作為が残ってしまっているようにも(いくら「冷静さを欠いて」いても検視官の刑事が毒物の匂いを嗅がなかったり使いさしのグラスを見てもワイン由来の毒と疑わなかったり、というのはあり得ない気がしました)。とはいえこれらは瑕疵にすぎず、例えばバカミス系の作家ならもう一捻りさせて、お菓子職人が知人を殺害しようと用意したものを間違って出荷したため夫が買ってた、ワインは白で赤は本当に血液由来だったが執事が勘違いして自白してしまった、夫人は結局、何万人×30分の1の確率で不幸にもなくなっただけ、的な方向でトンデモなオチをつけそうだなぁとか、いろいろ発展していきそうな作品で個人的に大変気になりました。

※ 作品のネタバレを含む
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 う~ん。今の時代、こんな危なっかしい遊びというか癖をそのままにして無事に生きていける人間は少ない気がします(…天性の才能という感じではないようなので)。気づいて自己防衛を始めるのが中学では遅い気が。こんな嘘で評判の女の子がいたら、それを逆手にとって悪用する大人が絶対群がってくると思うんですよね…。双子の妹から見ても大迷惑ですから敵に回るでしょうし、犬が死んでも姉を疑わないというのも不可解。そういう意味で、面白いんだけどリアリティがないというか…訴求力が片翼飛行な気がしました。それと、そうまでして生に執着する理由も不明。サイコパスの類でなく理由付けしてしまったのが逆に説得力をなくした感じです。最初は姉がサイコパスで妹がトラウマゆえの「嘘つき姉妹」間の叙述トリックかと思ったのですが、別に語り手は入れ替わってないんですよね?(最初は妹も同種だから姉を邪険に思わないのかと…) しかし…例の事件の記憶もまだ新しいうちにこれを出せる胆力は凄いの一言ですね。作家性との合わせ技で気になりだしたら止まらない感じでした。

『isn't she lovely』にコメント
2014.09.14 00:10

※ 作品のネタバレを含む
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 幻の恋人を妄想する七歳の妹を妄想する兄…を妄想してその口調で自分と兄=真の幻の恋人について語る実はアラサーの女性(2月29日生まれ)…くらいにはアクロバティックな話かと思ったのですが、そうでもない? 妹を妄想してはいる? このお兄さんが何歳なのかも不明ですし(…語彙や思考が高度すぎて年相応に見えない…年相応なら年離れすぎ…)、現実との接点が曖昧すぎて興味を惹く以上にどうでもよくなっていく感じでした。そもそも誰に語っているのか、誰が妹について聞きたが(ってい)るのか、聞いてくれる人などいるのかが見えず…。もちろん、この作品も発想力には脱帽なのですが。しかし…こんな風にディ○ニーアニメを扱える胆力は凄いの一言ですね…。

『若者たち』にコメント
2014.09.14 00:11

※ 作品のネタバレを含む
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 短編としても長編の序章としても成立している感じですが、長編となったらどういうドラマが待っているのか是非知りたいですね。正統派青春小説としても発展できそうですが、それ以上に「落ち着きのあるラノベ」というスタイルとして確立したら面白そうな気がしました(もう既にあるのかは存じませんが)。現代感覚を踏まえた文豪の書くラノベを読んでみたくなったというか、タイムスリップした文豪が「自分たちにとって現代である過去の、アクチュアリティある問題」を現代のツール=ラノベ等で問い直して出版不況も何とかするという設定での仮想パスティーシュを読みたくなったというか…。近代的自我などの問題をただ昔風に書いても新味は生まれないですしね。全体的に現代感覚が覆っていて時代・舞台設定からするとちょっとあり得ない面が多々ある(いい意味でラノベ的?)のに、それがリアリティの欠如に映る以上に新しい読書感覚(の予感)につながったのが新鮮でした。時代考証の余地はあると思いますが、それに囚われすぎると佳作止まりのような危うさが「作品としても若者」な感じといいますか。若者である作品への手向けとして一等賞を送りたくなったというか、潜在的可能性への期待を加味すると一等賞に値する何かを感じました。

『あの暑い夏』にコメント
2014.09.14 00:12

※ 作品のネタバレを含む
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 当時未熟だったところまではいいとしても、昔話を語る現在でもこのナイーブさというのは、リアリティがないというかリアルにいたら敬遠されそうな気がしました。歳は相当いっている設定ですよね? 主人公の現在が見えない、贖罪の気持ちに囚われているにしては特に行動したようでもない、のも一因ですが…。

『権兵衛の決断』にコメント
2014.09.14 00:13

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
 うぉおお、権兵衛さん! 齢百を優に超えるご老体でありながら内面では七武海のハンコックも押さえつつ思考されるとは(笑) 中途半端な偉人などと大変失礼な印象評価をば! 楽しいなぁ~、入間の竪琴熱いなぁ(笑) 前作入歯の前フリからの見事なオチ!

『たとえアナタがいなくても』にコメント
2014.09.14 00:14

※ 作品のネタバレを含む
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 サスペンスの妙味! 上手いなぁ~。…ただ、叙述トリック風味になっているためなのか、異星人のやりとりが地球人的すぎなのが不自然に思えたのと、調査・駆除対象の異形の存在にそこまで恋愛感情(?)を抱く理由が見えなかったのとで、後段になるにつれ違和感のほうが大きくなってしまった感じです。でも、取り消せない永遠の別離の感覚がすごく好き。異種間婚姻にどこまで望みがあったのか(単に移住させられるだけ?)不明ですが、望みをつなごうとする奮闘がもっと見えたら尚よかったと
思いました。

『実直な男』にコメント
2014.09.14 00:15

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
 とてもすっきりした構成で丁寧に書かれていて、なんというか題材の割に爽やかで好印象な読後感でした。ただその分、オチはかなり早い段階で読めてしまうのですが、ストーカーに見えなくもないほど興奮気味の妹さんというミスリードがだんだん効かなくなっていくのは、フェアに書かれているからこそでしょうね。読み物の探偵というよりは普通に誠実な探偵すぎた気もするので、探偵に癖がある場合の顛末も見てみたいです。

『幻の少女』にコメント
2014.09.14 00:16

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
 六番と並んで、作品の潜在的可能性を加味すると一等賞に値すると思いました(ちなみに、投票していただいたお礼で投票するようなことはあり得ません)。もっと関係性を複雑にしてエピソードを増やしたら確実にいい長編になりそうな何かを感じました。ご自身で書きたいことと他者から期待されることとが分離し始めたら、むしろ作家としては一つ階段を昇られたことになると思うので、マンネリだからこそ書いてしまう作品だとしても一度突き詰めていただきたいなと思いました。

一覧ページにコメント
2014.09.14 00:37

ということで今回の優勝は「No.11 近未来「次世代整形」オムニバス(muomuo)」でした。
おめでとうございます!

優勝者は9/20頃までに、本スレもしくはてきすとぽいのコメント欄に次回お題の投稿をお願いします。

参加された皆さんお疲れ様でした!

『isn't she lovely』返信コメント
2014.09.14 01:05

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
サリンジャーの『ライ麦畑で捕まえて』の文体を真似しました。幼い少年の語りを頑張って挑戦した作品です!
確かに空想の中に篭っちゃう女の子、空想を現実に引き連れてきちゃう女の子は居そうですね。でも、私としては空想とお話ばっかりする女の子が異常ではない、ということも少し怖いような気もするのです。

『isn't she lovely』返信コメント
2014.09.14 01:07

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
 確かにこんなに長々と妹の生態を説明しちゃお兄ちゃんも異常ですよね。シスコンなのか。それともお兄ちゃんの空想なのか。もしかしたらお兄ちゃんの頭がおかしいだけで、このお話も空想の誰かに向かって、お兄ちゃんが勝手に作った話を語っているのかもしれません。

『isn't she lovely』返信コメント
2014.09.14 01:20

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
 確かにそのくらいした方が面白かったかもしれません。この小説を書きながら思っていたのは、好きな作家さんの作品に、小学生の一人称として語られていたはずが、実はその子の家庭教師が小学生のふりをして語っていた話だった!(語彙が小学生としては豊富だし、なによりその家庭教師の話ばかりだから分かりやすい)という小説があって、語り手の年齢を隠して、こいつは一体誰なんだろう、誰に向かって語ってるんだ? 妹こそが幻の恋人なんじゃないか? と、よくよく考えるとおかしい不気味さが出せたらいいなあ、と思う気持ちで書いていました。
 ディズニーは大好きです。幼いころから触れていました。
 一回、夢の中でドナルドダックに追い掛け回されて殺されたことがあります。首を絞められてあの独特な鳴き声を聞きながら死にました。夢に見るくらいディズニーアニメは大好きです。(ディズニーアニメ好きの人がこれを読んでいたら勘違いするかもしれませんが、私もディズニーが大好きで、しかしちょっと私の方に問題があるだけなのです)
感想ありがとうございました!

『不完全なラブレターと、歯と共に眠る』返信コメント
2014.09.14 01:30

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
はい。事実を把握している自分を騙すことができずに苦しんでいる。まさにその通りです。それをテーマに書いてみました。
定期気に襲ってくる苦しみを誤魔化すことが出来ず、幼馴染が死んでしまったと言う事実を嘘にもできない。どうしようもない辛さに呑み込まれて、別に死にたくもないし、ただ苦しみを抱えながらただ癖で嘘を吐き生きている、という少女を書こうと思ったのですが、なかなか難しかったです。
感想を書いていただきありがとうございます! 

『実直な男』返信コメント
2014.09.14 01:37

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
ミステリーの形を借りて、探偵なども出していますが、ストーリーに謎解きの楽しさは少なかったと思います。
他のみなさんもそうですが、きちんとした書評を書いてくださいましてありがとうございました。
自分は感想程度でしたので、お恥ずかしい限りです。

『不完全なラブレターと、歯と共に眠る』返信コメント
2014.09.14 01:38

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
いえいえ、謝るのはこちらのほうです。ごめんなさい。そのようなシーンが苦手な人がいることを無視して、このような残虐なシーンを読ませてしまいました……。せめて事前に注意書きなどを乗せるべきだったかもしれません。

やはりこのシーンは不評……というか何故入れたのか分からないと言う意見がありました。私の気持ちとしては、ニュースなどを見て、不可解に何かの生物が殺されると言う事件が多いのを自分なりに考え、何かを殺してしまった彼らは、自分の苦しみを、自分以外の者を殺すことによって、世間や周りの人たちに、自分が病んで苦しんでいると言うことをアピールしたいのではないかと、その考えのもとに描写しました。もともと逸脱論と言うか、社会の常識や良心から逸脱していく人たちが、どのような心理で犯罪を犯してしまうのかに興味があり、なんとかそのような逸脱する人の苦しみを表現しようとしているのですが、とても難しいです。

犬が殺されるシーンは、過去に自分が初めて描いた長編小説で描写し、もう一回挑戦した見たのですが、全然ダメでした。入れない方がいいくらいでした。
不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。

『不完全なラブレターと、歯と共に眠る』返信コメント
2014.09.14 01:44

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
 確かに無事に生きてはいけません。その少女の『無事に生きていけなさ』をもっと詳しく描写するべきでした。
例の事件は確かに念頭にありました。彼女はなぜ殺してしまうまでに至ったのか。どのような思いが彼女の中にあったのか。もしかしたらあったかもしれない苦しみを、この小説を書いて自分なりに考えてみようと思ったのですが、全くの力不足でした。
殺人を犯した人の動機が、ニュースなどで流れている時、もっともらしく聞こえるけれど、それは嘘なんじゃないかと思ったことがあります。そんな簡単な理由は世間に発表するためにだけに作られたもので、内心はもっと複雑な感情があるのだろうと。

逸脱していく人の思考と、死に囚われている少女の苦しみを書きたかったのですが、難しかったです。 

一覧ページ返信コメント
2014.09.14 01:51

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
身長の件は、お二人からご指摘を受けましたので、これは認識を改めなくてはいけないなと思いました。
また、おっしゃる通りミステリーの形式を取っていながら、謎解きの楽しさは少なかったと思います。
ご意見を生かして今後、書いていければと考えております。
ありがとうございました!

一覧ページ返信コメント
2014.09.14 02:04

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
感想ばかりか点数までいただきまして本当にありがとうございました!
ご意見を参考にキャラクターの組み立てや見せ場にも気を配れるよう努めます。
「女装をなぜ妹が見抜けないのか」という部分は、ご指摘の通りだと思います。
意図があって無視したのではなく、まったく違和感を抱いていなかったので、これは自戒しなければと反省頻りです。
貴重なご意見、深謝御礼申し上げます。

『若者たち』にコメント
2014.09.14 02:08

「女中が書きたい」そんな想いで書き始めました拙作。目を通していただきまた感想をいただき嬉しく思います。まことにありがとうございました。精進致します。

一覧ページにコメント
2014.09.14 02:27

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
うぉ!? なんと、自分でありますか?
…こ、これは大変光栄ながら想定外なことでした…。
多くのご批評・ご感想、ご投票、そして運営の労を頂戴しまして、
本当にありがとうござました。ご参加の皆様お疲れ様です!

同率一位の関心表差で接戦ですし、当方が決めるのも恐縮ですが、
また、慣れないことでツボを外してそうなのが怖いですが…では、
-------------------------------------
NEXTお題:「わかってくれない」
字数制限: 9000字以内

(※お題は台詞にかぎらず多様に解釈可)
-------------------------------------
…という様式で、お願いいたします!

一覧ページ返信コメント
2014.09.14 09:17

お題ありがとうございました!
9000字の中に密度の濃い短編を三つ詰め込む、個人的に「すげー!」と思わせる作品でしたよ!

次回も投稿お待ちしております!

一覧ページ返信コメント
2014.09.14 18:13

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
>あれ、結構真面目じゃね……?

うし。

ついに、コンゴウやハンコックを出しても真面目と言われるようになったのだ。

しめしめ~。

うひひ。

一覧ページ返信コメント
2014.09.14 18:17

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
>この人のこのシリーズは品評会の定番になりつつありますねw

そういうワケで、次の品評会は運転手さんでーす。

ぷっ。

一覧ページ返信コメント
2014.09.14 18:23

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
>ボケてしまって間違った場所に連れていかれようと、最後まで自分の中に存在し続けたかつての思慕に浸って死を受け入れる瞬間、場所がどこであろうが、自分の中で愛した女性は常に自分の中で暖かい宝物として存在し続けるのだ!

恋とは、棺桶に入るとき、一緒にそこに入れたいけど入れられないものだと思いましたー。

そして年齢を経た人ほど、その思いは心の奥にしまいつつも、気持ちの中で同化しているのではないのかとー。

でも権兵衛くんレベルになると、同化しすぎてどうかなっちゃうかもねー。

なんつーて。

『権兵衛の決断』返信コメント
2014.09.14 18:30

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
>戦争のお話が出てきたのでメタファーなどもあるのかなと思いました。

コンゴウがそうかもー。

竹山道雄くんは、ビルマに人食い人種がいる設定したけど、ホントはそんなのいなくてー。

代わりに艦娘、出しましたー。

ちゅーのは、ウソの反対の反対の正面の反対でーす。

『権兵衛の決断』返信コメント
2014.09.14 18:32

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
>最後に不意打ちを食らいました。

埼玉県民専用の叙述トリックでしたー。

けけけ。

『権兵衛の決断』返信コメント
2014.09.14 18:36

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
>真面目な雰囲気なままの話がよかったかなと思いました。

えー。

文学とは、表現的な異物であーる。

犬子先輩も、いじり小説を書こー。

『権兵衛の決断』返信コメント
2014.09.14 18:39

※ 作品のネタバレを含む
[ コメントを表示 ]
>前作入歯の前フリからの見事なオチ!

お題を見て、しめしめと思いましたー。

優勝、おめー。

オムニバス勝負で負けたー。

ぷっ。

<<< 投票期間は終了しました。 >>>
引き続き投票できますが、集計結果には反映されません。


票の集計期間 2014.09.07(日) 0時  ~  2014.09.14(日) 0時
作品の最短掲載期間 2021.12.31(金) まで[?]
投票方法 5段階方式(平均)
投票終了まで 票の推移とコメントを公開する


イベントの主旨、注意点など

きーみーがー いたなーつーは とおいーゆめーのなかーあ
そーらーに きえてったー うちあげー はーなーびー
お題:幻の恋人 ...
詳しく読む...

総括

優勝:No.11 近未来「次世代整形」オムニバス(muomuo)
本スレ
 投 関 ...
詳しく読む...

作品一覧⇨[期日後投票する
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1位
isn't she lovely
投稿時刻 : 2014.08.30 20:49 最終更新 : 2014.08.31 03:12
字数 : 5967
☆5.000☆5…4票
☆4…0票
☆3…0票
☆2…0票
☆1…0票
2位
不完全なラブレターと、歯と共に眠る
投稿時刻 : 2014.08.30 16:32 最終更新 : 2014.09.01 15:31
字数 : 8906
☆4.600☆5…3票
☆4…2票
☆3…0票
☆2…0票
☆1…0票
3位
ずっと私の隣にいてくれませんか、と言いたかっただけ
投稿時刻 : 2014.08.24 03:37
字数 : 3724
☆4.500☆5…2票
☆4…2票
☆3…0票
☆2…0票
☆1…0票
3位
若者たち
投稿時刻 : 2014.08.30 23:49 最終更新 : 2014.09.01 13:47
字数 : 8981
☆4.500☆5…1票
☆4…1票
☆3…0票
☆2…0票
☆1…0票
3位
実直な男
投稿時刻 : 2014.09.06 21:36
字数 : 3806
☆4.500☆5…1票
☆4…1票
☆3…0票
☆2…0票
☆1…0票
3位
近未来「次世代整形」オムニバス
muomuo
投稿時刻 : 2014.09.06 23:54
字数 : 6341
☆4.500☆5…2票
☆4…2票
☆3…0票
☆2…0票
☆1…0票
7位
たとえアナタがいなくても
投稿時刻 : 2014.09.06 19:24 最終更新 : 2014.09.06 19:43
字数 : 5864
☆4.333☆5…1票
☆4…2票
☆3…0票
☆2…0票
☆1…0票
8位
幻の少女
投稿時刻 : 2014.09.06 23:59
字数 : 5202
☆4.250☆5…2票
☆4…1票
☆3…1票
☆2…0票
☆1…0票
9位
君が言ったナッツは遠い幽冥の中、騒乱に消えてった打ち上げ歯並び
茶屋
投稿時刻 : 2014.08.24 21:07 最終更新 : 2014.08.24 21:07
字数 : 2632
☆4.000☆5…0票
☆4…1票
☆3…0票
☆2…0票
☆1…0票
9位
銘菓、幻の恋人
投稿時刻 : 2014.08.25 00:23
字数 : 2838
☆4.000☆5…0票
☆4…3票
☆3…0票
☆2…0票
☆1…0票
9位
あの暑い夏
投稿時刻 : 2014.09.03 21:56 最終更新 : 2014.09.05 21:34
字数 : 1118
☆4.000☆5…0票
☆4…1票
☆3…0票
☆2…0票
☆1…0票
**
権兵衛の決断
投稿時刻 : 2014.09.05 23:12 最終更新 : 2014.09.06 01:37
字数 : 2580
未投票☆5…0票
☆4…0票
☆3…0票
☆2…0票
☆1…0票

コメント
投票期間:09/07 (日) 00:00 ~ 09/13 (土) 23:59
集計発表:09/14 (日)

No.01 ずっと私の隣にいてくれませんか、と言いたかっただけ(犬子蓮木)
http://text-poi.net/post/sleeping_husky/30.html

No.02 君が言ったナッツは遠い幽冥の中、騒乱に消えてった打ち上げ歯並び(茶屋)
http://text-poi.net/post/chayakyu/80.html

No.03 銘菓、幻の恋人(碓氷穣)
http://text-poi.net/post/_latefragment/27.html

No.04 不完全なラブレターと、歯と共に眠る(木下季花)
http://text-poi.net/post/kika_kinoshita/8.html

No.05 isn't she lovely(木下季花)
http://text-poi.net/post/kika_kinoshita/9.html

No.06 若者たち(すずきり)
http://text-poi.net/post/tamamogari/2.html

No.07 あの暑い夏(如月恭介)
http://text-poi.net/post/KyouskeKisaragi/3.html

No.08 権兵衛の決断(しゃん@にゃん革)
http://text-poi.net/post/syan1717/46.html

No.09 たとえアナタがいなくても(三和すい)
http://text-poi.net/post/miwa_sui/30.html

No.10 実直な男(ドーナツ)
http://text-poi.net/post/donut_no_ana/2.html

No.11 近未来「次世代整形」オムニバス(muomuo)
http://text-poi.net/post/muo_2/13.html

No.12 幻の少女(ほげおちゃん)
http://text-poi.net/post/hogeochan_ver2/14.html

皆さん投稿ありがとうございました。

感想や批評があると書き手は喜びますが、単純に『面白かった』と言うだけの理由での投票でも構いません。
毎回作品投稿数に対して投票数が少ないので、多くの方の投票をお待ちしております。
また、週末品評会では投票する作品のほかに気になった作品を挙げて頂き、同得票の際の判定基準とする方法をとっております。
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本スレの感想&投票を転載します。
※ このコメントには、作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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No.01 ずっと私の隣にいてくれませんか、と言いたかっただけ(犬子蓮木)
http://text-poi.net/post/sleeping_husky/30.html

「幻の恋人」というお題は個人的に難しかったのだけど、なるほど、こういう物語もあるのかと示した作品。
が、私にはどうしてもこの軽い主人公に好感を持てなかった。本当に好きだったら、男性に対してもっと臆病であるべき。最後の展開ね。
男性の立場から見て主人公が一体何を考えているのかよくわからないし、そのくせイニチアシブとろうとするんだから絶対イライラするぜ。
そんなふうに積もり積もった男性の怒りが爆発して、最後にはろくでもない終わりになりそう。
私的には、そのあたりまで突っ込んで書いてほしかったなあと。
そういう方面で力を発揮する作者だと思っているので、余計、ね(´・_・`)

No.02 君が言ったナッツは遠い幽冥の中、騒乱に消えてった打ち上げ歯並び(茶屋)
http://text-poi.net/post/chayakyu/80.html

最初のDATEIF文には笑ったわ。
けどこれ、彼氏いたことがあろうがなかろうが結果が変わらない式になってしまっているんだよな。そのあたりはもう少し拘りがあってもいいんじゃないかと。
今の「とりあえず思いつきましたー!」感も嫌いじゃないけどね。
勿体無いのは、この作者の作品には毎回言っている気がするけど、設定の説明が主であまり物語になっていないんだよな。
モノローグを使わないという縛りをつけて一回作品を書いてほしいな。

No.03 銘菓、幻の恋人(碓氷穣)
http://text-poi.net/post/_latefragment/27.html

あれ、これ幻の恋人関係あるか……?
もしかして「白い恋人」と掛けてるのかなこれ、と思ったけど、調べてみたら「幻の恋人」ってお菓子あるんだ。ふーん、みたいな。
……いや、なかなかコメントが難しいなこの作品は(・_・;
単に「幻の恋人」というお菓子を使ってみた推理小説と考えていいのだろうか。なんだろ、それだともう少しトリックに工夫があってもいいと思うし、ようするにどういう方面で解釈していいか迷う作品である。

No.04 不完全なラブレターと、歯と共に眠る(木下季花)
http://text-poi.net/post/kika_kinoshita/8.html

私が今回のネタをまったく思いつかなかったとき、とりあえず他の人の作品を読んでみようと思って真っ先に読んだ作品。
あー、なるほど、こういう系もあるなあと少しヒントになりました。
で、この作品自体の感想なのだけど、どうやら作者はモノローグ的に話を進めていって、少しずつ主人公の異常性を明かしていくというのが一つのスタイルになっているようだ。文体はとても読みやすく雰囲気があり、あとはその異常性にどこまで興味を惹かれるかというところ。
残念ながらこの作品には、私はあまり惹かれませんでした。
というより、何故か意味のない嘘をつくというキャラクター自体は楽しい。私も経験があって、どのようなときに人が騙されやすいかたまに研究したりする。
だけど本作品ではその嘘をつくことに理由をつけてしまったことで、せっかくのキャラクターが死んでしまったように感じた。
というより、ぶっちゃけ話の流れからすると最後のは後付けに近い気がしたのだが、どうなのだろう。
もしこの結末が後付けでなく最初から練られたものであったならば、まず結末の話を最初に持ってくるべきだったと思う。
主人公がなぜ嘘をつくのか、ではなく、嘘をつくことでどのようなことが起こっていくか、という方向で書いてほしかった。

No.05 isn't she lovely(木下季花)
http://text-poi.net/post/kika_kinoshita/9.html

これもNo.04と同じくモノローグ形式なのだけど、ちょっと最初のほうでいっぱいいっぱいになった。
発想の豊かさに関心を払うのだけど、おそらくこのまま大したことが起こらないまま終わるんだろうという予感がして、実際そのとおりに終わってしまうのが残念。
なんというか、もっと頭使えるはず(´・_・`)

No.06 若者たち(すずきり)
http://text-poi.net/post/tamamogari/2.html

私は例のドラマを見ていないのだけど、この作品のタイトルはやはりそこから取ったのだろうか。
個人的にこの小説は少し残念。
というのは、書きたいテーマがあるし、実際に書けているように思えるのだけど、「うーん、なんかなあ」という印象が残る。
石って何のために出したんだろう……てっきり石がスミをハメたのだろうと思ったけれど、そうでもなさそうだし。
夢を追いかけている主人公が女性の色香に惑わされるシーンはすごく好き。人間ってそういうもんだよ。

No.07 あの暑い夏(如月恭介)
http://text-poi.net/post/KyouskeKisaragi/3.html

彼女可哀想だなあという印象。
これがリアルの話だったら思うところはあるのだけど、創作だからなあ。
もう少しドラマを見せてほしいと思いました。

No.08 権兵衛の決断(しゃん@にゃん革)
http://text-poi.net/post/syan1717/46.html

あれ、結構真面目じゃね……?
ビルマの竪琴の主人公ってミズシマだっけ。全然覚えてないや。
七十年の歳月を経てビルマに戻ってきたのだけど、なぜビルマに惹かれたのかその理由が少し浅いと思いました。
というか、短編でそれを書くのは尋常ではない。
わたし軍医の自伝読んだけど、暑いから早く治療しろってお股パカパカしていた売春婦がいたり、性病でちんちんが半分千切れた青年に出会ったり、壮絶だった。
「あれ、これ足切らないと全身壊死すんじゃね? けど怖いから様子みよ」→「手遅れだったわ!」みたいな。
単にエピソードの不足というものもあるけれど、何時間も本を読んで脳が疲れた先に訪れるもの。
そういう感覚を短編で得るのは非常に難しいと思うんだよねえ。

No.09 たとえアナタがいなくても(三和すい)
http://text-poi.net/post/miwa_sui/30.html

こういう作品を見るたび思うんだけど、まったく姿形の違うものを愛するってかなり難しいことなんじゃないかな。
例えば犬や猫となら両想いになる人間はいるかもしれないって考えるけど、虫やクラゲになると「いや、ねーだろ」っていう気がするんだよね。もう根本的に生物として違うじゃん。
クラゲみたいな格好のくせに人間みたいな考え方をしているって相当ファンタジーな設定で、そのあたりをもうちょっと練ったほうがいいんじゃないかと私は思いました(´・_・`)

No.10 実直な男(ドーナツ)
http://text-poi.net/post/donut_no_ana/2.html

170cmそこそこって普通の背丈じゃない?
ひとまずそれは置いといて。世の中の多くの人は、自分が何故そのような行動に至ったかをうまく説明できずにいる、と私は考えている。
女装すると自由になれる、というのはその典型じゃないかな? と思うのだけど、どうだろう。だって単に自由になりたいなら他に方法がある気がするんだよね。
なぜ女装を選んだのかと、それにより具体的にどのような感情を得たか。もっと掘り下げていいと思う。
あともうちょっと、登場人物をうまく使ってほしいと感じた。探偵の領域外にしても、やはり結末がどうなるかの示唆は欲しいところ。

No.11 近未来「次世代整形」オムニバス(muomuo)
http://text-poi.net/post/muo_2/13.html

これが今回のベスト。ありがとうございました。
短編が三本あって三本とも面白いのだが、後の作品のほうがより面白いところがいいね。
二本目の作品は女性に対して思うところがなかったわけではないけれど、主軸はあくまで男性に置かれているので、男性の目線に立って「彼女はどのようなことを考えていたのだろう」と考えさせる作りになっているね。
三本目は単純にお話として好きだ。百年の恋も冷める瞬間ってきっとあるんだよね。遠く離れたときに、「こいつって何て勝手なんだ」と思うことある。相手には相手の事情があるのは分かっているんだけど。

No.12 幻の少女(ほげおちゃん)
http://text-poi.net/post/hogeochan_ver2/14.html

……(´・_・`)
なんか散々言っておいてコレっていうのがどーもね……
正直ゼロフィニッシュも覚悟しております。
残念なのは、最後の最後のほうになって色々アイデアが出てきたけど形にできなかったこと。

 ***********************【投票用紙】***********************
 【投票】:No.11 近未来「次世代整形」オムニバス(muomuo)

 気になった作品:No.06 若者たち(すずきり)
********************************************************

次点はNo.02。
BNSK側の投稿が少なくて心配してたけど、少し前のレスによるとてきすとぽいに直接投稿している人が多いのかな?
じゃあ多分大丈夫かな。うん。
次回はさすがに、というかちょっとマンネリ気味なのでもっと気合入れて書かないとね。
やっぱりプロの作家さんってすごいわ、と思った今日この頃。
※ このコメントには、作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
[ コメント本文を表示する ]
No.01 ずっと私の隣にいてくれませんか、と言いたかっただけ(犬子蓮木)
http://text-poi.net/post/sleeping_husky/30.html

「幻の恋人」というお題は個人的に難しかったのだけど、なるほど、こういう物語もあるのかと示した作品。
が、私にはどうしてもこの軽い主人公に好感を持てなかった。本当に好きだったら、男性に対してもっと臆病であるべき。最後の展開ね。
男性の立場から見て主人公が一体何を考えているのかよくわからないし、そのくせイニチアシブとろうとするんだから絶対イライラするぜ。
そんなふうに積もり積もった男性の怒りが爆発して、最後にはろくでもない終わりになりそう。
私的には、そのあたりまで突っ込んで書いてほしかったなあと。
そういう方面で力を発揮する作者だと思っているので、余計、ね(´・_・`)

No.02 君が言ったナッツは遠い幽冥の中、騒乱に消えてった打ち上げ歯並び(茶屋)
http://text-poi.net/post/chayakyu/80.html

最初のDATEIF文には笑ったわ。
けどこれ、彼氏いたことがあろうがなかろうが結果が変わらない式になってしまっているんだよな。そのあたりはもう少し拘りがあってもいいんじゃないかと。
今の「とりあえず思いつきましたー!」感も嫌いじゃないけどね。
勿体無いのは、この作者の作品には毎回言っている気がするけど、設定の説明が主であまり物語になっていないんだよな。
モノローグを使わないという縛りをつけて一回作品を書いてほしいな。

No.03 銘菓、幻の恋人(碓氷穣)
http://text-poi.net/post/_latefragment/27.html

あれ、これ幻の恋人関係あるか……?
もしかして「白い恋人」と掛けてるのかなこれ、と思ったけど、調べてみたら「幻の恋人」ってお菓子あるんだ。ふーん、みたいな。
……いや、なかなかコメントが難しいなこの作品は(・_・;
単に「幻の恋人」というお菓子を使ってみた推理小説と考えていいのだろうか。なんだろ、それだともう少しトリックに工夫があってもいいと思うし、ようするにどういう方面で解釈していいか迷う作品である。

No.04 不完全なラブレターと、歯と共に眠る(木下季花)
http://text-poi.net/post/kika_kinoshita/8.html

私が今回のネタをまったく思いつかなかったとき、とりあえず他の人の作品を読んでみようと思って真っ先に読んだ作品。
あー、なるほど、こういう系もあるなあと少しヒントになりました。
で、この作品自体の感想なのだけど、どうやら作者はモノローグ的に話を進めていって、少しずつ主人公の異常性を明かしていくというのが一つのスタイルになっているようだ。文体はとても読みやすく雰囲気があり、あとはその異常性にどこまで興味を惹かれるかというところ。
残念ながらこの作品には、私はあまり惹かれませんでした。
というより、何故か意味のない嘘をつくというキャラクター自体は楽しい。私も経験があって、どのようなときに人が騙されやすいかたまに研究したりする。
だけど本作品ではその嘘をつくことに理由をつけてしまったことで、せっかくのキャラクターが死んでしまったように感じた。
というより、ぶっちゃけ話の流れからすると最後のは後付けに近い気がしたのだが、どうなのだろう。
もしこの結末が後付けでなく最初から練られたものであったならば、まず結末の話を最初に持ってくるべきだったと思う。
主人公がなぜ嘘をつくのか、ではなく、嘘をつくことでどのようなことが起こっていくか、という方向で書いてほしかった。

No.05 isn't she lovely(木下季花)
http://text-poi.net/post/kika_kinoshita/9.html

これもNo.04と同じくモノローグ形式なのだけど、ちょっと最初のほうでいっぱいいっぱいになった。
発想の豊かさに関心を払うのだけど、おそらくこのまま大したことが起こらないまま終わるんだろうという予感がして、実際そのとおりに終わってしまうのが残念。
なんというか、もっと頭使えるはず(´・_・`)

No.06 若者たち(すずきり)
http://text-poi.net/post/tamamogari/2.html

私は例のドラマを見ていないのだけど、この作品のタイトルはやはりそこから取ったのだろうか。
個人的にこの小説は少し残念。
というのは、書きたいテーマがあるし、実際に書けているように思えるのだけど、「うーん、なんかなあ」という印象が残る。
石って何のために出したんだろう……てっきり石がスミをハメたのだろうと思ったけれど、そうでもなさそうだし。
夢を追いかけている主人公が女性の色香に惑わされるシーンはすごく好き。人間ってそういうもんだよ。

No.07 あの暑い夏(如月恭介)
http://text-poi.net/post/KyouskeKisaragi/3.html

彼女可哀想だなあという印象。
これがリアルの話だったら思うところはあるのだけど、創作だからなあ。
もう少しドラマを見せてほしいと思いました。

No.08 権兵衛の決断(しゃん@にゃん革)
http://text-poi.net/post/syan1717/46.html

あれ、結構真面目じゃね……?
ビルマの竪琴の主人公ってミズシマだっけ。全然覚えてないや。
七十年の歳月を経てビルマに戻ってきたのだけど、なぜビルマに惹かれたのかその理由が少し浅いと思いました。
というか、短編でそれを書くのは尋常ではない。
わたし軍医の自伝読んだけど、暑いから早く治療しろってお股パカパカしていた売春婦がいたり、性病でちんちんが半分千切れた青年に出会ったり、壮絶だった。
「あれ、これ足切らないと全身壊死すんじゃね? けど怖いから様子みよ」→「手遅れだったわ!」みたいな。
単にエピソードの不足というものもあるけれど、何時間も本を読んで脳が疲れた先に訪れるもの。
そういう感覚を短編で得るのは非常に難しいと思うんだよねえ。

No.09 たとえアナタがいなくても(三和すい)
http://text-poi.net/post/miwa_sui/30.html

こういう作品を見るたび思うんだけど、まったく姿形の違うものを愛するってかなり難しいことなんじゃないかな。
例えば犬や猫となら両想いになる人間はいるかもしれないって考えるけど、虫やクラゲになると「いや、ねーだろ」っていう気がするんだよね。もう根本的に生物として違うじゃん。
クラゲみたいな格好のくせに人間みたいな考え方をしているって相当ファンタジーな設定で、そのあたりをもうちょっと練ったほうがいいんじゃないかと私は思いました(´・_・`)

No.10 実直な男(ドーナツ)
http://text-poi.net/post/donut_no_ana/2.html

170cmそこそこって普通の背丈じゃない?
ひとまずそれは置いといて。世の中の多くの人は、自分が何故そのような行動に至ったかをうまく説明できずにいる、と私は考えている。
女装すると自由になれる、というのはその典型じゃないかな? と思うのだけど、どうだろう。だって単に自由になりたいなら他に方法がある気がするんだよね。
なぜ女装を選んだのかと、それにより具体的にどのような感情を得たか。もっと掘り下げていいと思う。
あともうちょっと、登場人物をうまく使ってほしいと感じた。探偵の領域外にしても、やはり結末がどうなるかの示唆は欲しいところ。

No.11 近未来「次世代整形」オムニバス(muomuo)
http://text-poi.net/post/muo_2/13.html

これが今回のベスト。ありがとうございました。
短編が三本あって三本とも面白いのだが、後の作品のほうがより面白いところがいいね。
二本目の作品は女性に対して思うところがなかったわけではないけれど、主軸はあくまで男性に置かれているので、男性の目線に立って「彼女はどのようなことを考えていたのだろう」と考えさせる作りになっているね。
三本目は単純にお話として好きだ。百年の恋も冷める瞬間ってきっとあるんだよね。遠く離れたときに、「こいつって何て勝手なんだ」と思うことある。相手には相手の事情があるのは分かっているんだけど。

No.12 幻の少女(ほげおちゃん)
http://text-poi.net/post/hogeochan_ver2/14.html

……(´・_・`)
なんか散々言っておいてコレっていうのがどーもね……
正直ゼロフィニッシュも覚悟しております。
残念なのは、最後の最後のほうになって色々アイデアが出てきたけど形にできなかったこと。

 ***********************【投票用紙】***********************
 【投票】:No.11 近未来「次世代整形」オムニバス(muomuo)

 気になった作品:No.06 若者たち(すずきり)
********************************************************

次点はNo.02。
BNSK側の投稿が少なくて心配してたけど、少し前のレスによるとてきすとぽいに直接投稿している人が多いのかな?
じゃあ多分大丈夫かな。うん。
次回はさすがに、というかちょっとマンネリ気味なのでもっと気合入れて書かないとね。
やっぱりプロの作家さんってすごいわ、と思った今日この頃。
2014.09.10 05:52

※ このコメントには、作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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 確かに姿が違う相手を愛するのは難しいですね。
 彼女が彼を連れて行けない理由がうまく思いつかなくて、姿を違うことにしてみたのですが、他の理由も考えてみたいと思います。
 ご指摘ありがとうございます。
2014.09.10 16:26

独りよがりな内容になっていたようで反省しました。
真摯なご意見ありがとうございました!
※ このコメントには、作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
[ コメント本文を表示する ]
感想転載

簡単ですが全感をば。

1
ストレートな恋愛ものといった感じですね。
ただ、ストレートすぎてキャッチーさがないというか。

2
恋人って何だ?みたいな問いに対し、ひたすら主人公が小難しい(ように見える)思索を繰り広げてるわけですが、
これだけで一作品に仕上げるのは厳しかったんじゃないかなあ、と。
結局彼女のキャラクターが見えないんですよね。まあ、見せようという小説じゃないからなんでしょうが。
それと、タイトルはなんでああなったのでしょう?「ダメそうだな」と思われるようなタイトルはそれを裏切れないと付けちゃいけないんじゃ。

3
すがすがしいほどテーマを無視してきやがったな、と。まあ、それもいいんですけど。
典型的ミステリーですが、ちょっと典型的すぎるんですよね。
多かれ少なかれ「犯人は誰だ」的な要素があるとなると、びっくりするようなトリックとか、探偵役の物凄い洞察とか、そういうのを期待してしまいます。
あと、本文中には問題の台詞を執事が言ったと明記されてないんですよね。もしかしたら真犯人は別に?ということを考えたのは楽しかったです。作者さんの意図ではなさそうですが。

4
昔好きだった人が死んだ→そこから嘘で固めるようになった、というロジックは上手いですし、淡々とした文章もある種の恐ろしさを感じさせます。
ただ、犬を殺すくだりがちょっと分からなかったです。主人公の感情が普通じゃないという描写なのでしょうか?


5
うーん、伝えたいメッセージが掴めない。

6
品評会的には「勝ちやすそう」な作品だなあ、とか思ってしまうのは私がひねくれてるからですが、上手くまとまっていると思います。
文体も舞台の近代日本とよく合って雰囲気を作っています。
内容的には、きちんと知的好奇心のためにどうすべきか?というテーマを消化していると思いました。Kが、向上心のない奴は馬鹿だ、と言ったのを思い出します。
最後の「 私は実家に洋雑誌を乾かしたまま、置き忘れてしまった事に気がついた」というフレーズだけ、なんか説明調で浮いている気がしましたが。

7
なんというか、物語が薄い、という感じがしてしまいます。ありがちな感じもしますし。
この短い中に内容を詰め込めとは言いませんが、もっと独特な雰囲気を作るとか、感情の揺れを描くとか、そういうことを期待したいです。

8
この人のこのシリーズは品評会の定番になりつつありますねw
ビルマの竪琴をちゃんと見たことがないのでコメントしづらいです。

9
良く掛けた短編、って感じがします、前半の男のパートは「幻の恋人」というテーマド直球でありつつも惹きつけられるものがありました。
後半にありきたりではないSF設定がぶち込めれば素晴らしいのですが、そこまでもとめるのはさすがに酷でしょうか。

10
>>131にもありますが、170の男って全然小柄じゃないですね。
「兄は小柄で女は大柄」という情報を出すための文言なのでしょうが、一般的な感覚と違う以上、わざとらしさを感じます。
それに一度に情報がでるのでそこでネタが割れちゃうんですよね。兄が小柄なことを別の場所でしれっとだして、
「そういえばそうか!」みたいに思わせるのがミステリーのテクニックなのかな、とか思いました。
喫茶店のマッチのくだりもちょっと不自然に感じました。全体的に作り物っぽさがあるように思えます。

11
おお、これは。
各2000字くらいの短編でここまで読ませるとは。
これについては、もう1回しっかり読んでからじゃないと感想書けないなあ……

12
手堅く上手いですね、ほげおさんは。この人も勝ちやすいタイプだなあ、とか思っちゃいます。
読みやすい文章+青春モノ、っていうスタイルがマッチしているんでしょうか。
武藤君、他クラスから見に来られるレベルのイケメンだったらそこまで特技とか無くてもモテんだろ……とかちょっと思いましたが。


***********************【投票用紙】*********************
 【投票】:No.11 近未来「次世代整形」オムニバス

 気になった作品:No.06 若者たち, No.12 幻の少女
********************************************************
※ このコメントには、作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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感想転載

感想転載


No.01 ずっと私の隣にいてくれませんか、と言いたかっただけ(犬子蓮木)

このような、ユルい感じのラブコメ好きです!
漫画などでよく使われる設定である、「恋人のふりをして」という始まり方も、王道ですが好みです。

ただ王道であるがために、よくある展開に終始してしまい、そのまま最後まで行ってしまったと言うのは残念です。
女性が時として見せる理不尽さ、我儘な恋心というのはリアルで、上手に表現できているように思うのですが、
漫画と違って絵で見せる可愛らしさというのがない分、文字で表す主人公のキャラクターが弱いかなと思ってしまいました。
やはりラブコメは男の子や女の子のキャラクター性が読者を惹きつける大きな要素となってくると思いますので(もしかしたら偏見かもしれませんが)
その部分で女の子の可愛らしさ、男の子カッコよさ(若しくは可愛らしさ)をもう少し表現できていたらなと、
我儘な読者のような感想を抱いてしまいました。

読者をキュンとさせるような演出、あるいは読者をドキドキさせるような演出が小説の中に巧く仕掛けられていたら、
ラブコメとしてもっと面白くなるのでは無いかと思います。

でも、本当にこういう女の子いると思います。そのあたりはとてもリアルで、私は少し笑ってしまいました。
好みの小説だと言うことは、はっきりと述べておきたいと思います!



No.02 君が言ったナッツは遠い幽冥の中、騒乱に消えてった打ち上げ歯並び(茶屋)

お題に対するアプローチの仕方はとても好みです。
何と言うのだろう、自分の語彙が貧弱なのでうまく表現は出来ませんが、恋人を科学的な事象として(?)書き進めていくと言うアイデアは
実験的で面白かったです。
その試みはとても面白かったのですが、やはりそれのみで、この書き方は好きなのですがこの作品を推せるほどの特別な『何か』というのは感じ
られませんでした。



No.03 銘菓、幻の恋人(碓氷穣)

私は推理小説をほとんど読まないから分からないのですが、お菓子に毒が入っていると執事が明言している描写が事前に書かれてないので、
種明かしでいきなり答えが提示されたように思ってしまいました。推理小説ではこのようなトリックが当たり前なのでしょうか。
私なんかはすっかり騙されて(というか推理小説を推理しながら読む習慣がないのですが)しまいました。

うーん、個人的に推理小説に触れてこなかったので、あまり批評は出来ません。
なのでただの感想になってしまうのですが、何となくの証拠で毒が入っていないと決めつけお菓子を全部食べてしまったり、
証拠としては少々弱いかもと言ったり、確証がないのにカマをかけて自白させるようなタイプの探偵は、
いつか大きな失敗をしそうだなあ、と思いました。
いや、それは私が推理小説に触れてこなかったから、ひねくれるようにそう思っているだけなのでしょうけれど……。



No.04 不完全なラブレターと、歯と共に眠る(木下季花)

自作です。プロットを書かずに書き始めたものだから、構成の仕方が悪いです。
直そうと思っても、1から作り上げることが出来ず、このままになりました。反省です。
個人的には気持ちが入って書けたのですが、うーん……9000字におさめるには大きすぎるテーマを扱ってしまいました。
書き足りないところがいっぱいあります。
というか、掌編なのだから、もっと書き方があったのだと思います。それかそれにふさわしいテーマを選択するべきでした。

書き上げた当初は稚拙な作品にしか思えませんでしたが、
時間を置いて読んでみると、冷静に読め、良い部分と悪い部分がなんとなく自分でもわかるようになりました。次に生かします。


No.05 isn't she lovely(木下季花)

自作。



No.06 若者たち(すずきり)

かつての時代の若者を描いた作品。確かにタイトルはピッタリですね。余計なひねりが無くて好みです。
傘をコウモリと言ったり、ちょっとを一寸と書いたりというのが、雰囲気が出ていました。

批評と言うよりも感想になってしまうと思います。
最初に情景描写が続いて、少し物語に入りにくいとは感じましたが
読んでいるうちに小説に没入し、読み終わった後は心地よい読後感を味わうことが出来ました。
いつの時代も自らの境遇に悩み、環境を呪い、自由を求めようとする若者が大勢いますが、
その葛藤を過剰に描くのではなく、静謐な雰囲気で書ききったと言うのが良かったです。

最初の場面で、詩的な言葉を多用して風景描写を続けたのは、やはり読みにくかったです。
そこだけは、作者のエゴが見えた気がして(あくまで私の感想ですが)、もっと引っ掛かりの少ない
読み手を意識的に留まらせない表現の方が良かったのではないかな、と思いました。

鋭い表現をしようとせずに、主人公の何気ない心情を描きながら物語に入らせる方が、私には良いように思われました。

中盤からは、会話の間や、沈黙の空気感、それぞれの何気なくも心情を表した動作
>>私は茶の水面ばかりをじっと見つめ、彼女は掛け軸の方をじっと見つめていた。
などが入っており

それから
>>再び室内はしんと静まる。ほとんど不意打ちのような質問に、私は口をつぐんだ。今する返答が、どれほどの重みを持つ
のか、計りかねた。
などの緊張感を表した一文などが効果的に入っていて、作品の雰囲気がしっかり作られているように思いました。

こういう物語は良いですね。きっちり小説を読んだ、という気分に浸れました。
※ このコメントには、作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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感想転載2/2

No.07 あの暑い夏(如月恭介)

このような理不尽な事故で恋人を亡くされると言うのは、やはりとても悲しいものです。
しかしこの小説は淡々としすぎていて、ニュース番組などで軽く紹介される不幸な人の話、という印象を持ちました。
主人公の喪失感や、深い悲しみが見えてきません。
決して悪い作品ではないのですが、悲しい物語であるのに、どうにも主人公あるいはヒロインに感情移入するほどの情報が与えられずに、そのまま終わってしまった印象を受けました。
主人公の葛藤や、彼女を失くした時の悲しみ、あるいは彼女が亡くなってしまうまでのドラマティックな展開が見たいなと思いました。



No.08 権兵衛の決断(しゃん@にゃん革)

真面目に語る文体の中で、唐突に幼稚な口語体が出てくる表現は、正直気になります。それに作者が頼ってしまっていると言うか、
もちろんそれが味でもあるのだろうけど、まったく作品の中で生きていないように感じます。上滑りしているような。
それと唐突に挟まれる現代ネタも駄目です。もっとまじめに書いてほしかったです。

しかし、私は今回の中でこの作品が一番好きかも知れない。というか、好きです!
一人の人間の人生のハイライトを、2500字ほどで読ませるのはなかなかにすごいことだと思います。
最後の場面がとても良いです。ちょっとふざけた感じに表現しているのは作者の照れ隠しなのか、それとも癖なのかは判別できませせんが
ボケてしまって間違った場所に連れていかれようと、最後まで自分の中に存在し続けたかつての思慕に浸って死を受け入れる瞬間、
場所がどこであろうが、自分の中で愛した女性は常に自分の中で暖かい宝物として存在し続けるのだ!
その一瞬の煌びやかな思い出さえあれば人生がどんなに悲惨であろうが、幸せであれるのだ!
となんだか格好いい終わり方に私には思えて、ああ、しゃんさんってこういう小説を書く人なのか、と驚かされました。
今までの作品は私の固定概念のためか作者の意図を理解できないこともありましたが、今回の作品は素晴らしいです。


ここがあんたの目指した場所さ、という台詞の哀愁もいいと思います。
主人公が最後にたどり着いた場所が、発達してしまった日本の街だと言うのがいい皮肉になっていると思います。
どんなにボケていても、愛する人のことは忘れない爺さんのかっこよさが、私にはなんだかグッときます。
間違った街の真ん中で骨を埋めると言う終わり方と共に、そこになんだか強烈な皮肉が込められているような気がするのです。


No.09 たとえアナタがいなくても(三和すい)

設定としては星新一さんが描くショートショートに似ているのだけれども、より主人公の感情に接して描き、
ドラマティックにしたような作品で、面白く読み進めていきました。

ただ個人的な感想になってしまうのですが、意図的に淡々と描かれたのか、女性側の感情があまり強く伝わって来ませんでした。
男性との愛の日々を表すエピソードがもう少しあれば、この女性の苦しみがもう少し理解できるような気がするんだけれどなあ、
という歯がゆい思いが、読後の感想として残ってしまいました。
どうして彼を好きになったのか、もう少し詳しく知りたいな……と。

それに、やはり恋人を殺しておいて感情が爆発することもなく、『たとえアナタがいなくても、私はアナタだけを永遠に愛し続ける』
と、(ある意味では主人公が嫌っているきれい事で)納得してしまう終わり方も、少し呆気ないかなあとは思いました。
異星人だから地球人と感情の表れ方が違うのかもしれませんが、もっと悲しみが表れてもいいんじゃないかと思います。
もちろん読み手の好みに過ぎないと言い返されてしまえば、返す言葉はないのですが……。

仕事のために感情を抑え、淡々とこなしていかなければならないのは解りますが、婚約をしないと自ら誓約を負ったことも解りますが、
なんだか最後の描写にて、主人公にとっての男がすでに消化された思い出となっているように感じたので、
もう少し物語の中で一番盛り上げるための描写として描けたのではないかなと、そのような思いを抱きました。
偉そうな指摘でご気分を悪くされたら申し訳ありません。

物語の展開の仕方としては、ミステリ的に、序盤に謎を提示して読者を引っ張る展開はとても好みでした。
消えた彼女は一体誰なんだろう、と気になりながら読むので止まることなく読み進めていけました。
個人的には、中盤でああ宇宙人なんだろうなとわかってしまう残念感があって、
最後に宇宙人だったと種明かしされる展開の方が好きなのですが、そこは書き手の好みも反映されますし、
また読み手の好みによって評価もころころ変わると思いますので、あくまで感想としてお聞き下さい。

小説としてはとても好みなのですが、もう少し盛り上がる場面が、読者の心を揺さぶろうとするピークが欲しいと思ってしまう、
好きなだけに歯がゆさを感じさせてしまう作品でした。



No.10 実直な男(ドーナツ)

無駄に物語を広げる余分な描写や、作者の自己満足的な表現を一切書くことなく、淡々と綺麗にまとめていくこの書き方は、
簡単なようでいて、なかなか難しい事なのではないかと思います。
元々作者がこの書き方を得意としているのか、あるいはあえてこの書き方に挑戦したのかは分かりませんが、
個人的にはこの作品にてそれは成功していると思いますし、最後までの持って生き方が上手だなと唸らされました。読みやすかったです。
短く、淀みなくまとめられている。欠点がない小説だと思います。

兄の恋人とは誰なのだろう、幻の恋人というテーマとどう絡むのだろうと期待しながら読み、
最後の場面でうまく着地して、謎が明かされる書き方は好みです。

小説やアニメ・漫画のミステリ作品でよくあるような(あまりミステリを深く読み込んでいないので勘違いでしたらごめんなさい)、
最後の場面で自分がやったことに対する動機を語りだすというのも、オチとして綺麗にまとまっていると思います。

違う方が指摘されていた最後の場面のことですが、
女装をしたことに関して長々と語ってしまうと、それはまた違う方向のアプローチとして小説のテーマを複雑なものにしてしまうというか、
作者の意図しない方向へ広げてしまうような気がするので、私はこの終わり方でありだと思います。
きっちりエンタメに徹したこの書き方のままでいいように思われます。


一つだけ強いて苦言を呈するとするならば、さすがに妹も女装した兄と会えば(もしくは見れば)気づくんじゃないかな、と。
なぜそこで兄と会う前に探偵と会ってしまったのかという理由づけが不十分な気がしました。

兄と会ったこともない探偵が気がつくのに、妹は女装した兄を見ても違和感すら抱かない。
まあミステリにはこのような、絶対にわかりそうなことを無視して進めて展開するということが結構あるように思いますので、
私も特別それが気になったわけではありませんが、その辺が気になる方もいらっしゃると思いますので、
何かしらその辺に関する理由づけなり、妹がなぜ気づかなかったのかと分かりやすく説明する描写があればいいなと、
余計なおせっかいのようにして思ってしまいました。


Np.11 近未来「次世代整形」オムニバス(muomuo)

この小説は個人的には評価が難しい小説です……。

文章はとても上手だと思います。以前からこの作者さんの文章の端正さに惹かれており、テーマや物語さえ合えば、
きちんと評価される作品を描けるだろうなあと、なんだか作者から鬱陶しく思われるファンのような気持ちで読んでいました。

ショートショートとして、三作品ともきちんと書かれていると思います。
何と言いましょうか、設定は星新一的なんだけれど、書き方や読み手へのアプローチの仕方は阿刀田高的な(あくまで自分
がそう思っただけです、すみません)
面白い小説だなと、感じました。

完成度は高いと思います。ただ一つ一つの話に惹かれたかというと、そんなに自分にはぴんと来なかったです。
三つのお話はどれもよく出来ていて、物語的な繋がりはなくとも、世界観を表現することに成功はしているのですが、
例えば前に挙げた星氏と阿刀田氏の作品のように、幾つかある作品の中で唐突に、あっ! このお話すごいっ!?
と思わせられる、ショートショート特有の驚きと言うのが感じられなかったです。
と、殆ど難癖をつけるようにして言いましたが(だって作者さんはこれをショートショートだとも明言していないし、
私が勝手に名前をあげてプロと比べて、それでここを直すべきだなんてあまりにもひどい言いがかりですよね)
一つでも読者の予想を裏切るような、あえて意地悪く読み手を騙すような、そんな仕掛けがあれば良かったかなと思いました。

しかしながら、設定の作り方、そしてその説明の仕方、世界観の提示の仕方、それを失敗せずに
6000字でやり遂げるのはやはり見事だと思います。
偉そうに言う私はそれが出来ていません。あなたはすごい!



No.12 幻の少女(ほげおちゃん)

主人公が可愛らしいです。思春期にありがちな、男女間の理不尽なモヤモヤ感をうまく書けていると思いました。
お互いの感じ方や考え方(もっと言えば哲学?)が違うのに、自分の考え方を無理に相手に押し付けるというのも、
男女間では結構あるように思います。その辺がリアルでありながらコミカルに描かれていると思います。
お互いの気持ちを、お互いの歌詞を代理戦争的に経由して伝えているというアイデアも面白いと思います。

ただ、やはり普遍的なテーマであるためか、見せ方が弱いなと感じてしまいました。
このようなテーマは色々な方が描いていると思いますが、結構やり尽くされいる感があって、
もちろんまだまだ色々と面白く書かれる小説は出てくるのでしょうが、この小説においても読者を惹きつけるような設定なり、
物語の山場が欲しいと言うのが正直な感想でした。もしくは読者の心を奪うようなキャラクター性。

歌詞を通じて……というのはキュンとくるような設定ではあるのですが、ただ最後まで何事もなく終わってしまった、というのはやはり残念だと思ってしまいました。
(もちろんこの批評、自分の作品にも言える事なのですが……)

少女漫画やレディースコミック、あるいは恋愛小説でよくあるように、過剰に思えるかもしれないけれど、
読者の心を震わせられる演出、というのがあればこの作品はとても映えるのではないかと、そのような感想が頭に浮かびました。


***********************【投票用紙】***********************
 【投票】: No.08 権兵衛の決断(しゃん@にゃん革氏)

今回、一番小説として楽しめた作品であり、色々と文の中から主人公(+作者)の想いを読み取る(想像する?)面白さがあった作品でした。
文体が物語にマッチしてかつての時代の雰囲気を感じさせたのもよかったです。

個人的には最後の描写の演出というか、作者が意図したかは分かりませんが、悲しみを滑稽に描き、
私たちから見た時には馬鹿に見えるけれど、本人のその思いは誰にも馬鹿に出来ないほど真剣だった、というシーンが、
老人の想いの報われなさが何倍にもなって襲いかかって来るように思え、その書き方がとても新鮮で驚かされました。
というか勉強になりました。そのような書き方があったのか、と。
痴ほう症になって歯も全部抜けた、私たちから見たよぼよぼのお爺ちゃんにも、
私たちの知らない時代の大きな悲しみと過酷な環境での愛を背負っているのだという、
ある意味で老人を大事にしない若者に対する皮肉もあったと言うか、まあ深読みし過ぎかもしれませんが。
とにかく、そのシーンを書くまでの描写が短くも丁寧に描かれており、個人的には文句なしの投票となりました。

ちなみにとあるライターの話なのですが、昔の暴走族がよく書いていた「夜露死苦」という文言は、彼らが生み出した最高の詩だと言い切った人がいました。
たった四文字で自分たちの不自由さや苦しみを表現した傑作だと。
この作品も一見するとふざけた言葉がありますが、滑稽に見えるのに描かれている人が切ないほどに真剣だというのが、とても良かったのです。



気になった作品:No.10 実直な男(ドーナツ氏)

完成度が高く、物語の初めから終わりまでの流れが綺麗でした。読みやすく、掌編としてとても素晴らしい作品でした。
ただ今回は、印象に残るシーンがなかったと言うことで関心票となりましたが、同じような作品が並んだ時に、
この完成度の高さは強みになると私は思います。


        No.06 若者たち(すずきり氏)
        
この作品、最後に読んだのですが、やはりどうしても気になるので、関心票を入れさせていただきます。
雰囲気と文体が好きでした。完成度も高かったと思います。
手紙の部分で、もう少し読者に訴えかける表現が欲しかったです。
        
********************************************************



ーーーーーーー総評ーーーーーーー

やはり色々なジャンルが揃う中で、それぞれの読書観によって評価をすると言うのは難しいですね。
もちろんそれが品評会の良さでもあるのですが。
人によって正反対の意見が出たり、自作の意図した面白さが理解されなかったり、他作品で自分が分からなかった面白さを他人の意見で知ることが出来たり、
やはり品評会は有意義な場所だと感じました。自分は今回、納得する作品が書けなかったのですが、自分ではわかりづらいような、自覚していなかった部分を指摘されることで、
色々参考になることもありました。
どうしても品評会となると、欠点の少ない完成度の高い作品が優勝することが多いのですが、まあやはり小説とはそういう物なのだと思います。
いくら自分の伝えたい思いがあっても、気持ちを乗せて書いても、完成度の低い作品、欠点の多い作品が読者に好まれることは多くありません。
自分も、次に出ることがあれば、丁寧に仕上げた作品を出したいなと思っています。なんだか言い訳のようですけれど、そう思います。
もしくは欠点がありながらも、それを凌駕するほどの強い引きを持った小説。それが書けたら苦労はしませんが。
ということで今回の優勝は「No.11 近未来「次世代整形」オムニバス(muomuo)」でした。
おめでとうございます!

優勝者は9/20頃までに、本スレもしくはてきすとぽいのコメント欄に次回お題の投稿をお願いします。

参加された皆さんお疲れ様でした!
※ このコメントには、作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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感想転載

簡単ですが全感をば。

1
ストレートな恋愛ものといった感じですね。
ただ、ストレートすぎてキャッチーさがないというか。

2
恋人って何だ?みたいな問いに対し、ひたすら主人公が小難しい(ように見える)思索を繰り広げてるわけですが、
これだけで一作品に仕上げるのは厳しかったんじゃないかなあ、と。
結局彼女のキャラクターが見えないんですよね。まあ、見せようという小説じゃないからなんでしょうが。
それと、タイトルはなんでああなったのでしょう?「ダメそうだな」と思われるようなタイトルはそれを裏切れないと付けちゃいけないんじゃ。

3
すがすがしいほどテーマを無視してきやがったな、と。まあ、それもいいんですけど。
典型的ミステリーですが、ちょっと典型的すぎるんですよね。
多かれ少なかれ「犯人は誰だ」的な要素があるとなると、びっくりするようなトリックとか、探偵役の物凄い洞察とか、そういうのを期待してしまいます。
あと、本文中には問題の台詞を執事が言ったと明記されてないんですよね。もしかしたら真犯人は別に?ということを考えたのは楽しかったです。作者さんの意図ではなさそうですが。

4
昔好きだった人が死んだ→そこから嘘で固めるようになった、というロジックは上手いですし、淡々とした文章もある種の恐ろしさを感じさせます。
ただ、犬を殺すくだりがちょっと分からなかったです。主人公の感情が普通じゃないという描写なのでしょうか?


5
うーん、伝えたいメッセージが掴めない。

6
品評会的には「勝ちやすそう」な作品だなあ、とか思ってしまうのは私がひねくれてるからですが、上手くまとまっていると思います。
文体も舞台の近代日本とよく合って雰囲気を作っています。
内容的には、きちんと知的好奇心のためにどうすべきか?というテーマを消化していると思いました。Kが、向上心のない奴は馬鹿だ、と言ったのを思い出します。
最後の「 私は実家に洋雑誌を乾かしたまま、置き忘れてしまった事に気がついた」というフレーズだけ、なんか説明調で浮いている気がしましたが。

7
なんというか、物語が薄い、という感じがしてしまいます。ありがちな感じもしますし。
この短い中に内容を詰め込めとは言いませんが、もっと独特な雰囲気を作るとか、感情の揺れを描くとか、そういうことを期待したいです。

8
この人のこのシリーズは品評会の定番になりつつありますねw
ビルマの竪琴をちゃんと見たことがないのでコメントしづらいです。

9
良く掛けた短編、って感じがします、前半の男のパートは「幻の恋人」というテーマド直球でありつつも惹きつけられるものがありました。
後半にありきたりではないSF設定がぶち込めれば素晴らしいのですが、そこまでもとめるのはさすがに酷でしょうか。

10
>>131にもありますが、170の男って全然小柄じゃないですね。
「兄は小柄で女は大柄」という情報を出すための文言なのでしょうが、一般的な感覚と違う以上、わざとらしさを感じます。
それに一度に情報がでるのでそこでネタが割れちゃうんですよね。兄が小柄なことを別の場所でしれっとだして、
「そういえばそうか!」みたいに思わせるのがミステリーのテクニックなのかな、とか思いました。
喫茶店のマッチのくだりもちょっと不自然に感じました。全体的に作り物っぽさがあるように思えます。

11
おお、これは。
各2000字くらいの短編でここまで読ませるとは。
これについては、もう1回しっかり読んでからじゃないと感想書けないなあ……

12
手堅く上手いですね、ほげおさんは。この人も勝ちやすいタイプだなあ、とか思っちゃいます。
読みやすい文章+青春モノ、っていうスタイルがマッチしているんでしょうか。
武藤君、他クラスから見に来られるレベルのイケメンだったらそこまで特技とか無くてもモテんだろ……とかちょっと思いましたが。


***********************【投票用紙】*********************
 【投票】:No.11 近未来「次世代整形」オムニバス

 気になった作品:No.06 若者たち, No.12 幻の少女
********************************************************
2014.09.14 01:51

※ このコメントには、作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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身長の件は、お二人からご指摘を受けましたので、これは認識を改めなくてはいけないなと思いました。
また、おっしゃる通りミステリーの形式を取っていながら、謎解きの楽しさは少なかったと思います。
ご意見を生かして今後、書いていければと考えております。
ありがとうございました!
※ このコメントには、作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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感想転載2/2

No.07 あの暑い夏(如月恭介)

このような理不尽な事故で恋人を亡くされると言うのは、やはりとても悲しいものです。
しかしこの小説は淡々としすぎていて、ニュース番組などで軽く紹介される不幸な人の話、という印象を持ちました。
主人公の喪失感や、深い悲しみが見えてきません。
決して悪い作品ではないのですが、悲しい物語であるのに、どうにも主人公あるいはヒロインに感情移入するほどの情報が与えられずに、そのまま終わってしまった印象を受けました。
主人公の葛藤や、彼女を失くした時の悲しみ、あるいは彼女が亡くなってしまうまでのドラマティックな展開が見たいなと思いました。



No.08 権兵衛の決断(しゃん@にゃん革)

真面目に語る文体の中で、唐突に幼稚な口語体が出てくる表現は、正直気になります。それに作者が頼ってしまっていると言うか、
もちろんそれが味でもあるのだろうけど、まったく作品の中で生きていないように感じます。上滑りしているような。
それと唐突に挟まれる現代ネタも駄目です。もっとまじめに書いてほしかったです。

しかし、私は今回の中でこの作品が一番好きかも知れない。というか、好きです!
一人の人間の人生のハイライトを、2500字ほどで読ませるのはなかなかにすごいことだと思います。
最後の場面がとても良いです。ちょっとふざけた感じに表現しているのは作者の照れ隠しなのか、それとも癖なのかは判別できませせんが
ボケてしまって間違った場所に連れていかれようと、最後まで自分の中に存在し続けたかつての思慕に浸って死を受け入れる瞬間、
場所がどこであろうが、自分の中で愛した女性は常に自分の中で暖かい宝物として存在し続けるのだ!
その一瞬の煌びやかな思い出さえあれば人生がどんなに悲惨であろうが、幸せであれるのだ!
となんだか格好いい終わり方に私には思えて、ああ、しゃんさんってこういう小説を書く人なのか、と驚かされました。
今までの作品は私の固定概念のためか作者の意図を理解できないこともありましたが、今回の作品は素晴らしいです。


ここがあんたの目指した場所さ、という台詞の哀愁もいいと思います。
主人公が最後にたどり着いた場所が、発達してしまった日本の街だと言うのがいい皮肉になっていると思います。
どんなにボケていても、愛する人のことは忘れない爺さんのかっこよさが、私にはなんだかグッときます。
間違った街の真ん中で骨を埋めると言う終わり方と共に、そこになんだか強烈な皮肉が込められているような気がするのです。


No.09 たとえアナタがいなくても(三和すい)

設定としては星新一さんが描くショートショートに似ているのだけれども、より主人公の感情に接して描き、
ドラマティックにしたような作品で、面白く読み進めていきました。

ただ個人的な感想になってしまうのですが、意図的に淡々と描かれたのか、女性側の感情があまり強く伝わって来ませんでした。
男性との愛の日々を表すエピソードがもう少しあれば、この女性の苦しみがもう少し理解できるような気がするんだけれどなあ、
という歯がゆい思いが、読後の感想として残ってしまいました。
どうして彼を好きになったのか、もう少し詳しく知りたいな……と。

それに、やはり恋人を殺しておいて感情が爆発することもなく、『たとえアナタがいなくても、私はアナタだけを永遠に愛し続ける』
と、(ある意味では主人公が嫌っているきれい事で)納得してしまう終わり方も、少し呆気ないかなあとは思いました。
異星人だから地球人と感情の表れ方が違うのかもしれませんが、もっと悲しみが表れてもいいんじゃないかと思います。
もちろん読み手の好みに過ぎないと言い返されてしまえば、返す言葉はないのですが……。

仕事のために感情を抑え、淡々とこなしていかなければならないのは解りますが、婚約をしないと自ら誓約を負ったことも解りますが、
なんだか最後の描写にて、主人公にとっての男がすでに消化された思い出となっているように感じたので、
もう少し物語の中で一番盛り上げるための描写として描けたのではないかなと、そのような思いを抱きました。
偉そうな指摘でご気分を悪くされたら申し訳ありません。

物語の展開の仕方としては、ミステリ的に、序盤に謎を提示して読者を引っ張る展開はとても好みでした。
消えた彼女は一体誰なんだろう、と気になりながら読むので止まることなく読み進めていけました。
個人的には、中盤でああ宇宙人なんだろうなとわかってしまう残念感があって、
最後に宇宙人だったと種明かしされる展開の方が好きなのですが、そこは書き手の好みも反映されますし、
また読み手の好みによって評価もころころ変わると思いますので、あくまで感想としてお聞き下さい。

小説としてはとても好みなのですが、もう少し盛り上がる場面が、読者の心を揺さぶろうとするピークが欲しいと思ってしまう、
好きなだけに歯がゆさを感じさせてしまう作品でした。



No.10 実直な男(ドーナツ)

無駄に物語を広げる余分な描写や、作者の自己満足的な表現を一切書くことなく、淡々と綺麗にまとめていくこの書き方は、
簡単なようでいて、なかなか難しい事なのではないかと思います。
元々作者がこの書き方を得意としているのか、あるいはあえてこの書き方に挑戦したのかは分かりませんが、
個人的にはこの作品にてそれは成功していると思いますし、最後までの持って生き方が上手だなと唸らされました。読みやすかったです。
短く、淀みなくまとめられている。欠点がない小説だと思います。

兄の恋人とは誰なのだろう、幻の恋人というテーマとどう絡むのだろうと期待しながら読み、
最後の場面でうまく着地して、謎が明かされる書き方は好みです。

小説やアニメ・漫画のミステリ作品でよくあるような(あまりミステリを深く読み込んでいないので勘違いでしたらごめんなさい)、
最後の場面で自分がやったことに対する動機を語りだすというのも、オチとして綺麗にまとまっていると思います。

違う方が指摘されていた最後の場面のことですが、
女装をしたことに関して長々と語ってしまうと、それはまた違う方向のアプローチとして小説のテーマを複雑なものにしてしまうというか、
作者の意図しない方向へ広げてしまうような気がするので、私はこの終わり方でありだと思います。
きっちりエンタメに徹したこの書き方のままでいいように思われます。


一つだけ強いて苦言を呈するとするならば、さすがに妹も女装した兄と会えば(もしくは見れば)気づくんじゃないかな、と。
なぜそこで兄と会う前に探偵と会ってしまったのかという理由づけが不十分な気がしました。

兄と会ったこともない探偵が気がつくのに、妹は女装した兄を見ても違和感すら抱かない。
まあミステリにはこのような、絶対にわかりそうなことを無視して進めて展開するということが結構あるように思いますので、
私も特別それが気になったわけではありませんが、その辺が気になる方もいらっしゃると思いますので、
何かしらその辺に関する理由づけなり、妹がなぜ気づかなかったのかと分かりやすく説明する描写があればいいなと、
余計なおせっかいのようにして思ってしまいました。


Np.11 近未来「次世代整形」オムニバス(muomuo)

この小説は個人的には評価が難しい小説です……。

文章はとても上手だと思います。以前からこの作者さんの文章の端正さに惹かれており、テーマや物語さえ合えば、
きちんと評価される作品を描けるだろうなあと、なんだか作者から鬱陶しく思われるファンのような気持ちで読んでいました。

ショートショートとして、三作品ともきちんと書かれていると思います。
何と言いましょうか、設定は星新一的なんだけれど、書き方や読み手へのアプローチの仕方は阿刀田高的な(あくまで自分
がそう思っただけです、すみません)
面白い小説だなと、感じました。

完成度は高いと思います。ただ一つ一つの話に惹かれたかというと、そんなに自分にはぴんと来なかったです。
三つのお話はどれもよく出来ていて、物語的な繋がりはなくとも、世界観を表現することに成功はしているのですが、
例えば前に挙げた星氏と阿刀田氏の作品のように、幾つかある作品の中で唐突に、あっ! このお話すごいっ!?
と思わせられる、ショートショート特有の驚きと言うのが感じられなかったです。
と、殆ど難癖をつけるようにして言いましたが(だって作者さんはこれをショートショートだとも明言していないし、
私が勝手に名前をあげてプロと比べて、それでここを直すべきだなんてあまりにもひどい言いがかりですよね)
一つでも読者の予想を裏切るような、あえて意地悪く読み手を騙すような、そんな仕掛けがあれば良かったかなと思いました。

しかしながら、設定の作り方、そしてその説明の仕方、世界観の提示の仕方、それを失敗せずに
6000字でやり遂げるのはやはり見事だと思います。
偉そうに言う私はそれが出来ていません。あなたはすごい!



No.12 幻の少女(ほげおちゃん)

主人公が可愛らしいです。思春期にありがちな、男女間の理不尽なモヤモヤ感をうまく書けていると思いました。
お互いの感じ方や考え方(もっと言えば哲学?)が違うのに、自分の考え方を無理に相手に押し付けるというのも、
男女間では結構あるように思います。その辺がリアルでありながらコミカルに描かれていると思います。
お互いの気持ちを、お互いの歌詞を代理戦争的に経由して伝えているというアイデアも面白いと思います。

ただ、やはり普遍的なテーマであるためか、見せ方が弱いなと感じてしまいました。
このようなテーマは色々な方が描いていると思いますが、結構やり尽くされいる感があって、
もちろんまだまだ色々と面白く書かれる小説は出てくるのでしょうが、この小説においても読者を惹きつけるような設定なり、
物語の山場が欲しいと言うのが正直な感想でした。もしくは読者の心を奪うようなキャラクター性。

歌詞を通じて……というのはキュンとくるような設定ではあるのですが、ただ最後まで何事もなく終わってしまった、というのはやはり残念だと思ってしまいました。
(もちろんこの批評、自分の作品にも言える事なのですが……)

少女漫画やレディースコミック、あるいは恋愛小説でよくあるように、過剰に思えるかもしれないけれど、
読者の心を震わせられる演出、というのがあればこの作品はとても映えるのではないかと、そのような感想が頭に浮かびました。


***********************【投票用紙】***********************
 【投票】: No.08 権兵衛の決断(しゃん@にゃん革氏)

今回、一番小説として楽しめた作品であり、色々と文の中から主人公(+作者)の想いを読み取る(想像する?)面白さがあった作品でした。
文体が物語にマッチしてかつての時代の雰囲気を感じさせたのもよかったです。

個人的には最後の描写の演出というか、作者が意図したかは分かりませんが、悲しみを滑稽に描き、
私たちから見た時には馬鹿に見えるけれど、本人のその思いは誰にも馬鹿に出来ないほど真剣だった、というシーンが、
老人の想いの報われなさが何倍にもなって襲いかかって来るように思え、その書き方がとても新鮮で驚かされました。
というか勉強になりました。そのような書き方があったのか、と。
痴ほう症になって歯も全部抜けた、私たちから見たよぼよぼのお爺ちゃんにも、
私たちの知らない時代の大きな悲しみと過酷な環境での愛を背負っているのだという、
ある意味で老人を大事にしない若者に対する皮肉もあったと言うか、まあ深読みし過ぎかもしれませんが。
とにかく、そのシーンを書くまでの描写が短くも丁寧に描かれており、個人的には文句なしの投票となりました。

ちなみにとあるライターの話なのですが、昔の暴走族がよく書いていた「夜露死苦」という文言は、彼らが生み出した最高の詩だと言い切った人がいました。
たった四文字で自分たちの不自由さや苦しみを表現した傑作だと。
この作品も一見するとふざけた言葉がありますが、滑稽に見えるのに描かれている人が切ないほどに真剣だというのが、とても良かったのです。



気になった作品:No.10 実直な男(ドーナツ氏)

完成度が高く、物語の初めから終わりまでの流れが綺麗でした。読みやすく、掌編としてとても素晴らしい作品でした。
ただ今回は、印象に残るシーンがなかったと言うことで関心票となりましたが、同じような作品が並んだ時に、
この完成度の高さは強みになると私は思います。


        No.06 若者たち(すずきり氏)
        
この作品、最後に読んだのですが、やはりどうしても気になるので、関心票を入れさせていただきます。
雰囲気と文体が好きでした。完成度も高かったと思います。
手紙の部分で、もう少し読者に訴えかける表現が欲しかったです。
        
********************************************************



ーーーーーーー総評ーーーーーーー

やはり色々なジャンルが揃う中で、それぞれの読書観によって評価をすると言うのは難しいですね。
もちろんそれが品評会の良さでもあるのですが。
人によって正反対の意見が出たり、自作の意図した面白さが理解されなかったり、他作品で自分が分からなかった面白さを他人の意見で知ることが出来たり、
やはり品評会は有意義な場所だと感じました。自分は今回、納得する作品が書けなかったのですが、自分ではわかりづらいような、自覚していなかった部分を指摘されることで、
色々参考になることもありました。
どうしても品評会となると、欠点の少ない完成度の高い作品が優勝することが多いのですが、まあやはり小説とはそういう物なのだと思います。
いくら自分の伝えたい思いがあっても、気持ちを乗せて書いても、完成度の低い作品、欠点の多い作品が読者に好まれることは多くありません。
自分も、次に出ることがあれば、丁寧に仕上げた作品を出したいなと思っています。なんだか言い訳のようですけれど、そう思います。
もしくは欠点がありながらも、それを凌駕するほどの強い引きを持った小説。それが書けたら苦労はしませんが。
2014.09.14 02:04

※ このコメントには、作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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感想ばかりか点数までいただきまして本当にありがとうございました!
ご意見を参考にキャラクターの組み立てや見せ場にも気を配れるよう努めます。
「女装をなぜ妹が見抜けないのか」という部分は、ご指摘の通りだと思います。
意図があって無視したのではなく、まったく違和感を抱いていなかったので、これは自戒しなければと反省頻りです。
貴重なご意見、深謝御礼申し上げます。
2014.09.14 02:27

※ このコメントには、作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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うぉ!? なんと、自分でありますか?
…こ、これは大変光栄ながら想定外なことでした…。
多くのご批評・ご感想、ご投票、そして運営の労を頂戴しまして、
本当にありがとうござました。ご参加の皆様お疲れ様です!

同率一位の関心表差で接戦ですし、当方が決めるのも恐縮ですが、
また、慣れないことでツボを外してそうなのが怖いですが…では、
-------------------------------------
NEXTお題:「わかってくれない」
字数制限: 9000字以内

(※お題は台詞にかぎらず多様に解釈可)
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…という様式で、お願いいたします!
2014.09.14 02:27

※ このコメントには、作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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うぉ!? なんと、自分でありますか?
…こ、これは大変光栄ながら想定外なことでした…。
多くのご批評・ご感想、ご投票、そして運営の労を頂戴しまして、
本当にありがとうござました。ご参加の皆様お疲れ様です!

同率一位の関心表差で接戦ですし、当方が決めるのも恐縮ですが、
また、慣れないことでツボを外してそうなのが怖いですが…では、
-------------------------------------
NEXTお題:「わかってくれない」
字数制限: 9000字以内

(※お題は台詞にかぎらず多様に解釈可)
-------------------------------------
…という様式で、お願いいたします!
muomuoさん への返信
お題ありがとうございました!
9000字の中に密度の濃い短編を三つ詰め込む、個人的に「すげー!」と思わせる作品でしたよ!

次回も投稿お待ちしております!
※ このコメントには、作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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No.01 ずっと私の隣にいてくれませんか、と言いたかっただけ(犬子蓮木)
http://text-poi.net/post/sleeping_husky/30.html

「幻の恋人」というお題は個人的に難しかったのだけど、なるほど、こういう物語もあるのかと示した作品。
が、私にはどうしてもこの軽い主人公に好感を持てなかった。本当に好きだったら、男性に対してもっと臆病であるべき。最後の展開ね。
男性の立場から見て主人公が一体何を考えているのかよくわからないし、そのくせイニチアシブとろうとするんだから絶対イライラするぜ。
そんなふうに積もり積もった男性の怒りが爆発して、最後にはろくでもない終わりになりそう。
私的には、そのあたりまで突っ込んで書いてほしかったなあと。
そういう方面で力を発揮する作者だと思っているので、余計、ね(´・_・`)

No.02 君が言ったナッツは遠い幽冥の中、騒乱に消えてった打ち上げ歯並び(茶屋)
http://text-poi.net/post/chayakyu/80.html

最初のDATEIF文には笑ったわ。
けどこれ、彼氏いたことがあろうがなかろうが結果が変わらない式になってしまっているんだよな。そのあたりはもう少し拘りがあってもいいんじゃないかと。
今の「とりあえず思いつきましたー!」感も嫌いじゃないけどね。
勿体無いのは、この作者の作品には毎回言っている気がするけど、設定の説明が主であまり物語になっていないんだよな。
モノローグを使わないという縛りをつけて一回作品を書いてほしいな。

No.03 銘菓、幻の恋人(碓氷穣)
http://text-poi.net/post/_latefragment/27.html

あれ、これ幻の恋人関係あるか……?
もしかして「白い恋人」と掛けてるのかなこれ、と思ったけど、調べてみたら「幻の恋人」ってお菓子あるんだ。ふーん、みたいな。
……いや、なかなかコメントが難しいなこの作品は(・_・;
単に「幻の恋人」というお菓子を使ってみた推理小説と考えていいのだろうか。なんだろ、それだともう少しトリックに工夫があってもいいと思うし、ようするにどういう方面で解釈していいか迷う作品である。

No.04 不完全なラブレターと、歯と共に眠る(木下季花)
http://text-poi.net/post/kika_kinoshita/8.html

私が今回のネタをまったく思いつかなかったとき、とりあえず他の人の作品を読んでみようと思って真っ先に読んだ作品。
あー、なるほど、こういう系もあるなあと少しヒントになりました。
で、この作品自体の感想なのだけど、どうやら作者はモノローグ的に話を進めていって、少しずつ主人公の異常性を明かしていくというのが一つのスタイルになっているようだ。文体はとても読みやすく雰囲気があり、あとはその異常性にどこまで興味を惹かれるかというところ。
残念ながらこの作品には、私はあまり惹かれませんでした。
というより、何故か意味のない嘘をつくというキャラクター自体は楽しい。私も経験があって、どのようなときに人が騙されやすいかたまに研究したりする。
だけど本作品ではその嘘をつくことに理由をつけてしまったことで、せっかくのキャラクターが死んでしまったように感じた。
というより、ぶっちゃけ話の流れからすると最後のは後付けに近い気がしたのだが、どうなのだろう。
もしこの結末が後付けでなく最初から練られたものであったならば、まず結末の話を最初に持ってくるべきだったと思う。
主人公がなぜ嘘をつくのか、ではなく、嘘をつくことでどのようなことが起こっていくか、という方向で書いてほしかった。

No.05 isn't she lovely(木下季花)
http://text-poi.net/post/kika_kinoshita/9.html

これもNo.04と同じくモノローグ形式なのだけど、ちょっと最初のほうでいっぱいいっぱいになった。
発想の豊かさに関心を払うのだけど、おそらくこのまま大したことが起こらないまま終わるんだろうという予感がして、実際そのとおりに終わってしまうのが残念。
なんというか、もっと頭使えるはず(´・_・`)

No.06 若者たち(すずきり)
http://text-poi.net/post/tamamogari/2.html

私は例のドラマを見ていないのだけど、この作品のタイトルはやはりそこから取ったのだろうか。
個人的にこの小説は少し残念。
というのは、書きたいテーマがあるし、実際に書けているように思えるのだけど、「うーん、なんかなあ」という印象が残る。
石って何のために出したんだろう……てっきり石がスミをハメたのだろうと思ったけれど、そうでもなさそうだし。
夢を追いかけている主人公が女性の色香に惑わされるシーンはすごく好き。人間ってそういうもんだよ。

No.07 あの暑い夏(如月恭介)
http://text-poi.net/post/KyouskeKisaragi/3.html

彼女可哀想だなあという印象。
これがリアルの話だったら思うところはあるのだけど、創作だからなあ。
もう少しドラマを見せてほしいと思いました。

No.08 権兵衛の決断(しゃん@にゃん革)
http://text-poi.net/post/syan1717/46.html

あれ、結構真面目じゃね……?
ビルマの竪琴の主人公ってミズシマだっけ。全然覚えてないや。
七十年の歳月を経てビルマに戻ってきたのだけど、なぜビルマに惹かれたのかその理由が少し浅いと思いました。
というか、短編でそれを書くのは尋常ではない。
わたし軍医の自伝読んだけど、暑いから早く治療しろってお股パカパカしていた売春婦がいたり、性病でちんちんが半分千切れた青年に出会ったり、壮絶だった。
「あれ、これ足切らないと全身壊死すんじゃね? けど怖いから様子みよ」→「手遅れだったわ!」みたいな。
単にエピソードの不足というものもあるけれど、何時間も本を読んで脳が疲れた先に訪れるもの。
そういう感覚を短編で得るのは非常に難しいと思うんだよねえ。

No.09 たとえアナタがいなくても(三和すい)
http://text-poi.net/post/miwa_sui/30.html

こういう作品を見るたび思うんだけど、まったく姿形の違うものを愛するってかなり難しいことなんじゃないかな。
例えば犬や猫となら両想いになる人間はいるかもしれないって考えるけど、虫やクラゲになると「いや、ねーだろ」っていう気がするんだよね。もう根本的に生物として違うじゃん。
クラゲみたいな格好のくせに人間みたいな考え方をしているって相当ファンタジーな設定で、そのあたりをもうちょっと練ったほうがいいんじゃないかと私は思いました(´・_・`)

No.10 実直な男(ドーナツ)
http://text-poi.net/post/donut_no_ana/2.html

170cmそこそこって普通の背丈じゃない?
ひとまずそれは置いといて。世の中の多くの人は、自分が何故そのような行動に至ったかをうまく説明できずにいる、と私は考えている。
女装すると自由になれる、というのはその典型じゃないかな? と思うのだけど、どうだろう。だって単に自由になりたいなら他に方法がある気がするんだよね。
なぜ女装を選んだのかと、それにより具体的にどのような感情を得たか。もっと掘り下げていいと思う。
あともうちょっと、登場人物をうまく使ってほしいと感じた。探偵の領域外にしても、やはり結末がどうなるかの示唆は欲しいところ。

No.11 近未来「次世代整形」オムニバス(muomuo)
http://text-poi.net/post/muo_2/13.html

これが今回のベスト。ありがとうございました。
短編が三本あって三本とも面白いのだが、後の作品のほうがより面白いところがいいね。
二本目の作品は女性に対して思うところがなかったわけではないけれど、主軸はあくまで男性に置かれているので、男性の目線に立って「彼女はどのようなことを考えていたのだろう」と考えさせる作りになっているね。
三本目は単純にお話として好きだ。百年の恋も冷める瞬間ってきっとあるんだよね。遠く離れたときに、「こいつって何て勝手なんだ」と思うことある。相手には相手の事情があるのは分かっているんだけど。

No.12 幻の少女(ほげおちゃん)
http://text-poi.net/post/hogeochan_ver2/14.html

……(´・_・`)
なんか散々言っておいてコレっていうのがどーもね……
正直ゼロフィニッシュも覚悟しております。
残念なのは、最後の最後のほうになって色々アイデアが出てきたけど形にできなかったこと。

 ***********************【投票用紙】***********************
 【投票】:No.11 近未来「次世代整形」オムニバス(muomuo)

 気になった作品:No.06 若者たち(すずきり)
********************************************************

次点はNo.02。
BNSK側の投稿が少なくて心配してたけど、少し前のレスによるとてきすとぽいに直接投稿している人が多いのかな?
じゃあ多分大丈夫かな。うん。
次回はさすがに、というかちょっとマンネリ気味なのでもっと気合入れて書かないとね。
やっぱりプロの作家さんってすごいわ、と思った今日この頃。
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>あれ、結構真面目じゃね……?

うし。

ついに、コンゴウやハンコックを出しても真面目と言われるようになったのだ。

しめしめ~。

うひひ。
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感想転載

簡単ですが全感をば。

1
ストレートな恋愛ものといった感じですね。
ただ、ストレートすぎてキャッチーさがないというか。

2
恋人って何だ?みたいな問いに対し、ひたすら主人公が小難しい(ように見える)思索を繰り広げてるわけですが、
これだけで一作品に仕上げるのは厳しかったんじゃないかなあ、と。
結局彼女のキャラクターが見えないんですよね。まあ、見せようという小説じゃないからなんでしょうが。
それと、タイトルはなんでああなったのでしょう?「ダメそうだな」と思われるようなタイトルはそれを裏切れないと付けちゃいけないんじゃ。

3
すがすがしいほどテーマを無視してきやがったな、と。まあ、それもいいんですけど。
典型的ミステリーですが、ちょっと典型的すぎるんですよね。
多かれ少なかれ「犯人は誰だ」的な要素があるとなると、びっくりするようなトリックとか、探偵役の物凄い洞察とか、そういうのを期待してしまいます。
あと、本文中には問題の台詞を執事が言ったと明記されてないんですよね。もしかしたら真犯人は別に?ということを考えたのは楽しかったです。作者さんの意図ではなさそうですが。

4
昔好きだった人が死んだ→そこから嘘で固めるようになった、というロジックは上手いですし、淡々とした文章もある種の恐ろしさを感じさせます。
ただ、犬を殺すくだりがちょっと分からなかったです。主人公の感情が普通じゃないという描写なのでしょうか?


5
うーん、伝えたいメッセージが掴めない。

6
品評会的には「勝ちやすそう」な作品だなあ、とか思ってしまうのは私がひねくれてるからですが、上手くまとまっていると思います。
文体も舞台の近代日本とよく合って雰囲気を作っています。
内容的には、きちんと知的好奇心のためにどうすべきか?というテーマを消化していると思いました。Kが、向上心のない奴は馬鹿だ、と言ったのを思い出します。
最後の「 私は実家に洋雑誌を乾かしたまま、置き忘れてしまった事に気がついた」というフレーズだけ、なんか説明調で浮いている気がしましたが。

7
なんというか、物語が薄い、という感じがしてしまいます。ありがちな感じもしますし。
この短い中に内容を詰め込めとは言いませんが、もっと独特な雰囲気を作るとか、感情の揺れを描くとか、そういうことを期待したいです。

8
この人のこのシリーズは品評会の定番になりつつありますねw
ビルマの竪琴をちゃんと見たことがないのでコメントしづらいです。

9
良く掛けた短編、って感じがします、前半の男のパートは「幻の恋人」というテーマド直球でありつつも惹きつけられるものがありました。
後半にありきたりではないSF設定がぶち込めれば素晴らしいのですが、そこまでもとめるのはさすがに酷でしょうか。

10
>>131にもありますが、170の男って全然小柄じゃないですね。
「兄は小柄で女は大柄」という情報を出すための文言なのでしょうが、一般的な感覚と違う以上、わざとらしさを感じます。
それに一度に情報がでるのでそこでネタが割れちゃうんですよね。兄が小柄なことを別の場所でしれっとだして、
「そういえばそうか!」みたいに思わせるのがミステリーのテクニックなのかな、とか思いました。
喫茶店のマッチのくだりもちょっと不自然に感じました。全体的に作り物っぽさがあるように思えます。

11
おお、これは。
各2000字くらいの短編でここまで読ませるとは。
これについては、もう1回しっかり読んでからじゃないと感想書けないなあ……

12
手堅く上手いですね、ほげおさんは。この人も勝ちやすいタイプだなあ、とか思っちゃいます。
読みやすい文章+青春モノ、っていうスタイルがマッチしているんでしょうか。
武藤君、他クラスから見に来られるレベルのイケメンだったらそこまで特技とか無くてもモテんだろ……とかちょっと思いましたが。


***********************【投票用紙】*********************
 【投票】:No.11 近未来「次世代整形」オムニバス

 気になった作品:No.06 若者たち, No.12 幻の少女
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>この人のこのシリーズは品評会の定番になりつつありますねw

そういうワケで、次の品評会は運転手さんでーす。

ぷっ。
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感想転載2/2

No.07 あの暑い夏(如月恭介)

このような理不尽な事故で恋人を亡くされると言うのは、やはりとても悲しいものです。
しかしこの小説は淡々としすぎていて、ニュース番組などで軽く紹介される不幸な人の話、という印象を持ちました。
主人公の喪失感や、深い悲しみが見えてきません。
決して悪い作品ではないのですが、悲しい物語であるのに、どうにも主人公あるいはヒロインに感情移入するほどの情報が与えられずに、そのまま終わってしまった印象を受けました。
主人公の葛藤や、彼女を失くした時の悲しみ、あるいは彼女が亡くなってしまうまでのドラマティックな展開が見たいなと思いました。



No.08 権兵衛の決断(しゃん@にゃん革)

真面目に語る文体の中で、唐突に幼稚な口語体が出てくる表現は、正直気になります。それに作者が頼ってしまっていると言うか、
もちろんそれが味でもあるのだろうけど、まったく作品の中で生きていないように感じます。上滑りしているような。
それと唐突に挟まれる現代ネタも駄目です。もっとまじめに書いてほしかったです。

しかし、私は今回の中でこの作品が一番好きかも知れない。というか、好きです!
一人の人間の人生のハイライトを、2500字ほどで読ませるのはなかなかにすごいことだと思います。
最後の場面がとても良いです。ちょっとふざけた感じに表現しているのは作者の照れ隠しなのか、それとも癖なのかは判別できませせんが
ボケてしまって間違った場所に連れていかれようと、最後まで自分の中に存在し続けたかつての思慕に浸って死を受け入れる瞬間、
場所がどこであろうが、自分の中で愛した女性は常に自分の中で暖かい宝物として存在し続けるのだ!
その一瞬の煌びやかな思い出さえあれば人生がどんなに悲惨であろうが、幸せであれるのだ!
となんだか格好いい終わり方に私には思えて、ああ、しゃんさんってこういう小説を書く人なのか、と驚かされました。
今までの作品は私の固定概念のためか作者の意図を理解できないこともありましたが、今回の作品は素晴らしいです。


ここがあんたの目指した場所さ、という台詞の哀愁もいいと思います。
主人公が最後にたどり着いた場所が、発達してしまった日本の街だと言うのがいい皮肉になっていると思います。
どんなにボケていても、愛する人のことは忘れない爺さんのかっこよさが、私にはなんだかグッときます。
間違った街の真ん中で骨を埋めると言う終わり方と共に、そこになんだか強烈な皮肉が込められているような気がするのです。


No.09 たとえアナタがいなくても(三和すい)

設定としては星新一さんが描くショートショートに似ているのだけれども、より主人公の感情に接して描き、
ドラマティックにしたような作品で、面白く読み進めていきました。

ただ個人的な感想になってしまうのですが、意図的に淡々と描かれたのか、女性側の感情があまり強く伝わって来ませんでした。
男性との愛の日々を表すエピソードがもう少しあれば、この女性の苦しみがもう少し理解できるような気がするんだけれどなあ、
という歯がゆい思いが、読後の感想として残ってしまいました。
どうして彼を好きになったのか、もう少し詳しく知りたいな……と。

それに、やはり恋人を殺しておいて感情が爆発することもなく、『たとえアナタがいなくても、私はアナタだけを永遠に愛し続ける』
と、(ある意味では主人公が嫌っているきれい事で)納得してしまう終わり方も、少し呆気ないかなあとは思いました。
異星人だから地球人と感情の表れ方が違うのかもしれませんが、もっと悲しみが表れてもいいんじゃないかと思います。
もちろん読み手の好みに過ぎないと言い返されてしまえば、返す言葉はないのですが……。

仕事のために感情を抑え、淡々とこなしていかなければならないのは解りますが、婚約をしないと自ら誓約を負ったことも解りますが、
なんだか最後の描写にて、主人公にとっての男がすでに消化された思い出となっているように感じたので、
もう少し物語の中で一番盛り上げるための描写として描けたのではないかなと、そのような思いを抱きました。
偉そうな指摘でご気分を悪くされたら申し訳ありません。

物語の展開の仕方としては、ミステリ的に、序盤に謎を提示して読者を引っ張る展開はとても好みでした。
消えた彼女は一体誰なんだろう、と気になりながら読むので止まることなく読み進めていけました。
個人的には、中盤でああ宇宙人なんだろうなとわかってしまう残念感があって、
最後に宇宙人だったと種明かしされる展開の方が好きなのですが、そこは書き手の好みも反映されますし、
また読み手の好みによって評価もころころ変わると思いますので、あくまで感想としてお聞き下さい。

小説としてはとても好みなのですが、もう少し盛り上がる場面が、読者の心を揺さぶろうとするピークが欲しいと思ってしまう、
好きなだけに歯がゆさを感じさせてしまう作品でした。



No.10 実直な男(ドーナツ)

無駄に物語を広げる余分な描写や、作者の自己満足的な表現を一切書くことなく、淡々と綺麗にまとめていくこの書き方は、
簡単なようでいて、なかなか難しい事なのではないかと思います。
元々作者がこの書き方を得意としているのか、あるいはあえてこの書き方に挑戦したのかは分かりませんが、
個人的にはこの作品にてそれは成功していると思いますし、最後までの持って生き方が上手だなと唸らされました。読みやすかったです。
短く、淀みなくまとめられている。欠点がない小説だと思います。

兄の恋人とは誰なのだろう、幻の恋人というテーマとどう絡むのだろうと期待しながら読み、
最後の場面でうまく着地して、謎が明かされる書き方は好みです。

小説やアニメ・漫画のミステリ作品でよくあるような(あまりミステリを深く読み込んでいないので勘違いでしたらごめんなさい)、
最後の場面で自分がやったことに対する動機を語りだすというのも、オチとして綺麗にまとまっていると思います。

違う方が指摘されていた最後の場面のことですが、
女装をしたことに関して長々と語ってしまうと、それはまた違う方向のアプローチとして小説のテーマを複雑なものにしてしまうというか、
作者の意図しない方向へ広げてしまうような気がするので、私はこの終わり方でありだと思います。
きっちりエンタメに徹したこの書き方のままでいいように思われます。


一つだけ強いて苦言を呈するとするならば、さすがに妹も女装した兄と会えば(もしくは見れば)気づくんじゃないかな、と。
なぜそこで兄と会う前に探偵と会ってしまったのかという理由づけが不十分な気がしました。

兄と会ったこともない探偵が気がつくのに、妹は女装した兄を見ても違和感すら抱かない。
まあミステリにはこのような、絶対にわかりそうなことを無視して進めて展開するということが結構あるように思いますので、
私も特別それが気になったわけではありませんが、その辺が気になる方もいらっしゃると思いますので、
何かしらその辺に関する理由づけなり、妹がなぜ気づかなかったのかと分かりやすく説明する描写があればいいなと、
余計なおせっかいのようにして思ってしまいました。


Np.11 近未来「次世代整形」オムニバス(muomuo)

この小説は個人的には評価が難しい小説です……。

文章はとても上手だと思います。以前からこの作者さんの文章の端正さに惹かれており、テーマや物語さえ合えば、
きちんと評価される作品を描けるだろうなあと、なんだか作者から鬱陶しく思われるファンのような気持ちで読んでいました。

ショートショートとして、三作品ともきちんと書かれていると思います。
何と言いましょうか、設定は星新一的なんだけれど、書き方や読み手へのアプローチの仕方は阿刀田高的な(あくまで自分
がそう思っただけです、すみません)
面白い小説だなと、感じました。

完成度は高いと思います。ただ一つ一つの話に惹かれたかというと、そんなに自分にはぴんと来なかったです。
三つのお話はどれもよく出来ていて、物語的な繋がりはなくとも、世界観を表現することに成功はしているのですが、
例えば前に挙げた星氏と阿刀田氏の作品のように、幾つかある作品の中で唐突に、あっ! このお話すごいっ!?
と思わせられる、ショートショート特有の驚きと言うのが感じられなかったです。
と、殆ど難癖をつけるようにして言いましたが(だって作者さんはこれをショートショートだとも明言していないし、
私が勝手に名前をあげてプロと比べて、それでここを直すべきだなんてあまりにもひどい言いがかりですよね)
一つでも読者の予想を裏切るような、あえて意地悪く読み手を騙すような、そんな仕掛けがあれば良かったかなと思いました。

しかしながら、設定の作り方、そしてその説明の仕方、世界観の提示の仕方、それを失敗せずに
6000字でやり遂げるのはやはり見事だと思います。
偉そうに言う私はそれが出来ていません。あなたはすごい!



No.12 幻の少女(ほげおちゃん)

主人公が可愛らしいです。思春期にありがちな、男女間の理不尽なモヤモヤ感をうまく書けていると思いました。
お互いの感じ方や考え方(もっと言えば哲学?)が違うのに、自分の考え方を無理に相手に押し付けるというのも、
男女間では結構あるように思います。その辺がリアルでありながらコミカルに描かれていると思います。
お互いの気持ちを、お互いの歌詞を代理戦争的に経由して伝えているというアイデアも面白いと思います。

ただ、やはり普遍的なテーマであるためか、見せ方が弱いなと感じてしまいました。
このようなテーマは色々な方が描いていると思いますが、結構やり尽くされいる感があって、
もちろんまだまだ色々と面白く書かれる小説は出てくるのでしょうが、この小説においても読者を惹きつけるような設定なり、
物語の山場が欲しいと言うのが正直な感想でした。もしくは読者の心を奪うようなキャラクター性。

歌詞を通じて……というのはキュンとくるような設定ではあるのですが、ただ最後まで何事もなく終わってしまった、というのはやはり残念だと思ってしまいました。
(もちろんこの批評、自分の作品にも言える事なのですが……)

少女漫画やレディースコミック、あるいは恋愛小説でよくあるように、過剰に思えるかもしれないけれど、
読者の心を震わせられる演出、というのがあればこの作品はとても映えるのではないかと、そのような感想が頭に浮かびました。


***********************【投票用紙】***********************
 【投票】: No.08 権兵衛の決断(しゃん@にゃん革氏)

今回、一番小説として楽しめた作品であり、色々と文の中から主人公(+作者)の想いを読み取る(想像する?)面白さがあった作品でした。
文体が物語にマッチしてかつての時代の雰囲気を感じさせたのもよかったです。

個人的には最後の描写の演出というか、作者が意図したかは分かりませんが、悲しみを滑稽に描き、
私たちから見た時には馬鹿に見えるけれど、本人のその思いは誰にも馬鹿に出来ないほど真剣だった、というシーンが、
老人の想いの報われなさが何倍にもなって襲いかかって来るように思え、その書き方がとても新鮮で驚かされました。
というか勉強になりました。そのような書き方があったのか、と。
痴ほう症になって歯も全部抜けた、私たちから見たよぼよぼのお爺ちゃんにも、
私たちの知らない時代の大きな悲しみと過酷な環境での愛を背負っているのだという、
ある意味で老人を大事にしない若者に対する皮肉もあったと言うか、まあ深読みし過ぎかもしれませんが。
とにかく、そのシーンを書くまでの描写が短くも丁寧に描かれており、個人的には文句なしの投票となりました。

ちなみにとあるライターの話なのですが、昔の暴走族がよく書いていた「夜露死苦」という文言は、彼らが生み出した最高の詩だと言い切った人がいました。
たった四文字で自分たちの不自由さや苦しみを表現した傑作だと。
この作品も一見するとふざけた言葉がありますが、滑稽に見えるのに描かれている人が切ないほどに真剣だというのが、とても良かったのです。



気になった作品:No.10 実直な男(ドーナツ氏)

完成度が高く、物語の初めから終わりまでの流れが綺麗でした。読みやすく、掌編としてとても素晴らしい作品でした。
ただ今回は、印象に残るシーンがなかったと言うことで関心票となりましたが、同じような作品が並んだ時に、
この完成度の高さは強みになると私は思います。


        No.06 若者たち(すずきり氏)
        
この作品、最後に読んだのですが、やはりどうしても気になるので、関心票を入れさせていただきます。
雰囲気と文体が好きでした。完成度も高かったと思います。
手紙の部分で、もう少し読者に訴えかける表現が欲しかったです。
        
********************************************************



ーーーーーーー総評ーーーーーーー

やはり色々なジャンルが揃う中で、それぞれの読書観によって評価をすると言うのは難しいですね。
もちろんそれが品評会の良さでもあるのですが。
人によって正反対の意見が出たり、自作の意図した面白さが理解されなかったり、他作品で自分が分からなかった面白さを他人の意見で知ることが出来たり、
やはり品評会は有意義な場所だと感じました。自分は今回、納得する作品が書けなかったのですが、自分ではわかりづらいような、自覚していなかった部分を指摘されることで、
色々参考になることもありました。
どうしても品評会となると、欠点の少ない完成度の高い作品が優勝することが多いのですが、まあやはり小説とはそういう物なのだと思います。
いくら自分の伝えたい思いがあっても、気持ちを乗せて書いても、完成度の低い作品、欠点の多い作品が読者に好まれることは多くありません。
自分も、次に出ることがあれば、丁寧に仕上げた作品を出したいなと思っています。なんだか言い訳のようですけれど、そう思います。
もしくは欠点がありながらも、それを凌駕するほどの強い引きを持った小説。それが書けたら苦労はしませんが。
※ このコメントには、作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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>ボケてしまって間違った場所に連れていかれようと、最後まで自分の中に存在し続けたかつての思慕に浸って死を受け入れる瞬間、場所がどこであろうが、自分の中で愛した女性は常に自分の中で暖かい宝物として存在し続けるのだ!

恋とは、棺桶に入るとき、一緒にそこに入れたいけど入れられないものだと思いましたー。

そして年齢を経た人ほど、その思いは心の奥にしまいつつも、気持ちの中で同化しているのではないのかとー。

でも権兵衛くんレベルになると、同化しすぎてどうかなっちゃうかもねー。

なんつーて。
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